湊病院問題 静岡新聞 「湧水」を読んで
5月29日静岡新聞伊豆東部面のコラム「湧水」に伊東市民病院と湊病院の件が取り上げられていたとの事で、情報をいただきました。伊東支局の記者さんが書かれたものです。内容の要点をまとめると
- 伊東市の新市民病院の実施設計が公表され、「山越えをしなくても済む病院」の建設が今秋から始まる。
- 一般病床250床のほかに14室の集中治療室やヘリポートなどを備える。※実際は一般病棟、回復期リハビリ病棟、集中治療室合わせて250床。
- 総工費64億6800万円、建築単価28万9278円/平方メートル。
- 基本設計と比較すると温泉プール廃止、病室の簡素化で3000万円削減。※温泉プルの設置は市からの要望が強かったのですが、需要・収益と経費のバランスが全く取れないため、 病院側からの要望で計画から削除されました。
- 一方共立湊病院の移転新築は17億8000万円。建築単価は19.7万円/平方メートル。公立病院としては破格。
- 共立湊病院組合は、建設コストを民間病院なみに抑え、限られた財源を医療スタッフの確保に回す狙いがある。「身の丈に合った病院を造り安定した医療を提供し続ける事が大切。」と力を込める。
- 地域医療振興協会だけにまかせるのでは無く、伊東市としても医療スタッフの確保に努めてほしい。
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ここからは感想です。
全体としては尤もな意見と納得する部分が多くありました。私も、個人的には伊東市民病院の建築単価は高めかなという気がします。が、これまでも述べてきたように、下田の新病院と比べるのは…。
ところで見逃せない記載が6番目の項目。一部事務組合のどなたに取材したのか明記されていませんが、医療スタッフの確保に財源を回す狙いがあるそうです。このブログ記事を通読している方は、そんな話など、今までどこにも出てきていない事を理解できると思いますが、嘘も新聞に掲載されると信憑性が出てしまいたちが悪いです。
実際には聖マリアンナ医大への寄附講座の開設すら個人からの寄附金でまかなおうとしていたわけですが…。凸(`、´X)
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コメント
アップされたビデオを見ました。非常に憤りを感じます。
自分たちが協会を追い出したのに、
辞める医師の文句を言うのは、全くおかしなことです!
いいかげんにしてほしい。どれだけ住民に被害が及べば気が済むのか?
今の共立の先生たちがこれ以上辞めないためにも、
また賀茂郡の医療がこれ以上衰退しないためにも、
地域医療振興協会が下田病院を買ってくれたことに対して感謝すべき。
これからJMAと契約して、病院を設計し直して、
本当に平成24年5月に新病院が開院するのか?
もう組合は協会に文句言わず、JMAとだけ打ち合わせすればいいのではないか?
ビデオを見た勢いで書き込みしました。すいません。
投稿: 南伊豆住民です | 2010年6月 1日 (火) 21時31分
確かに地域医療が下田病院を買ってくれたのはいいかも知れませんが、下田病院の職員は全員首ですか!?
地域医療の布石となるのですかね!?
投稿: 通りすがりですが、、、 | 2010年6月 2日 (水) 00時16分
案山子さん、南伊豆住民ですさん、通りすがりですが、、、さん コメントをありがとうございます。
運営協議会の議事録も公開されましたので、聞き取りにくかった部分がはっきりしました。これまでの協議会の議事録は非公開ですが、今回はわずか1週間後に公開との事で、すべての仕事をこのスピードでやっていけば、平成24年5月に新病院が完成する事もあながち夢ではない(^-^;かも知れません。
伊豆下田病院の職員さんも、現病院の職員さんも、当たり前ですが、残る残らないは各自の判断になるでしょう。療養型から急性期への転換を嫌って他の療養型病院などへ転勤される方も有るでしょうし、残って頑張ってくださる方もいるでしょう。7月以降共立湊病院と伊豆下田病院との間で人事交流も開始されるとの事です。文化の違う二つの病院のスタッフが一緒になって一つの病院をやっていこうというわけですから大変です。やるべきことは山のようにありますが、残された時間はあと10カ月弱しかありません。もはや一部事務組合を相手にしている暇は無いでしょうね。
投稿: きのじゅん | 2010年6月 2日 (水) 12時53分
今日、私が住む地域のある婦人が今後の南伊豆町の医療はどうなるのやら(ノ_-。)と話しかけてきてくれました。その中でここに住む住民の医療に加え私たち職員の先行きの心配までしてくれていました。「町長やその筋の人たちは、なぜもっと頼まなかったのかねー?」と話してくれました。そして、やはり自分たちは湊病院の先生に見放されると言っていましたが私は何と言ったらいいのか返す言葉がなく困りました。これからずっとこんな思いをするのでしょうか?
投稿: 南伊豆住民 | 2010年6月 2日 (水) 15時44分
あまり関係ないかもしれませんけれど。
本日、ネットのニュースで夕張診療所の村上医師がせめられていました。
100%何でもできる施設、人員でと言うわけではなく、限られた環境の中では全てのことに対応できる訳がないのに・・・。
出来る範囲でがんばってくれて有り難いと言う気持ちは無いのです
かね。
自治体が地域医療を潰そうとしているようにしか見えません。
どこかの自治体と同じだね。
投稿: 案山子 | 2010年6月 2日 (水) 16時35分
南伊豆住民さん、案山子さんコメントありがとうございます。
湊病院職員の皆さんには、辛い日々が続いていますね。しかし地域の医療を支えていくのに最も重要なのは、地域出身の医療スタッフです。自分たちの選択を胸を張って言える日がきっと来ると信じています。
相変わらず夕張は大変そうですね。個人で借りた資金でやっているから、尚更厳しい。
岩手県の藤沢町や、千葉県の東金市のように住民の方が味方に付いて支援していく動きは無いのでしょうか…。
投稿: きのじゅん | 2010年6月 3日 (木) 01時05分
地域医療を守り・育てる住民活動 全国シンポジウム2010が,7月3・4日東京で開催されます.
http://www.zcssz.or.jp/blog/wp-content/uploads/2010/05/symposium2010.pdf
ちなみに昨年は住民運動の代表者や,市長・医療行政担当部署の長,医療機関の代表など大勢が集まりました.シンポジウムのあと,グループに分かれて,意見交換もありました.
「もし私たちが同じ町で暮らしていて,こうやって話合えたら,もっといい街になるのにね」とある参加者がつぶやいていました.
自治医科大学が後援になっているのが嫌でなければ,ご参加いかがですか.
投稿: どんどん | 2010年6月 3日 (木) 07時38分
とんとんさん、コメントを有り難うございます。御紹介いただいたシンポジウムの事、ブログでも紹介しようと思っていたのにすっかり忘れておりました。(なお、地域社会振興財団と地域医療振興協会は混同されがちですが、全く別の組織です。)
投稿: きのじゅん | 2010年6月 3日 (木) 21時51分