カンボジアの旅44 国道4号線を南へ
2007年9月26日(水) プノンペンから南部の港湾都市シハヌークビルまでは230km離れている。カンボジアの国土がタイランド湾に接している部分は200kmぐらいしかない。シハヌークビルはカンボジアで最も大きな港であり、貿易の拠点である。またアンコールビールを醸造している Cambrew 社もシハヌークビルに工場を構えている。だからプノンペンとシハヌークビルを結ぶ国道4号線はカンボジアの物流の大動脈である。この国道はフランスから独立の後、アメリカ合衆国の援助によって整備されたそうだ。
王宮から東へ向かうと川岸にぶつかる。トンレサップ湖から流れてきたシェムリアップ川と、メコン川が合流するあたりであろうか。左折して右手に川を眺めながらシソワット・キーという名前の通りを北上する。
左手を見るとマーケットが見える。その向こう側には細長い4-5階建てのアパルトマンが立ち並んでいるのが見える。左折して川沿いの道を離れる。大きなラウンドアバウトを半周する。中心はワット・プノンのようだ。
立派な構え、しかしやたら閑散とした建物の前を通過する。プノンペン駅である。カンボジアでは鉄道輸送は殆ど機能しておらず、旅客輸送も物流も道路交通が主役である。旅客列車はバッタンパンとの間にわずかに週1往復しか無いらしい。
右折するといよいよシハヌークビルへ向かう道となる。片側2車線ずつの道だが、交通量が多くて流れが悪くなかなか進まない。
流れないはずである。我々の乗った車の正面に対向車が居る。対向車線は2車線しかないはずなのに、勝手に3車線使っていて、右折待ちの車がこちらの車線を1車線塞いでいるのである。おかげでこちらは1車線だけになってしまっているのだ。ちょっと待て。右前を行くゴールドのスズキエスクードの前には、こちらへ向かうトゥクトゥクやバイクが見える。4車線全部を対向車が使っていては進むはずが無いではないか!! 無秩序にもほどがあるぞ。(プリンセスホテルの前の道路に頑丈な中央分離帯が作られていた理由がようやく理解できた。)
プノンペン国際空港の前を通過。少し進むと道は二手に分かれる。左はカンポットに向かう国道3号線。右がシハヌークビルに向かう国道4号線である。沿道にはアパレル製造やカンボジア・スズキ自動車などの工場が多数見られる。11時30分から13時までは昼休みとの事で、一斉に従業員が出てきて道端を歩いている。
しばらく進むと料金所がある。通行料金は片道US$2。殆どの国道は有料では無いらしいが…。時刻はもう11時40分。まだまだ先は長い。ようやく交通量も減って、80km/hぐらいで流れ始める。とはいえ、コンテナを積んだトラックも多く、時々遅い車に前を塞がれる。周囲はのんびりとした丘陵地帯。時折集落があるが、そのほかは水田や大規模プランテーションなど。12時15分、隣ののコンポンスプー県に入った。コンポンは港、スプーはフルーツという意味だそうだ。急に雨雲が広がってきて雨が降り出した。カンボジアに来てから初めての雨である。
出発から2時間経過し時刻は13時。プノンペンから100km走ってきた。峠の茶屋みたいな PICH NIEL SORIYA Restaurant で昼食休憩を取る。こういう観光客向けじゃない所での食事はなかなか楽しみだ。店頭ではいくつかの惣菜が並べられていて、それをライスと一緒に食べる事もできるし、メニューから料理を注文することもできる。英語メニューはあるものの店員さんにあまり英語は通じないのでガイドさんに手助けしてもらいながら注文する。
テーブルの上には、「カンボジアの旅32」で紹介した怪しい緑茶飲料が並べられている。私は昼間からアンコールビールを飲んでしまう。今回の旅行は運転をしなくて良いのでありがたい。
食事を楽しんでいると、近所の子供が卵を売りに来た。まさかここで生卵を買ってもどうにもならないと思って買わなかったか、今になって写真を見ると3個ずつ串刺しになっているようだ。ゆで卵だったのだろうか??
トイレに行こうと店の裏に行くと、水瓶が置いてある。雨水を溜めて利用するための物で、カンボジアの田舎ではよく見かける物だ。もっともこの水瓶がぼうふらの繁殖場所となり、蚊に媒介されるデング熱などの感染症の一因になっているのである。
30分ほどの昼食休憩を終え、再びシハヌークビルに向けて出発。まだこの先130kmも残っている。間もなく峠に到着。ここには交通安全の神様が祭られていて、結構たくさんの車が立ち寄ってお祈りしていく。
ベアルレンの町で鉄道の線路を横切る。線路はさび、雑草が生えていて使われている気配が無い。14時53分、プノンペンから197km地点の2つ目の料金所を通過する。更に進むと左手にシハヌークビル空港が見える。最近国内線の運行が再開されたという情報もあるが…。このあたりから先はアップダウンが激しくなる。右手にシハヌークビル港を遠望しながら坂を下り、再び左手の丘陵へ上っていくとそこがシハヌークビルのダウンタウンだ。車は市街地を抜け、再び坂道を下っていく。15時28分、目的地であるカンボジア随一(唯一?)のビーチリゾート、ソッカビーチリゾート・シハヌークビルに到着した。
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