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2010年3月10日 (水)

湊病院問題 南伊豆町男女共学塾が現在地で継続を嘆願する署名を提出

 3月10日伊豆新聞に掲載されたもう一つの記事を紹介します。

  • 南伊豆町男女共学塾の塾長ら4名が、「共立湊病院の運営継続に関する嘆願書」を町民1676人の署名を添えて提出した。
  • 町民有志の同塾メンバーが協力して、2月19日から街頭や集落訪問で署名活動を繰り広げた。
  • 飯田塾長は、「急病人を受け入れる医療機関が無くなると町民はもちろん観光地としてイメージダウンになる。現在地へ耐震補強して病院運営を続けことなどはできないか」と要望した。
  • 病院側は、本部へ報告しますと述べる一方、下田市への移転については一部事務組合で決定済みと説明した。

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 南伊豆町の人口は1万人弱ですから、1676人の署名というのはかなりの数になります。これだけ多くの方が、継続を要望してくださったことは大変ありがたい事であると思います。

 ただ、この嘆願書、2年前までなら意味があったかもしれません。下田移転は既に結論として出されており、今から時間を戻すことはできないでしょう。そして、この内容の嘆願であれば、本来は一部事務組合に出すべきものだと思います。(せっかく署名を集めて下さったのに厳しい事を言ってすみません。)

 南伊豆町の住民の中でも意識の高い方々でさえ、共立湊病院の公設民営のシステムであるとか、平成15年から5年間も、移転か、耐震補強かという問題が、一部事務組合構成市町の綱引きで紛糾してきた、というこれまでの経緯は知られていないのだなあ、という現実が浮き彫りになった出来事とも言えます。

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コメント

いつも拝見しております。
3月6日の静岡新聞「現指定管理者 新体制まで運営継続」には大変驚きました。石井市長と「2次救急医療の空白期をつくらない意向」という考えは協会として同じ意向のようですが、この意図が「新体制まで運営継続」とそのままイコールではないようですね。また石井市長が語ったとされる「公益社団法人でもある協会が地域医療を捨ててまで撤退し、病院を廃院に追い込むことはない」という言葉は、正直信じられません。あたかも協会が廃院に追い込むかのような言いっぷりで非常に憤りを感じます。
それにしても某アドバイザーのホームページには一切湊病院に触れなくなりましたね。大失敗に終わった改革は公にしないんでしょうか。それとも次の一手を考えているのでしょうか?提案だけで、何の責任も取らなくていいのですね。そういえば伊関氏の著書の中に公立病院改革ガイドラインの問題点として、現場の声を聞かないことが挙げられていたような気がします。(←立ち読み程度であまり覚えてませんが・・・)今回のケースがそれに当てはまるのかもしれません。間に挟まれている住民や職員が犠牲になってます。甘いことを言われて乗っかってしまった人もお気の毒でした。長々とすいません。

投稿: 賀茂郡民 | 2010年3月10日 (水) 20時47分

賀茂郡民さん、初めまして。
 確かにどなたからも反省の声も出ませんし、責任を問う声も出てきませんねえ。せめて、これから俎上にのぼる公立病院のために、湊病院問題の足跡をしっかりと記録し、参考にしていただけるようにしたいと思っています。
 今回の南伊豆の署名活動のニュースを見て、やっぱり賀茂郡での地域利害の調整は難しく、一部事務組合立という形態での病院運営は無理だなと実感しました。まあ、合併話が何度も破談になる状況ですし…。構成各市町がそれぞれ医療の確保を考えた方が良いです。

投稿: きのじゅん | 2010年3月11日 (木) 22時48分

伊関氏は総務省公立病院改革ガイドラインの問題点をこう述べています.(伊関友伸著 地域医療 再生への処方箋,ぎょうせい,平成21年,302ページ)

総務省ガイドライン案については,現在の地域医療を脅かす最大の要因である医師不足問題よりも,病院の財務状況に関心が行き過ぎている傾向がある.(中略)実際に,現場では,自治体本体から派遣された事務職員が,ガイドラインに忠実に従い,現場の反対を押し切って強引に当てはめようとする例もある.これでは,かえってガイドラインは自治体病院,地域医療を破壊する道具となってしまう.

以下,私見です.
自治体病院のおかれた立場を勉強するには,今回の湊病院がたどっている一連の動きは大変参考になります.成功例に学ぶなら,利害関係者すべてが情報を共有し,問題点を共有し,共同して解決策を実践することは必要条件であろうと思われます.しかしながら,南伊豆の署名活動の件,行政および一部事務組合の煮詰まらない議論,病院スタッフからの乏しい情報発信は,いまだ解決の途上にある事実の表れと捉えられるでしょう.
いつまでも「知らしむべからず,由らしむべし」といった権威主義と,それに対する「おまかせ主義」でよいのでしょうか.その意味では,南伊豆の署名活動は「住民は問題点を十分に理解できていませんよ」というメッセージを発信する大きな意味があったことで,その責任の一部は行政と病院スタッフにもあるのだと思います.

投稿: ご | 2010年3月16日 (火) 15時34分

ご さん、伊関氏の著書のご紹介ありがとうございました。私も購入して読んでみる事にします。
 何だか、最近南伊豆のままでの耐震化要望とか、下田移転反対とか、タイムスリップしたような話題まで出てきています。いったい賀茂郡の時計はどうなっているのでしょう。(゚ー゚;
 情報発信の方法と内容もなかなか難しい面もあります。今回はマスコミを利用した情報操作かと疑うような事も時々あったり、他人が発信した情報を加工して批判に使うような人もいます。昨今では、何か行動すると「妨害工作」と言われるのでは無いかという心配もあります。(ρ_;)
 でもご指摘の通り、病院側からの情報発信は必要だと私も思います。

投稿: きのじゅん | 2010年3月17日 (水) 16時48分

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