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2011年2月 1日 (火)

腹痛と好酸球と内視鏡

 昨年12月の半ば、何だか上腹部が痛い事に気がつきました。差し込むような痛みでは無く、鈍い痛み。食事との関係ははっきりしませんし、忘年会でお酒を飲んだからといって痛くなるわけでもありません。手元にあったプロトンポンプ阻害薬のサンプルを試しに2日間内服してみたけれど、全く効く気配がありません。何だろう。

 なかなか良くならないので、後輩医師に胃の内視鏡検査をやってもらいました。喉も辛いが、胃に空気を入れられると苦しいもの。胃の中に水を撒いても、冷たく感じるのは胸の方だったりとか、身をもって色々と勉強ができました。が、胃粘膜は全く異常無し。綺麗なものです。

 では、胃ではなくて腸の痛みなのか。自覚的に区別はできないなあ。整腸剤と鎮痛剤を試してみましたが、全く効果無し。血液検査をしてみたら、何と末梢血の好酸球数が3000を超えています。CRPは微増程度。アレルギー性疾患なのかしら。

 後輩が色めきたちます。「これはきっと寄生虫疾患ですよ。徹底的に調べましょう。」と嬉しそうです。しかし、糞便検査では寄生虫卵は検出されず。

 自分で腹部超音波検査をやってみたら、肝臓に小さな腫瘍があります。血管腫のようですが、嫌なものです。造影ダイナミックCTで確認したら、やっぱり血管腫でしたが、何と3個もありました。腸管の方には、何も所見がありませんでした。

 続いて大腸内視鏡も受けました。当院では前夜に下剤のラキソベロンを丸ごと1本内服するのがお約束です。よっぽどぐるぐるして下痢するのかと思いきや、早朝に一回出ただけ。その後腸管洗浄液のニフレックを開始しますが、1時間半かけて1.5リットル飲んでも反応無し。さすがにお腹が張ってきたので、中断して様子をみていましたが、ようやく内服開始から2時間経って、反応が始まりやっと一安心。どうも私の腸管は過緊張状態のようです。

 大腸内視鏡検査も、見た目全く異常無し。小腸も結構奥の方までぐいぐいと押し込まれ、念入りに観察されましたが、何も異常は見られず…。アトランダムな生検検査でも所見無し。

 その後症状の方は、自然におさまってきて、年末までには良くなってしまいました。結局原因は突き止められぬまま終わりましたが、集中的に色々な検査を受け、良い経験ができました。やっぱり虫だったのか…。皆さんお肉はよく加熱して食べましょう。

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