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2010年6月14日 (月)

湊病院問題 平成22年3月の下田市議会議事録を読み込む2 鈴木敬議員質問

今回は3月5日の議事録から抜粋していきます。

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●下田市長(石井直樹氏)
 第3、公立病院建設。
 本市を含む賀茂地区1市5町で構成する共立湊病院組合は、新病院の建設位置を下田南高校跡地に決定し、用地確保や新病院指定管理者の選定等、平成24年5月の開院に向け準備を進めてまいりましたが、指定管理者の指定を受けた医療法人社団聖勝会からの指定管理者辞退により新たな局面に転換したため、問題解決に向け、組合議会を初め関係者一丸となって鋭意努力を魂入しているところであります。
 本市といたしましては、賀茂地区の中核を担う総合病院としての新病院の早期建設のために、最大限の努力を惜しまない不退転の覚悟で臨んでまいります。 なお、新病院の建設及び開院準備に向け、関係機関との連絡調整機能の強化や事務局体制の充実を図る一環として、平成22年度から本市職員1名を病院組合に派遣し、組合構成自治体当事者としての責務を果たしてまいる所存であります。

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●鈴木敬議員
 次に、主要な施策の第3、公立病院建設について。
 共立湊病院は、今、その存続をめぐって危機的な状況にあります。下田南校跡地を県から用地買収し、新たな共立病院を移転新築する。そして、病院経営には医療法人社団聖勝会を指定管理者に選定し運営に当たらせるということでしたが、昨年12月に聖勝会がいきなり指定管理者を辞退してしまいました。今現在、共立湊病院を経営している地域医療振興協会との指定管理者としての契約は平成23年3月31日までであり、来年4月1日からは、病院から医者、看護師がいなくなってしまい、病院が廃院に追い込まれてしまいます。このままでは、救急車を頼んでも収容する病院がないという事態も考えられます。
 このような状況において、下田市議会の議員有志として、現在病院経営に当たってくださっている地域医療振興協会に、引き続き新病院での指定管理者をお願いしますという要望書を14名の議員のうち11名の連名で、去る2月1日に共立湊病院の院長にお渡ししました。それだけでは足りないと思い、急遽、署名活動に取り組み、2日間で2,386名の署名を集め、住民の声として地域医療振興協会理事長あてにお渡ししました。
 その過程で感じたのは、市民は共立湊病院の問題について十分な情報を与えられていない。したがって、みんな一様に、病院がどうなってしまうのか大きな不安を持っているということでした。市長は市民に対し、病院管理者の一員として、これまでの経緯、現状と問題点、そして、これからどのように事態を打開していくのか見通しを明らかにする責務があると思います。市長の見解をお聞きします。

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●市長
 共立湊病院の現状についてでございますが、いわゆる23年4月1日から、議員のほうは、病院に医者とか看護師がいなくなってしまい廃院に追い込まれてしまうのではないかというご心配でありますが、これは、僕はないというふうに思っております。それは、やはり現病院を受けていただいているところが広域医療法人(※原文のまま)ですから、この地域のいろいろな事情があっても、例えば我々が、指定管理者がそれまでに決まらない。あるいは、決めてもオープンまでに間に合わないとかということがあっても、この地域の医療を捨ててまで撤退をするということは、それはあり得ないというふうに思っております。
 しかしながら相手のあることでございますから、私はないだろうということを考えながらやっているということで、いろいろ市民の方々に聞かれるときには、病院がなくなるということはないよと。そのかわり我々は、いかに今後、この地域でどういう病院がいいか、あるいは将来のことを考えたときにどういう指定管理者がいいかということで、今努力をしているんだという説明をさせていただいております。
 内容的には、2月17日に全員協議会のほうで皆さん方にお示ししたところでございます。そういう中で、今指定管理者の選定に6市町首長の合意の中で、新たに公募条件等でやっていただけるところがあるかということを、今選定に当たっておるということでございます。
 私自身は、議員がおっしゃるように市民説明があるということで、不確定な要素の中で我々が、行政が主催をして市民に集まってもらって説明しようとはまだ思っておりません。そこまでは現状が進展していないということでございますが、私自身が出席する各会合等におきましては、冒頭のあいさつの中に、この病院関係の現状については説明をさせていただいております。これは、皆さん方に全協でお示ししたとおりの内容でございますので、ぜひこれだけの議員さんがいらっしゃるのですからいろいろな面で、そういうご質問があったらあの内容でご説明していただければいいのではないかというふうに考えております。
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●鈴木敬議員
 病院の問題なんですけれども、病院の問題、市長は、地域医療振興協会は公益社団法人だから、契約期間が終わっても病院、勝手に─勝手にというのではなくても、その時点ですぐに撤退するなどということはあり得ないよという、ないようというふうなことをおっしゃいましたが、そこら辺はそのように、言葉どおりに受け取ってよろしいのでしょうか。そこを一番私たちは心配していて、そうならないようにいろいろ、地域医療振興協会にもいろいろ要望・お願いをして、何とか引き続きやっていただきたいというふうなことで要望書、署名なんかやったのですが。広域社団法人(※原文のまま)は、そんなことはあり得ないよというふうな、今日初めてお聞きしましたが、それはそのとおり言葉を受け取ってよろしいのでしょうか。
●市長
 大変我々が心配しているのは、いわゆる指定管理者が決まらずに23年の4月から病院が空白になってしまうということを懸念しているわけでありますが、先ほど私が議会で、そういうことが起きないだろうと、起きるはずがないと言っているのは裏づけがあって言っているんですよ。議会で簡単に、個人の主観で言うわけではない。これはちゃんと、今現在指定管理者を受けていただいている地域医療振興協会の理事長に私自身が確認をしてそういう言質をいただいているということでございますので、発言をしているというふうに理解をしてください。

●鈴木敬議員
 それを聞いて大分安心しました。そのとおりに、引き続き新しい指定管理者が決まるまでの間であるとは思いますが、引き続き地域医療振興協会にやっていただけると、私としてはそれが一番ベターだとは思いますが、とにかく医療の空白がないというふうなことを市長がおっしゃられましたので、そのとおりに私たちは期待していきたいなというふうに思っております。

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 新聞記事でも取り上げられた、(伊豆新聞と静岡新聞で全く報道内容が違っていた)一般質問の部分です。こうしてみると、新聞記事というのは、この長いやりとりの中のどこを重点に取り上げるかで、全く変わってしまうという事がわかります。

 賀茂の医療の空白を作らない、という話は湊病院を継続するという意味とは限らないというのは後の流れで分かって行ったわけですが、議会答弁では後日どんどんこの言葉が一人歩きしていきます。

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コメント

>公益社団法人だから、契約期間が終わっても病院、勝手に─


情報まで。
現在、公益法人は約2万4000あるそうですが、移行※を申請(2013年11末まで)したのは現時点で約1000にとどまっているそうです。上記認識が一般としたら移行に相当影響するでしょうね。
※公益法人(公益社団法人と公益財団法人)か一般法人(一般社団法人と一般財団法人)のどれかに移行するか解散するかの選択。

公益法人information 国・都道府県公式公益法人行政統合情報サイト
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/koeki/pictis_portal/common/portal.html
2010/08/18
蓮舫大臣からのメッセージ~公益法人の皆さまへ 移行申請はお早めに
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg3714.html
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/other/pdf/20100722daijin-msg.pdf

>従来の公益法人(特例民法法人)は、2013 年11 月末までに新しい制度に移行していただくことになっています。また、新たな制度の下で生まれた「一般社団・財団法人」は、「公益認定」にチャレンジすることができるようになっています。

投稿: にし | 2010年8月22日 (日) 19時47分

にし さん、コメントありがとうございます。
 この部分、非公式非公開の会談の中で地域医療振興協会の吉新理事長が、医療の空白ができないように公益法人として責任をきちんと果たす、というような意味合いの事を決意として述べたようです。それを聞いた人が自分たちの都合で解釈して、「公益法人だからつなぎの運営をするのは当然」みたいな論調に摩り替わってしまったようです。
 ご指摘の通り、公益認定と、この件には本来何の関係も無いのです。公益法人で無くても、医療人としてこの地域の二次救急医療を0にするような事はしたく無いと思いますが。

投稿: きのじゅん | 2010年8月23日 (月) 18時38分

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