タンザニアの旅22 ジョザニ保護区
10月5日(木)
ザンジバル島には高い山は無い。人口密度も高いので自然の森林が残っている場所は少ないようだ。保護区となっている Jozani ジョザニの森には、大型の動物はいないが、蝶、鳥、そして貴重な(ザンジバルでわずかに約1500頭)レッドコロブスが生息している。レッドコロブスは最近日本のテレビ番組でも紹介された事がある、特殊な行動をする猿の一種である。このコロブスは他の動物は食べない毒のある未熟な木の実を食べるのだと言う。驚くべきことに、それを解毒するために炭を食べるのだそうだ。
保護区の入り口の駐車場に車を停める。客は少なく閑散としている。とにかく暑い。近くに売店があり、店員が二人暇そうにしている。しかしラマダンの影響で飲食物は販売していない! 店員に受付の場所を教えてもらう。事務室に通され、いろいろ説明を受けながら書類を書かされ、入場料を支払う。見学は①レッドコロブス、②森の植物、③マングローブの森 の3つのセクションに分かれており、希望するセクションだけ案内するとの事。この後の日程を考え①と③を選択した。
ガイドの案内で建物の外に出る。歩いて森に入るのかと思ったら、車に乗れと言う。保護区の用意する車に乗るのかと思ったら、自分たちのレンタカーに乗り、ガイドが後部座席に乗るのだ。さっき入ってきた入り口の道を戻り、舗装道路を横切って反対側の未舗装路に入る。50mほど走ったところで、車を停める。なんだ随分近くじゃないか。歩いてほんのわずか数m森に入ると、樹上にレッドコロブスの群れがいた。なーんだこんなに近くにいたんだ。6-7頭のレッドコロブスががさがさと動き回り木から木へと飛び移る。毛がふさふさしていて尻尾が長くて可愛らしいが、行動には注意が必要だ。頭上から突然のシャワー。慌てて逃げると、続けざまに今度は大便が降ってきた。やれやれだぜ。
①のコロブスの観察はあっと言う間に終わってしまった。車に戻り、更に奥へ数百メートル進む。車を降りて遊歩道を歩くと涼しい森に入る。湿地になっているがこの水は海水である。2kmほど離れた海から流れ込んでくるのだ。マングローブは河口や海辺に生育するのが特徴で、写真のようにかご状にに発達した根が水中から伸びて、潮の干満に対応できるようになっている。湿地にはサワガニぐらいの小さなカニが住んでいた。
車で保護区の駐車場まで戻る。ガイドはすぐには車を降りようとしない。ひょっとしてと思い妻に話しかけようとしたその時、突然外から別のアフリカ人が駆け寄って来た。
ア 「やあ、また会ったね。」
私 (誰だっけ??)
ア 「Mzeeのbrotherだよ。昨日空港でこの車を渡すときに会っただろ。車の調子はどうだい。」
私 「問題無い。調子はばっちり。」
ア 「それは良かった、じゃあまたあさって空港で会おう。」
私 「ありがとう。」
妻 「ガイドさんもありがとう。もう行ってもいいよ。」
ガイド (さびしそうに降りて行く…)
私 「ねえ。」
妻 「何?」
私 「ガイドは、チップが欲しかったんじゃない?」
妻 「そうか。全然気がつかなかった。」
Mzee's bros. のおかげでチップをもらい損ねた可愛そうなガイド氏であった。
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