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2010年6月16日 (水)

湊病院問題 平成22年3月の下田市議会議事録を読み込む4 沢登英信議員質問

 今回も3月8日の議事録から抜粋していきます。PDF50ページ以降の沢登英信議員の一般質問です。質問項目と、それに対する答弁を並べる形で再構成しました。

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○寄附金問題

●沢登議員

 共立湊病院組合負担金(指定寄附)2,000万円の予算執行についてどうされるのか、市長のお考えをお尋ねしたいと思います。そもそも執行できない予算を組んだ責任をどのようにお考えになっているのか。

 そして、共立湊病院の特別負担金は議決がされているのでしょうか。議決されていないと思うわけであります。地方自治法232条3「支出負担行為」、つまり債務の確定のないものを支出することは違法で、できないわけであります。市長は、債務の確定していないものを支出させるということになれば、支出した職員は違法なことをした、罪人をつくるということになると思うわけであります。そのような命令を市長は発するのか、お尋ねしたいと思います。

 この予算の執行は、ほうっておいたら何もできないわけであります。遺志は、大久保婦久子基金へ2,000万、合わせて3,000万のお金を積むというのが寄附者の意図であります。しかし、百歩譲って、これが市長が言うとおり、病院への、聖マリアンナ大学へ寄附するんだ、医師の招聘のためだと、これが正しいとしましても、そのことの事実が消え去ってしまったわけですね、辞退して。支出しようがないわけであります。したがいまして、できる方法は、特別の積立金制度を下田市につくって、そこに積んでおいて、きっちり支出することができる事態になったら支出をするか、あるいは寄附者の意図が完成できない、執行できないわけですから、寄附者にお願いして寄附者に戻して、寄附者から直接共立湊病院に寄附していただくか、そういう手だてしかとれないと思うわけであります。それ以外の手だてをとった場合には、会計法及び法律に、自治法に従って違法な措置をしたということにならざるを得ない。下田市に寄附された2,000万円を他の自治体であります一部事務組合共立湊病院に寄附するということであれば、2,000万円の損害を下田市民に与えたと、こういうことになるわけですから、その賠償責任を問わざるを得ない、こういう事件に発展していく内容を含んでいるんだということをきっちり当局は理解すべき内容だと思うわけであります。

●市長

 先ほども藤井議員ともども、沢登議員も違法であるというようなことを追及されているわけでありますが、私の先ほどの答弁では、違法とは解釈していないというような答弁をさせていただきましたので、これによって進めることによって、職員に法を犯させるという感覚というのは全くございません。そういうつもりでやっていきたいというふうに思います。寄附をしていただいた方の気持ちというのもまず第一優先、そしてそれが、市が今やろうとしている行為が違法であるか違法でないかということも大事なことということで、両方がしっかり説明できるような執行をしていきたい、こんなふうに考えています。

●沢登議員

 2,000万の件については、市長がそういうぐあいにしたいと言うのであれば百歩譲りましょうと。しかし、違法な措置はしてはいけませんよと、 こういうことを言っているわけです、私は、今の段階ではね。違法な措置でないというのは、ちゃんとした下田市の積立金制度をつくって、そこに置いておい て、きっちりした段階で支出をする。収入関係の担当課長が言うように、債務が確定しなければ支出できませんよと言っているわけです。債務の確定がないで しょう、この3月31日までに。しかも、ちゃんと特定しているわけですから、聖マリアンナ大学の寄附講座に寄附をするという説明を議会でしているわけです から、逆さまにしちゃって、そんな状態にはならないでしょう、だれ考えても。だとすれば、きっちり謝るものは謝っていただいて、認めないわけではありませんから、正規の形の処理をして、その寄附者の意図がきっちり実現できるような措置をとられたらどうですか。違法な支出をするということであれば、 2,000万円の市民の税金を不当に支出した、2,000万円の被害を与えたということになるわけですから、法的にそれを弁償しなさいよという訴えが出て きますよという話をしているわけです。この点どうでしょうか。

●市長

 それから、寄附金の問題の扱いにつきましては、担当部局としっかり、先ほど私の答弁は全く違法性がないという判断で回答しておりますが、議員のあなたは違 うという言い方なんでしょうから、その辺はしっかり皆さんにご理解していただけるような手続をとる手法というものを、何が一番ベストなのか、こういうこと は担当としっかり協議をしていきたいなと、こんなふうに思います。

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◯共立湊病院の移転新築問題

●沢登議員

 共立湊病院の移転新築問題と当市の救急医療体制についてお尋ねしたいと思います。共立湊病院は、皆さんもご存じのように、国立病院、療養所の再編によりまして、公設民営の全国最初の事例として、下田賀茂1市5町1村で構成する共立湊病院組合に移譲されまして、管理を公益社団法人地域医療振興協会に指定して、平成9年10月1日に開設され、今日まで運営されてきたと思います。8診療科、154ベッドの運営をしているわけであります。

 耐用年数40年と言われる病棟が既に築35年を経過し、南高跡地の新築が計画されておりましたが、新病院を経営することになっておりました医療法人が指定管理を辞退されるということになりました。そして、公益社団法人地域医療振興協会との契約期限は平成23年3月末日となっているわけであります。

 市長は「医療の空白をつくらない」、こう明言され大変心強いわけでありますが、それを具体的に進めていくためには、地域医療振興協会ときっちりとしました契約を結んでいかなければならないと思うわけであります。組織と組織の関係、単なる個人と、責任者と責任者の関係で措置されるような内容ではないと思うわけであります。したがって、23年3月までのこの契約を地域医療振興協会理事長とお話し合いになって、いつ契約更新をする予定なのか、その内容を明らかにしていただきませんと、病院がなくなるのではないかという心配はどうしても消し去られないと思うわけであります。

 それで、何よりも、共立湊病院が賀茂地区及び下田地区に果たしております役割をどのように市長はお考えなのか、お尋ねしたいと思います。 私の考えでは、共立湊病院は下田市民にとってまさに救急病院であり、福祉支援、人間ドックと予防事業、僻地対策、災害対策医療、診療所と協力しての地域医療の水準を高めていくという、まさに役割を果たしている中核病院、なくしてはいけない病院であると思うわけであります。

●市長

 空白期間ができなくなった約束がとれたことは朗報であるというふうなご指摘、これはまず間違いなくいけますので、議員のご質問がありました、じゃ、23年4月1日からの、もしそこが空白になった場合の事前の契約ということをおっしゃったんですよね。これは、当然指定管理者の契約更新という中での方針がありますので、これは私がどうこうというものではなくて、病院組合、構成市町の長とこの辺の話をして、そういうこ とでいいのかどうなのか、こういう議論が始まって契約時期等のお話に入っていく問題であろうと思います。

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◯公募条件見直しについて

●沢登議員

 そして、何よりもこの経過の中で問題なのは、医療収入で建設費用、元利償還金をすべて賄うという、まさに小泉構造改革路線に沿った、この路線が破綻をしてきたと、こういう内容を含んでいると思うわけであります。したがって、その再検討が必要ではないかと思うわけであります。その再検討なくしては、公募条件ですべて実施せよということでは、交渉の時期を既に逸しているという事態になっているというのは、だれしもが認めるところだと。一部の議員しかそういう立場に立っていない、多くの人たちがそこを心配しているところであると思います。

●市長

 公募条件ということが大変無理だというような形でございますけれども、これは、でも、我々6人の市町の長が改革推進委員会のほうにお願いいたしました結果、この公募条件が出されて、これでいこうというのが6人の合意でもってスタートしたというのが基本でございますので、これでいくというのが先般の地域医療振興協会にお願いする場合にも、1月20日の日に6人の首長が合意をして、地域医療振興協会にそのようなお願いをして入っているということで 合意をされたことでございますので、翌日の21日に地域福祉振興協会(※原文のまま)のほうにお願いにいった、この合意はまだ変わっておりません。ですから、これで言って いることを今は進めているというのが現状の形でございます。

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◯救急医療体制

●沢登議員

 共立湊病院改革推進委員会、平成20年11月21日に8人のそれぞれの方々が答申をされておりますが、その中の救急体制について、現在の状況を勘案すれば次の方法が有効であると、こういう答申をされております。一次救急については、一定の決まった場所に休日夜間救急診療所を設け、一定時間診療を行う方法が考えられる。また、二次救急についても、共立湊病院の限られた医師のみで対応することは限界があるので、医師会の協力を得て共立湊病院内で一定時間、例えば夜間18時から23時まで、開業医の皆さんの参加を得て第一次救急の対応を行うと同時に、重症者は病院の当直医師が対応する方法を検討すべきである。その際の経費については市町村も負担すべきであると考えると、こう言われているわけであります。24時間対応できる病院づくりが必要である、救急医療の機能を高めることが必要であるともつけ加えております。

 そこで、第一次救急及び第二次救急の当市の実態はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。1時間30分も待たなければお医者さんに診てもらえないというような事態が続いているのか、解消されているのか明らかにしていただきたいと思います。

 また、第三次救急とドクターヘリの夜間使用等についても、今話題になっているところでありますが、どのような働きかけを県に市長としてされる予定なのか、明らかにしていただきたいと思います。

 最後に、一次救急体制の確立のため休日夜間救急センターの実現など、賀茂医師会との協力はどのように進められているのか、また、消防組合の救急隊との協力体制はどのようになっているのか。

●健康増進課長

 第一次救急及び第二次救急の当市の実態はどうなっているのかということでございますけれども、一次救急につきましては、賀茂圏域を東豆・西 豆、要するに東西に分けて、下田市は東伊豆、河津、南伊豆の1市3町で東豆地区として賀茂医師会に委託しております。平成20年度までは第一次救急に対す る補助金がございましたが、21年度からは構成する市町で負担しております。総額は993万6,000円で、委託料として賀茂医師会として支出しておりま す。なお、各市町の委託料の負担額は人口割で算定し、下田市においては平成21年度は438万780円の負担額となっております。

 第一次救急につきましては、土曜日の午後から日曜日及び祝祭日は当番制で内科・外科の2診療機関をお願いしております。平日夜間につきましては在宅通知制としております。次に、二次救急につきましてですが、賀茂圏域では共立湊病院、西伊豆病院の2医療機関にお願いしております。当番日数に乗じて補助金を 支出しております。第二次救急につきましては、賀茂圏域の1市5町で負担金を拠出し、5町分の負担金を賀茂町長会より下田市の一般会計で受けております。 なお、下田市が事務をとり行っていることから、事務負担金として5町からそれぞれ1万円、5万円を徴収しております。

  第二次救急医療の補助金総額は、月3回実施しております小児救急医療分を含めて3,270万3,360円となり、下田市は794万7,070円の負担と なっております。なお、負担金の割合は人口割、均等割、地域利用割で算定しております。

 また、小児救急医療事業のみ補助金が国・県で3分の2、第二次救急医療につきましては交付税算定となっております。

  次に、第三次救急とドクターヘリ使用の実態ということでございますけれども、第三次救急は伊豆地区で順天堂大学附属静岡病院に担っていただいており、静岡県では東部と西部の2カ所にドクターヘリを配備して重症患者の運航に力を発揮しております。ドクターヘリの使用状況は、下田地区消防組合から報告を受けて おり、平成20年度では下田市消防組合管内で131件になっております。平成21年度は12月末現在で98件となっております。 次に、夜間ドクターヘリの関係でございますが、これは県と協議して実施に努力しておる状況でございます。

 次に、第一次救急体制の確立のため、休日夜間救急センターの実現など、賀茂医師会との協力はどのように進められているかということでございますけれど も、第一次救急体制がうまく機能していないということは承知でおりますけれども、賀茂医師会に機能強化について依頼した経過がありますが、医師会長より私案として夜間救急センター設置について、賀茂地域医療協議会で話し合いが持たれた経過もあります。

 しかし、診療時間の面、費用の面、場所の面等でまだ検討しなければならないことが多くありまして、新病院の問題も絡みまして、今後も夜間救急センター設置については新病院の指定管理者、賀茂医師会、1市5町の自治体で協議しなければならないと思いますが、現段階では進捗していないのが実情でございます。 そのために、当面、現在の第一次救急体制で賀茂医師会に委託して、土曜日午後から日曜日にかけて在宅当番制で機能を発揮していただき、今後新病院を見据え 協議をしていきたいと考えております。

 次に、消防の関係でございますが、消防組合との協力体制ですが、定期的に市町担当者と打ち合わせをしております。その際には、賀茂医師会及び県の関係者 の出席も要請し、連携を密にしておる状況でございます。 以上でございます。

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◯坂出市立病院名誉院長の言葉を紹介

●沢登議員

 最後に、共立湊病院の件について紹介して終わらせていただきたいと思います。
 徳島県立病院事務管理者、坂出市立病院の名誉院長の言でありますが、自治体病院の経営責任を地域貢献について次のように言われておるわけであります。「公立湊病院改革ガイドラインを策定した総務省や、社会医療法人制度を導入した厚生労働省にも同様に、経済性を第一義とした施策を展開していると言わざるを得ない。果たして本当に自治体病院改革議論の大前提を赤字という経済性に置いていいのだろうか。政策として掲げられる自治体病院の事業目的は、本質的に収益と結びつかないものが多い。それゆえ、経済性を論じるに当たっては、単に投下資本の回収という狭い意味ではなく、投下された資本が目的として掲げられた医療政策の実現にいかに寄与したか。これを評価基準にしなければならない」と主張しているわけであります。地域文化としての医療、この地域から中核医療がなくなっては、人が住んでいけないということになるわけでありますので、ぜひともこの点からの再考を市長に求めて質問を終わりたいと思います。

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 ここからはいつものように個人的感想です。

 寄附金の扱いについては、市長・当局と議員の主張は平行線であるようです。

 沢登議員が公募条件に固執していては、交渉の時期を逸すると延べましたが、市長からは見直す事は考えていないとの答弁。その裏にある考えは後の土屋誠司議員への答弁で明らかになります。

 坂出市立病院名誉院長の言葉、我々医療者にとっては大変共感できる物です。賀茂郡のすぐ隣の伊東市においては、行政サイドにもこのようなコンセンサスが醸成されているように感じています。今後の下田・南伊豆地区においてはどのような考えが主流となっていくのでしょうか。

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