湊病院問題 平成22年12月下田市議会議事録から(1)
※この記事で取り上げている平成22年12月の下田市議会議事録が、平成23年3月26日時点では、ホームページ上から削除されている事に気付きました。下田市議会のページには削除の理由は書かれていません。
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昨年12月の下田市議会の議事録がようやく公開されました。昨今の事情と照らし合わせると、市長答弁と現状との矛盾を感じます。
12月8日の議事録より、澤登議員の一般質問に対する、市長答弁から抜粋します。なお、この議事録では藤井六一議員の一般質問、土屋誠司議員の一般質問もあり、プロポーザルに関する問題点などが、今後の下田市庁舎建て替えにも絡んで指摘されています。
PDF39ページ
市長「先般聞いた中では、このSMAのほうではもう来年の医師確保状況として、内科医が8名、それから外科が2名、整形外科が3名確保できているということのご報告をいただいておりますので、重ねて看護師、准看護師等も60名近い数字というようなことも10月の段階で確保できているというような報告も来ていますので、当初予定しておった50床のスタートでなくて、2病棟100床の病院でスタートできるというようなご報告を受けておりますので、それほど大きな混乱がなく24年からの新病院にうまく移行できると、こんなふうに考えているところでございます。」
「失態を繰り返してきたというのはきつい言葉でございましたけれども、なかなかやっぱりこれだけの大きな事業を完成させるには、地域間の意識の違いとか、いろいろな問題点も絡んできたことで、紆余曲折いろいろな問題点にぶつかってきましたが、最終的には私にとっては一番いい結果になっているんではないかという判断をしているところでございます。」
「まずは医師の確保、それから看護師さんの確保、一番は看護師さんの確保だったと思いますけれども、その辺がままにならなければ、当然小さな病床からスタートするということになると赤字が出るのは当たり前であります。」
「我々組合とすれば、SMAに対して赤字が出ない病院経営というのはどのくらいの病床を確保できればいいんだというシミュレーションをしっかり出すように言ってあります。その中で出てきた数字とすれば、90床の病床を運営できれば赤字は出ないというようなシミュレーションが出ておりますので、(中略) 100床から来年の4月以降、病院経営がスタートできれば、かなりこの赤字の額というのはこの数字なんか全然比較にならないところでおさまるというふうに考えておりますので、沢登議員にはぜひ、この9,000万円が赤字になる、これを組合が補てんするんだということはまだ全然確定してない数字でございますので、その辺を市民の方々にこんな数字を負担するんだということは、逆に市民のほうから混乱が出てくるというようなことになりますので、ぜひご理解いただきたいと思います。」
---(感想)
結局、医師の確保数も看護師の確保数も事実とは乖離している事が、今になって明るみに出ました。その結果、9000万円とは全然比較にならないような大きな赤字が飛び出す事になりそうです。そして、市民の方から更なる混乱が出てくると…。
組合議会だよりの内容も、この市長答弁と同じ情報ソースのようです。昨年12月には確保されていた医師や看護師が、その後どんどん減っていったという事でしょうか。
「私にとっては一番いい結果になった」という事で、何かいい事があったのでしょうか。
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PDF41ページ
市長「医師招聘費の2,000万円につきましては、下田市が大久保婦久子さんの遺族からいただいた2,000万円、あくまで医師の確保ということでございますので、SMAの場合は聖マリアンナ医科大学、それから東海大学医学部からお医者さんが回ってきます。そういうための医師確保の中の一部として使わせていただくということで、2,000万円をそのまま大学じゃなくてSMAのほうへ渡すと。それで医師を確保していただくというような形で使われるわけであります。」
---(感想)
結局、この2000万円は医師の確保にどのように役立ったのでしょうか。大学医局がホイホイと医者を出してくれるはずの無いこのご時世ですが、両大学から常勤医師は出してもらえたのでしょうか。なお、大久保さんの作品展示室を新病院に設ける約束をした事も忘れないで下さい。
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PDF55ページ
市長「それから、辞退した聖勝会の損害賠償のことをちょっと。これは、組合議会のほうで百条委員会というのをつくりました。この報告も私も出席して聞いたわけでありますけれども、この中では聖勝会の主張を一部百条委員会のほうでは認めております。そして、責任をただすことはしていないという結果が出されておるわけでありまして、賠償を求める損害発生も不明でありまして、現在の組合側では損害賠償を求める手続というのはとらないという方向で今進んでおるところでございます。私は、これは間違っていない、妥当であるというふうな判断を私自身はしております。」
---(感想)
あの百条委員会の理解不能で矛盾に満ちた調査結果を評価しておられるようです。
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コメント
SMAの理事長さんのお言葉「引くに引けない」ってさ、そんなんで俺たちのゼーキンが投入される病院をやられたらたまんねーよ。
冗談や意地でできるものじゃあねーだろう。
2000万円かけて「常勤医師、それは私でーす」ってか?
あっ、最近文章が下品で済みません。
そー言えば、気になる事が二つあるのです。
非常勤の医者って、トドのつまりはアルバイトの医者でしょ。
何だか非常勤って言い方すると、アルバイトよりも偉そうに聞こえるのですが、所詮アルバイトでしょ。
責任のない立場なのでしょ。
そんなんで大丈夫かね。
それと、石井市長他の口から新しい病院が2次救急をやるって、今までやっていなかったものをこれからやるように聞こえるのだけれど、今までの湊病院は1次救急と2次救急の両方をやってくれていたらしいじゃありませんか。
という事は、今までの湊病院よりも仕事をやってくれなくなるって事ではないのですか?
これって、どうなの?
投稿: 案山子 | 2011年3月 6日 (日) 22時54分
案山子さん、引き続きのコメントをありがとうございます。
非常勤の医師にも色々ありまして、ほぼ毎日勤務しているが当直はできないので非常勤という人もいて、ある程度責任を持って仕事をしている場合もあります。また、週に半日だけ外来診療に来る非常勤もいます。週末に日当直だけの非常勤というケースもあります。
常勤は週40時間勤務なので、週に半日外来4時間だけの非常勤医師は常勤換算0.1人。週32時間勤務なら0.8人。80床の介護老人保健施設なぎさ園には、常勤換算0.8人(週32時間)医師が勤務する必要があります。静岡県では病院管理者(一般的には病院長)と、介護老人保健施設の管理者は兼務可能です。(栃木県では駄目でした。)
医療法第16条により、病院には毎日当直医を置かなくてはいけません。何人で当直を回す計画なのか、わかりませんが、過重労働が心配です。改革推進委員長の長隆氏は3回目の委員会で、「当直は月4回以下を厳守」と強調していましたが…。
投稿: きのじゅん | 2011年3月 7日 (月) 17時57分