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2010年3月16日 (火)

湊病院問題 各市町議会の報道から

 同じ伊豆新聞でも、伊東本社の紙面と、下田支社の紙面は異なっており、賀茂郡のニュースは、伊東の紙面から割愛されている物が結構あるようです。遅ればせながら、先週下田版で報道された記事を見ることができましたので、御紹介していきます。

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 3月9日伊豆新聞、下田市議会の記事からです。3月8日の4氏の一般質問について纏めて報道しています。

  • 5日の市長答弁で「空白はない」とされ一応落ち着いた形
  • 新たな火種として、病院対策に活用されるはずだった2000万円の繰り出し予算が浮上した。
  • 昨年12月の定例会では、市から一度病院組合会計に繰り出し、聖マリアンナ医科大に寄付するとされてきたが、同大との関係が途絶えたため予算は宙に浮いた状態。
  • 一般質問では3氏が、寄附を受けた過程や寄附金の扱いについて"違法性"などを追及した。最後は市が再考の姿勢を示した。

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 一応落ち着いた事になっているのか…。組合議会の承認を得る事ができなければ、話は白紙に戻り兼ねませんが…。

 本当に寄付金を新病院の医師確保に使うつもりだったのなら、聖勝会が辞退しても無関係に聖マリアンナ医大に寄附講座を開設してもらったらいいのにとも思いますが…。ここで話が宙ぶらりんになるということは、どういう事なのでしょうね。今後この寄付金の扱いがどうなるのか、皆さん良く覚えておいて下さい。

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 3月11日伊豆新聞、南伊豆町議会の記事から。3月9日の一般質問の模様です。

  • 竹河議員 聖勝会辞退後の組合の対応について質問。
  • 町長答弁 地域医療振興協会と意向確認を行っている段階。あるゆる選択肢を念頭に早急に対応していきたい。
  • 長田議員の質問 地域医療振興協会との契約が23年3月に切れるが、指定管理者が決まらない場合以降の継続は間違いないか。町長の責任は大きく、町民に不安を与えないように。
  • 町長答弁 協会の意向は直接確認していないが、継続すると聞いている。
  • 梅本議員の質問 再公募の考えは無いのか。他に腹案は。
  • 町長答弁 多数の応募は想定しにくい。時間的に再公募は難しい。腹案については答弁できない。

 同じ紙面に、3月10日の議会の一般質問も掲載されていました。

  • 清水議員の質問 町長は医療確保をどうするのか。湊病院の病床稼働率が下がっているとしたら原因は何か。療養病床、リハビリを導入するよう指導すべきではないか。
  • 町長答弁 あらゆる角度から模索して、最終段階にある。病院の入院外来とも減少傾向。新病院ではプロポーザルで療養病床やリハビリなど十分検討したい。
  • 清水議員 組合が新病院建て替えを計画している時に、他の首長が新たに公立病院建設の考えを示しているのは奇異に思う。
  • 町長答弁 正直驚いている。新たな建設はゆゆしき問題だ。事実確認をしたい。

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 組合管理者の南伊豆町長さんも、地域医療振興協会の当面の継続が決まったとして安心しているようです。しかし、組合議会はどのような反応を示すのでしょうか。百条委員会の結果も聞かずに話が先走っている気がしますが…。

 病院の存続が危機に瀕している時に、「新病院」のあり方を考えている場合なのでしょうか。わかりません。 もはや改革推進委員会の答申もどうでもよくなっている感じの話が出ている一方、減価償却全額負担の話しだけは風化しないようです。この地域に必要なのは急性期病床だったはずです。

 河津町長さんの新病院構想が批判されています。では、現病院の職員はつなぎ期間だけやってもらったら後は、放逐するつもりなのでしょうか。協会は協会で職員の雇用を確保する責任があります。また、もしも下田の新病院が急性期病棟を減らして、療養型や回復期リハビリ病棟を増やすというような方向に話が進んでいくのなら、不足する急性期医療の穴を埋めるためにも、別の病院が必要になってくるのではありませんか。

 ちなみに南伊豆町長さん、昨年の夏から組合の運営会議で河津町長さんの新病院構想の話は何度も聞かされているはずで、今更驚くような事では無いと思うのですが。(^^;)

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 3月13日伊豆新聞。下田市議会の藤井六一議員の一般質問の記事です。

  • 指定管理者をいつまでに見つければ間に合うか。地域医療振興協会がつないでくれる期間はどれくらいか。その条件はどうなるか。
  • 下田市内の医療機関の多くが新病院建設に反対しているようだがその対応は。
  • 寄付金の採納手続きが納得できない。下田市だけが特別負担金を支出するのは不公平。
  • これらに質問に対する市長答弁 3月、遅くとも4月にはメドを立てたい。国の耐震化補助を受ける面からも支障が出る。協会のつなぎについては、「次の指定管理者が決まるまでは責任をもってやる」の確約をとっただけで、具体的な期間などは話し合っていない。条件はあらためて話し合う必要がある。病院と診療所の棲み分け、連携体制を図る。採納手続きに問題は無い。

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 下田移転はとっくに決まった話しで、その先までとりあえず一度は話は進んでいるのですが、今更移転反対の話しが出てくるとは。医師会は新病院に全面的に協力するという話では無かったですか。しかも聖勝会さんの理事になったとされているお三方が、先日賀茂医師会の正副会長に就任されたというのに、何故今頃反対の話が蒸し返されているのでしょう。意味がわかりません。

 いつの間にか地域医療振興協会から「次の指定管理者が決まるまでは責任をもってやる」との確約を取った事になっているようです。拡大解釈のような気がしますが…。協会が責任をもってやるというのなら、一部事務組合も責任をもってそれに応える必要があるのではないでしょうか。耐震補助の条件は平成22年度中の着工だそうです。それまでに着工式だけでもやらないと、何億円もの補助金がもらえないのですね。で、いくら巨額の補助金をもらって楽に病院を建てても、今の減価償却全額負担の条件だと、指定管理者の負担はそのままで減りません。

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 3月15日伊豆新聞。下田市議会の沢登議員の一般質問の記事です。

  • 寄付金2000万円は執行の見込みがない支出となりかねない。とりあえず特別積み立て制度のような物をつくって積むべき。
  • 指定管理者に医療収入で建設費の元利償還金までまかなわせるのは、厳しすぎたのではないか。公募条件に固執していると地域医療振興協会と交渉の糸口を失うことになりかねない。
  • 市長答弁 寄付の扱いは違法性がないと確信。提言を受け止め今一度最善の策を模索したい。病院の公募条件は厳しくても6首長の合意事項なので、ここを出発点にせざるを得ない。

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 沢登議員さんは引き続き寄付金について厳しく追求しています。改革推進委員会の答申に基づく「減価償却全額負担」の条件について、厳しすぎたのでは無いかとの異論も唱えられました。が、市長答弁では今のところ条件を変えるという方向性は打ち出されていないようです。

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コメント

こんにちは。
『減価償却全額負担の条件について、厳しすぎた』というどころか、『次の指定管理者が決まるまでは責任をもってやるの確約をとっただけで、具体的な期間などは話し合っていない。条件はあらためて話し合う必要がある。』とは全く見通しが甘いです。本当に政治に携わる人の発言でしょうか。現在地で現状の病院を継続していくだけでも、相当な運営資金が必要だと思います。協会に継続を求めるのであれば、市町が負担しなければ運営できないでしょう。そこを話あっていないにも関わらず、どうして協会の継続が決まったと言い切れるのでしょうかね。

投稿: 南伊豆住民です | 2010年3月18日 (木) 22時44分

南伊豆住民です さん、コメントありがとうございます。
 いつの間にか確約を取った事になっているのですが、前提としての「組合が協会につなぎの運営継続を求めて来た場合は」という部分が抜け落ちています。たぶん、新病院の指定管理者の件を片づけるのが先なのでしょう。話しの順番が間違っている気がしますけど。
 最近の流れは、時間の余裕が無いことを理由に、きちんとした協議もないまま、色々な事が既成事実化されているような気がします。昨年末の頃は組合議会の方が独走している感がありましたが、ここに来て管理者・副管理者さんの方が独走気味の様子ですね。3月中にどのような方向性が打ち出されてしまうのか、注視しています。
 いずれにせよ、現病院職員の気持ちはますます一部事務組合から離れていっているのでは無いかと推測しています。仕方ないですね。

投稿: きのじゅん | 2010年3月19日 (金) 12時55分

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