カンボジアの旅34 トンレサップ湖(1) 水上住宅
2007年9月25日(火)
トンレサップ湖という言い方は本当は変なのだ。トンレは川、サップは大きな湖という意味だから川大湖湖になってしまう。まあ、サハラ砂漠(サハラはアラビア語で砂漠の意味)なんてのもあるし、日本でも富士川の看板に Fujikawa River と書いてあったりするので、勘弁してもらおう。トンレサップ湖の水はトンレサップ川(これも変な名前だ…川大湖川)となり、メコン川に注いでいる。しかし雨期になるとメコン川からトンレサップ川に水が逆流するため、トンレサップ湖の水量が増す。その最大面積は、Wikipediaでは16000平方km、地球の歩き方では9000平方km、Microsoft Encarta では10000平方kmと書かれており一定しない。いずれにしても日本最大の琵琶湖の面積が669.2平方kmであるから、その15倍ぐらい大きい。
トンレサップ湖では多くの種類の淡水魚が採れ、シェムリアップの市場を賑わせている。またこの湖は水上集落で有名である。伸縮する湖に合わせて、水面に浮かんだ家を移動させながら住んでいるのだ。水上集落を形成しているのはベトナム系の漁師が多いらしい。水上には住宅だけでなく、商店や、警察署、学校までが浮かんでいる。
そんなトンレサップ湖のクルーズに出掛けよう。クルーズといっても、小型の船に屋根を付けただけ。座席は木製の折り畳み椅子を床に並べてあるだけで、定員は10名ぐらいである。船長の席が一番大きくて立派だが、これもただの折り畳み椅子である。どの椅子も床に固定されているわけでは無いが、あまり揺れないので問題は無いようだ。
9時52分に船着場を出発。しばらくは細い水路を抜けていく。ここはシェムリアップ川なのか、それとももうトンレサップ湖なのか…。すれ違う船も多いが、右側通行が守られている。左側にはまだ道路が続いているようだ。
二棟の水色の建物の前を通りすぎる。背後の建物は高床式だが、これらは完全に水面に浮いている状態。なんと学校だそうだ。
平日の午前中だが、子供たちは素っ裸になって船から水に飛び込んで遊んでいる。さぼっているわけでは無い。カンボジアの学校は午前と午後の二部制になっており、半数の子供は午後から学校に行くのだそうだ。まあ、こんな汚い水に飛び込んだら免疫力の弱い日本人はすぐに病気になってしまいそうだ。
立派な2階建ての水上住宅が見えてきた。これも学校だが、二階は体育館になっている。子供たちは猿みたいに柱や金網にぶら下がって遊んでいる。楽しそうだ。よく見ると一階の左の方に日の丸が見える。日本の援助で建てられた(浮かべられた)のだそうだ。
この水上住宅は商店のようだ。水上住宅での電力はバッテリーによって
まかなわれている。商店の中にはバッテリー充電屋がある。また船の燃料を補給するためのスタンド船も浮かんでいる。
こちらは、屋根に十字架が。教会だ。仏教の盛んなカンボジアではあまり教会は目立たないが、ここはおそらく隣の学校とセットで、キリスト教系団体のドネーションで建てられたものだろう。
色々な水上住宅を見て楽しむうち、周囲には水上レストランが増えてきた。完全に観光客目当てのものだが、驚くことに看板がハングルで書かれた韓国料理店まであった。10時15分、湖の光景が大きく広がる場所まで来て船は停止。周囲にはたくさんの遊覧船が同じように停止している。水平線の向こうには陸地は全く見えず、まさに海のようである。ここで記念撮影などをして、引き返す。
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