« 湊病院問題 平成22年9月下田市議会議事録を読む3(9月9日沢登英信議員一般質問) | トップページ | 石垣島の旅25 バンナ岳展望台 »

2010年12月23日 (木)

湊病院問題 平成22年9月下田市議会議事録を読む4(9月9日土屋誠司議員一般質問)

 今回も9月9日の議事録からです。土屋誠司議員の一般質問に移ります。

 なお、この後の日程では湊病院の問題は取り上げられていないようです。

PDF51ページ 土屋誠司議員一般質問

 共立湊病院組合の病院建設や南伊豆町の庁舎建設のような建設には、プロポーザル方式で設計施工管理を行うと、本来の入札制度の崩壊となることも懸念されております。本来、プロポーザル方式とは、企画提案、技術提案であり、今回の病院は免震か耐震かの違いかと思います。今回は公募型プロポーザル、設備や技術などの必要条件を具体的に明示し、参加者を募るであります。当初から免震としていれば、結果は変わってきたと思います。

 病院建設プロポーザル公募には職員宿舎の建設はないが、設備や技術などの必要条件を具体的に明示して参加者を募るものでありますが、当初公募要件に示されていない4億8,000万もの職員住宅建設工事を特命随意契約できるものではないと考えております。そもそも公募型プロポーザルの対象外であると考えます。特命契約による場合は具体的に挙げた事例に限定し、その他は一般競争とするとあります。やってはならない宿舎建設契約と思います。市長の見解を伺います。

PDF51ページ 土屋誠司議員一般質問

 JMAと地域医療振興協会との空白についての経過を2月24日に見ますと、JMAに指定管理者の要請をしていると思われます。3月2日には地域医療振興協会に空白の1年1カ月の指定管理継続を要請しております。振興協会は公募条件では絶対不可能、新病院を公募条件で受託できる団体があれば、次の指定管理者が決まり引き継ぐまでは責任を持って医療をするであります。3月19日はJMAが新病院予定地を現地視察しております。3月23日に地域医療振興協会には医療空白の対応を求めております。協会としては、医療空白は現在地でやっているとは言っていない。公募条件の見直しが絶対条件とされております。4月2日には新病院は振興協会では受託困難と判断しております。4月16日、JMAから指定管理者選定協議の同意の回答を受けております。5月14日、指定管理者申請協定書が作成され、7月1日に議決され、JMAとの協定が結ばれたところであります。地域医療振興協会へは公募条件を変えず、一方JMAには公募条件変更を受け入れている。昨日の答弁にも、JMAへ来年4月より平成24年5月の新病院開院までの1年1カ月の暫定期間を湊病院で二次救急を確保し、さらにJMAとの間で代行制の指定管理を依頼したが、JMAより条件や支援が示されるのではと、全くJMAペースで、このようでは先が思いやられます。
このJMAは、公募ではなく指定管理を申し込んできた団体と思われます。新指定管理者に対し23年4月から病院を引き継ぐということの話はしてあったのか、なかったのかについてお答えください。

 新聞報道によりますと、暫定期間というのはどういう意味かの説明と、代行制というのはどのようなものかの説明をお願いします。

 当初計画にない職員住宅、5億8,100万円の建設が決まったことにより、今後市町の負担は何もないものと理解しますが、それについて確認いたします。

 次に、現指定管理者に管理委託料として普通交付税の7割を支払うということになっておりますが、実際は払っていないとの説明と、JMAに対しては交付税については今後どのようになるかについて伺いまして、以上趣旨質問といたします。

PDF54ページ 市長答弁

 1つ共立湊病院のプロポーザルの関係の中で、4億8,000万の職員宿舎の関係が指定管理者のほうから要望が出ている。これも先般病院組合のほうでご理解をいただいて、議会の中で一応ご承認をいただいたということでございますので、市長の見解と言われても、とりあえず指定管理者を今受けていただくということがもう第一前提でありまして、先ほどから答弁しておりますように、救急に力を入れたいということの中で、指定管理者を受ける医療法人の考え方というのはいっぱい違うと思います、それぞれが。その中で、今回のJMAさんのほうの要望がそういうことであるということで、我々はなるべく要望に従って協力をしていこうという姿勢でおりますので、今回この職員宿舎。しかしながら、財政負担は一切ない。減価償却全額負担というような契約でございますので、先般の組合議会のほうでもご了解いただいたということになろうかと思います。

 4点目の共立湊病院の関係でまた幾つかのご質問が出てまいりました。ちょっと整理をさせていただきますと、質問の内容がですね、いろいろな問題がJMAペースじゃないかということで先が思いやられますというようなご質問でございますが、ですから、要するにこういう質問とかあれというのは、なるべく私とすれば受けたくない。先ほど言ったように、それじゃ皆さん方の発言というのが、またいろんなところで波及効果が出て、先方の耳に入ったときに、自分たちが一生懸命やろうというものに対して、何だ地元の議会では理解されてないのかというような話に結びつかないとも限りません。

 ですから、そういう面で、今の段階ではやっぱり地域の住民、それから行政、当然議会、こういうものがやっていただくということに対して大変感謝をしているというような気持ちで進まないと、これを辞退されたらどうなりますか。また大変大きな問題、もうこれははっきり言ったら公立病院が存続ができなくなるというような事態にも追い込まれているということは、よく議員もご承知かと思いますので、ぜひそういう思いでご協力をしていただきたいなというふうに思います。

 それから、新指定管理者は23年の4月からということで、来年の空白と言われている期間病院を引き継ぐ話はしてあったのか、なかったのかというご質問でございますが、これは指定管理者を受けるという話の中で、いわゆる大変僕らも協会側が23年の3月で撤退するよというようなお話がどんどん耳に入ってましたし、そういう中では、私自身は理事長に会ったときには、ぜひ23年の4月からやっていただけるとありがたいなというお話はしたことがございます。それは事実でございます。ただ、それは要請というよりは、できればしていただけるとありがたいなということでございましたけれども、先方からはやっぱり無駄をつくりたくないということで、新病院の開設からというような申請が出てきたということだと思います。

 それから、先般の新聞報道で暫定期間と代行制という言葉がうたわれたということなんで、暫定というのは、いわゆる来年の1年1カ月のことを暫定期間ですね、ここは全くだから指定管理者が埋まらない、いわゆる空白の期間と言われていたところですから、それは暫定期間ということですね。JMAさんに対しては暫定期間ということになります。そういうお願いをしたということでございます。

 それから、代行制というのは、今の契約内容が代行制になっているんですね。代行制というのは、24年の5月から新病院でやるのは、利用料金制という仕組みになります。これは公募条件ですね。すべて病院の努力でどんどん利益を上げて運営をしてくださいという利用料金制となります。代行制というのは、実は今病院側では患者さんから診療した場合、お金をいただきますね。その中で当然国保の負担だとか、社保だとか、共済組合の保険分があるわけですね。これについては、利用料金制ではすべて病院というか、指定管理者が受ける医療法人がやるんですけれども、今の段階では病院組合がその分を保険機関に申請をして、お金をいただいて、病院にお渡しすると、こういう代行をしているのを代行制ということで、だから今と同じ状態でこの1年1カ月をつないでくださいと、こういう意味です。

 それから、先ほど沢登議員から突然質問の中に出てきてびっくりしたこの指定管理者のほうに普通交付税分の70%というようなことで、私もそういう内容は知らないという答弁をして、今誠司議員のほうから協定書というのは見せてもらいました。こういう協定書があるのに、我々が実際に交付税の70%を払う、払わないという大きな金額の問題を議論してこなかったということについては、わかりました。この協定書の中にうたわれておりますように、平成12年の3月の契約の中に書いてあったんですが、まず管理委託料という部分がありますね。この中で、当該年度の医業収益の額、それから当該年度の普通交付税の7割、それから当該年度の特別交付税の7割を管理委託料として病院側にお渡しするということを先ほど言われたんだと思いますけれども、附則の中に、この2と3の普通交付税と特別交付税については渡さないということが協議書の中にうたってあります。渡すのは一番最初の当該年度の医業収益の額というようなことだけしか、現実には組合側から病院側に渡す契約にはなってないということで、だから僕らは全くそういうことがわかってなかったということで、これであの問題は解決したんじゃないかなというふうに思います。

 ですから、この交付税関係、それからJMAに対して交付税についてはどのようになるのかというのは、れからの協議の中でありますけれども、ただ公募条件の中では政策交付金はいわゆるあなた方に上げますよというふうにうたってあります。ですから、政策交付金というのは救急で渡す補助金か、あるいは小児救急の関係の補助金、これは政策補助金として、交付金として来ますので、これは病院側にお渡しするということは公募条件の中に入っておりますので、そういうふうな形で最終的に協議した結果、契約ということになるんではないかと、こんなふうに思います。

PDF60ページ 土屋誠司議員一般質問

 先ほどこれは共立病院だから答えが出なかったんだと思うんですけれども、いろいろ調べていったら、病院建設は、プロポーザルをやったのは、病院をプロポーザルしたのであって、宿舎は何も入ってないんです。それを最初から提示しなかったらまずいということで、ですからこれはプロポーザルの対象外になると思うんですけれどもね。この間病院組合ではプロポーザルの範囲だからいいという答弁をしていたみたいですけれども、自分はそうじゃないと思うんです。ぜひこれはわからなかったらもう一度調べてください。どうでしょうか。

PDF60ページ 市長答弁

 病院組合の議会の中でも、この件についてはまたプロポーザル委員会に1回かけるというような話をしてました。多分これはかける内容については、僕も委員の1人ですから、多分JMAの理事長さんもメンバーの中に入ってくると思います。ですから、そういう中で議論されるのは、いわゆる4億8,000万という金額が妥当かどうかというようなことは議論になってくるんではなかろうかなという推測はしますが、この宿舎を建てる建てないという問題にはならないというふうに思います。

 これはやはり同じ病院の敷地の中に指定管理者とするJMAさんの意向というのが大変多くて、やはりそばにもうすぐに対応できるような看護師さんだとか医者も、休日でもなるべくいてもらうような場所の確保というような、あるいは夜間の問題ということも含めて、向こうの病院体制の姿勢でございますので、やっぱりこれは重要視して考えておるというような結果だと思います。

 それから、別の業者ということになりますと、例えば同じ時期にもう工事に入る中で、違う業者が同じ工事区間の中でいろいろやるということも支障があるということと、多分今回のプロポーザルの中で金額的にも大変安かった業者、同じ業者のほうがやっぱり効率よく、金額的にも助かるというようなJMAさん。というのは、最終的にJMAが全部減価償却を負担しなければならないということでございますので、できる限り安くできる業者というような判断の中での方向性だと思います。

PDF61ページ 土屋誠司議員一般質問

 市長、プロポーザルが安いかと、それは当初の病院は安いと思うんです。これはどこでもできるものだと思います、宿舎というのは。プロポーザルに当てはまらないと思うんです。ですから、建てる建てないじゃなくて、戸田建設じゃなくて、もう1回それを入札にかけるべきだと思うんです。その辺を言ってるんです。プロポーザルの対象外というのは。だから、その辺もう1回調べてくださいという要望をしておきます。

PDF63ページ 市長答弁

 ですから、それが公募条件によってスタートします。ですから、これが例えば10年たった、11年たった中で、どういう状況になっているかというのは全く我々が想像できないじゃないですか。だから、そういうときに、じゃ赤字負担がないから、その病院が例えば15年でもう撤退しちゃいますよと言われたら困っちゃうでしょう。あなた方はどんどん公費を投入してやれと今まで言っているわけじゃないですか。だから、そういう事態も出てくるということは想像はしてますけれども、今のスタート時点ではそれはなしというのが1市5町の首長の合意ですから、これでいくということをお話ししているわけです。(中略) 今の段階ではどういう状況で推移していくかわからないということでございます。

----------

 抜粋が長くなってしまいました。

 4億8千万円の職員宿舎建設を、随意契約で病院本体と一緒に戸田建設に決めた事について、疑問が示されています。職員宿舎について何故入札にかけなかったのかという点については、市長答弁では、宿舎の建設も、建設業者の指定も、JMA側の希望によるものとされています。またこの議会では、建設費が妥当かどうかは、プロポーザル競技審査委員会にかけるような話が出ていましたが、平成22年4月の戸田建設指定の以降同委員会が開かれたという話を全く聞きません。結局、病院本体の建設費上乗せも、職員宿舎も、何のチェックも受けずに12月5日の組合議会で通してしまったのでしょうか。

 地域医療振興協会へ行くはずだった普通交付税7割、の件については、そういう契約になっていないからこの問題は解決だとの事…。それだけの補助金(10億円ほどになるでしょうか)を返上してもらって、更に負担金も拠出した上で運営してきた事への認識はどうなっているのでしょうか。どうも「大変感謝をしている」という雰囲気は感じられません。

 なお、沢登議員の質問から返事が持ち越された形になりましたが、指定管理者への交付税の交付割合に関しては、「これから協議する」という回答がありました。

 答弁の最後は、将来の病院経営の状況によっては、赤字補填しなくてはいけない事態を想像しているという事かと思われます。他の5首長さんたちは、同意しているのでしょうか。

|

« 湊病院問題 平成22年9月下田市議会議事録を読む3(9月9日沢登英信議員一般質問) | トップページ | 石垣島の旅25 バンナ岳展望台 »

医療」カテゴリの記事

湊病院問題」カテゴリの記事

コメント

事もあろうに副管理者ともあろうお方が、契約について知らぬ存じぬとは…

また任期が終わったら終わったで、前任のことですから、っていいださないか?
「記憶にございません」「秘書がやったことですから」どこも同じに見えるのは、私だけでしょうか?

投稿: かんぐりおん | 2010年12月23日 (木) 16時43分

こんにちは。
南伊豆町議会も下田同様、湊病院問題で紛糾しています。(反協会派議員はだんまりを貫いていますが)おおよその内容は、医療空白を作った原因でもある聖勝会に賠償請求するわけでもなく、名称を変えた静岡メディカルアライアンスに対して赤字補填する内容で契約するとは、どういうことか?町長が自ら医療空白を作ったという認識はあるのか?聖勝会経営しているクリニックが赤字を抱え、更に祥和会からも4千万円以上の負債があること認識しているのか?などという内容でした。町長の回答は全く的を得ていませんでしたが、地域住民は梅本議員や稲葉議員の考えと同様に静岡メディカルアライアンスに対して非常に違和感を感じております。

投稿: 南伊豆住民です | 2010年12月23日 (木) 20時59分

かんぐりおん さん、南伊豆住民です さん、いつもコメントをありがとうございます。
 現在の契約内容を把握していないのに、何を根拠に新たな条件を設定したのでしょうか、と言いたくなりますね。
 各市町の12月議会の内容については、伊東の伊豆新聞では報道が殆ど無く、遅れて入手した下田の紙面でも、相変わらずサラッとした報道ばかりだったので、記事にしていなかったのですが、実際の議会の中身は各市町ともかなり激しい論戦があったのですね。
 しかしながら、今年急に債務超過になったわけではありませんよね。昨年の時点でも債務超過だったわけで、つまりは倒産の危機に瀕している法人に、年商20億以上の巨大プロジェクトを託そうとしていたのです。昨年の方がもっと危機的だったわけで、今年は補助金が入ってパトロンが付いたので、話としては幾分マシになったという見方もできます。(^-^;

投稿: きのじゅん | 2010年12月23日 (木) 22時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 湊病院問題 平成22年9月下田市議会議事録を読む4(9月9日土屋誠司議員一般質問):

« 湊病院問題 平成22年9月下田市議会議事録を読む3(9月9日沢登英信議員一般質問) | トップページ | 石垣島の旅25 バンナ岳展望台 »