2003年マラウイへの旅15 セントアンズホスピタル3
2003年12月29日
次に薬剤師として働いていた妻の主たる職場、薬局を訪問する。置いてある薬の種類はあまり多くない。日本ではもう使われなくなった古い薬も、まだまだ現役で使われている。妻が1年半ぶりに見た薬局の様子は、惨憺たるものだったようだ。「あんなに医薬品の管理の仕方も教えたのに、もうぐちゃぐちゃだ。(>_<)」 国際協力もなかなか現実は厳しいようだ。
奥の方の建物は病棟になっている。ベッドの数が足りなくて床で寝ている人もいる。病院給食といった物は無いので、食べ物は家族が持参しなくてはならないし、洗濯も家族の仕事。だから病棟の周囲には入院患者さんだけで無く、家族もいっぱい居る。
お母さんと一緒に双子の赤ちゃんが病棟の外の床で座っている。近づいて「ムリバンジ?」と声をかけると大泣き。マラウイ人の幼児たちは白人や黄色人種を怖がるらしい。異人さんに誘拐されると思っている??
写真の後方に写っているおじさん、上は白衣のような白いジャケットにネクタイで決めている。一瞬ドクターかと思うが、下は赤いタイツを履いている。とて も変だ。(^^;) PTCの前にもタイツを履いて踊っている物乞いのおじさんがいたが、同一人物と思われる。神出鬼没。しかし、何でタイツを履くのだろうと不思議に思った。
※この疑問は 2006年に、「タンザニアを知るための60章」という本を読んで少し解決した。この本の著書の栗田氏のホームページ「アフリカ案内」-「タンザニア」-「タンザニアマラウイ国境」-「国境付近のダンス」-「イゴマ」-「バックで踊る者」 にも写真が載っているが、タイツはダンサーのユニフォームなのだ。※
その後、病院のマネージャーや、ドクターと立ち話をする。セントアンズホスピタルは、その名前の通りのキリスト教会(アングリカン)の支援で開設 された私立の病院だ。コタコタには国立の病院もあり、そこでは無料で治療を受ける事ができるらしいが、設備は劣悪との事。この病院は国立に比べれば、かな り恵まれた設備で、治療費を払うことができる住民のみが受診するわけだが、その実情はこれまでに紹介したような具合だ。
ここにはイギリス人の医師が一人いるだけだ。イギリスのボランティア団体から派遣されているとの事。彼は主として病棟の入院患者さんたちを担当している。では、外来の通院患者さんの診察は誰がやっているのかというと、当然医師ではない。クリニカル・オフィサーとか、メディカル・アシスタントとい う、高等学校卒業後に専門学校を卒業したレベルの教育を受けたマラウイ人が担当しているとの事。その診療内容は、かなり怪しいもので、妻は不適切な薬剤の 投与に頭を悩ませていたという。
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