カンボジアの旅11 ライ王のテラス
2007年9月23日(日)
象のテラスの上を見学しながら歩いて15分ほどでライ王のテラスに到着した。
1枚目。ライ王のテラスから象のテラス方向を眺める。ライ王のテラスは象のテラスよりも高く、約6mの高さがある。
20世紀にフランス極東学院により調査と修復が行われた結果、テラスは途中で崩壊し後世に再構築された物と判明。古い外壁も見学できるように修復が施され、新旧2重の壁面を持つ事になったとの事である。
外側の壁の裏側はまだ新しく見え、修復間もないものであるとわかる。新旧の壁の間に通路が作られているものの、排水が悪く水が溜まってしまっている部分も多く、歩いて内側の壁面を観察できる場所は限られている。また観察できる場所でも通路の幅が狭いので写真撮影は難しい。(被写体との距離が取れない、他の見学者の通行の邪魔になる、光が当たらず陰になる…。)
私たちの訪れたとき、新旧の壁の間に隠れるように一人の男性が座っていた。汚れた衣服を身にまとったその人は、両足を失っていた。地雷の被害者であろう。物乞いをしているのか、日差しを避けているのか。
ポルポト派と人民軍による内戦が続いたカンボジア西部では、双方により無秩序に無数の対人地雷が設置された。何処に地雷があるか誰にもわからないような状況で、内戦終了後も地雷の撤去は進まず、子供を含む多くの人が犠牲になってきた。対人地雷は兵の無力化を目的としているので、致命傷は少ないらしいが、下肢を喪失して重度の障害を負う。日本を含む国際的な支援により地雷除去活動が行われているが、まだ気の遠くなるような数の地雷が残っている。
2枚目。テラスの上に鎮座しているライ王の像。 しかし実はこれは偽物で、本物はプノンペンの国立博物館に飾られている。ライ王のライは癩病の意味である。一般的には癩病という言葉は差別用語として使われなくなり、ハンセン病と呼ぶ事になっている。この像はハンセン病に罹患した王の像であるという説と、髭と牙を持つ閻魔大王であるとする説があるようだ。
3枚目はテラスの外壁の彫刻。中央の角の下の所とそこ少し左側には七つ頭のナーガが見られる。他の部分は様々な人物が彫り込まれており、右側の上部には半分崩壊しているが象に乗った人もいるようだ。その他魚、ワニ、植物なども彫られている。バイヨンの回廊の壁画との共通性を感じさせる。
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