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2011年3月10日 (木)

湊病院問題 共立湊病院と伊豆下田病院の現況

 3月8日火曜日に用事があって、共立湊病院と伊豆下田病院を見てきました。

 湊病院は3階病棟が閉鎖されていました。現在は倉庫の代わりに利用されています。無人の病棟は昼間なのにうら寂しさを感じます。入院患者さんは2階と4階の病棟に入院しています。院内各所に4月からの縮小を知らせる掲示が出されていました。この日入院患者数は初めて50名を切り、48名となったそうです。

 院内の各備品の中で、地域医療振興協会所有の備品には識別のシールが貼られており、月末までに順次伊豆下田病院に移設していくそうです。椅子や机、キャビネットなど、事務用品のかなりの物が入れ換えとなるようです。入院患者数は減っていますが、引き継ぎやら、引っ越しやらで、なかなか大変そうでした。ちょうどSMAの方が、そのまま残される備品と、搬出されて無くなる備品のチェックに巡回している所でした。

 救急車の受け入れ制限が行われており、特に大腿骨頚部骨折など、整形外科手術後の入院が4月に跨がりそうな傷病については、受け入れできなくなっているそうです。(4月から整形外科の入院診療が中止となりますので。) 平成5年からずっと断らない医療をやろうという気持ちで、18年間やってきただけに、救急車を断るのは辛い所ですね。

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 一方、伊豆下田病院では、増改築工事が急ピッチで進んでおり、まもなく完成・引き渡しとの事です。外来部門も大幅に改修され、これまでの内科、外科に加えて、整形外科、婦人科、耳鼻科の診察ブース増設や、内視鏡室、エコー室など、昨年7月とは随分配置が変わっていました。週2回だけ小児科もやるような話でした。

 医療機器についてはエコー、レントゲン(新型のフラットパネルタイプ)、CT(1列から16列ヘリカルに更新)が先行して稼働中です。増築部分にMRIが入れば、医療機器の整備は一段落。極めて狭いスペースに、医療機器メーカーの方々も知恵を絞って、何とか機械を押し込んで下さったそうです。これらの機器はいずれ今井浜の新病院へ移設される事になるそうです。

 急性期病院として不足の無い医療機器整備がされつつあるようです。とはいえ、待合スペースの狭さや、駐車場の少なさという問題は解決が難しく、湊病院の弱体化で伊豆下田病院の負担が過重となると、こちらはこちらでかなり大変そうです。

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 平成22年5月24日の、共立湊病院組合運営協議会(議事録PDFはこちら)の最後で、伊豆下田病院の急性期化に関して、こんなやりとりがありました。録画を視聴すると小田病院長の発言に対してせせら笑いが聞こえていましたが、今になってみるともう笑えないでしょう。

石井副管理者:では、急性期を本当にやるという準備を7 月から入るということですね。
小田病院長:いずれはやらないといけない。ここは本当に来年4 月から急性期がなくなってしまう。
石井副管理者:いずれというより、ここをもし撤退するといったときから向こうでやられるというふうに受け止めて…
小田病院長:それは、時期は色々ずれるかもしれませんけど、いずれはやっぱりやらないと全然困りますよ。本当に。昨日だって11 台救急車が来たんですから日曜日は朝から今日の朝まで。
石井副管理者:だけど一年後には150 床の公立病院でしっかり急性期医療をやっていこうという準備が進んでいる中で、あえてそこと競合するようなものをやられるという考え方…
小田病院長:それは本当にできるとお思いですか。
石井副管理者:「本当にできる」とは、何がですか。
小田病院長:本当にできるかどうか分からないでしょ。
保坂副議長:本当にできるかって、やるんですよ。
小田病院長:だって皆ね、こういう地域の医療は皆潰れているわけでしょ。例えば御前崎市立病院、あんな大きな病院だって内科医がゼロになったことがあるんですよ、ご存知ですか。榛原病院だって潰れてときに年間18 億を一般会計から持ち出して徳洲会へ頼んだ。だからそれは非常にリスクが伴うし、本当にできるかどうか分からないわけですよ。
石井副管理者:でも「本当にできるか」というような、その言い方は指定管理者に名乗りを上げてくれたJMAに対して大変失礼じゃないですか。
小田病院長:ですから、やはり保険の意味でも60 床をきちんとやれるというのは大事だと思っているんですけども。それはJMAはインターネットで調べたら立派な仕事をされていると思いましたけど、この、へき地の医療をやったことはないですよ彼らは。海老名と埼玉ですか。
石井副管理者:大体分かりました。
鈴木管理者:色々協会さんのお考えも聞かせてもらいました。そういうことで我々は今後、今「本当にできるんですか」と言われましたけども、我々はできることを信じてやっていますから実現をしたいと思います

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コメント

伊豆下田病院が無かったら今頃大変な事になってましたね。
ああ、無知って怖い。
ところで「本当にできるんですか?」って、今でも言いたい気分です。地域住民はわかっていますよ、少しでも医療に興味のある人は…。

投稿: 南伊豆住民です | 2011年3月10日 (木) 23時35分

きのじゅん様 こんばんは
超ご無沙汰しておりました。

やはり 危惧していた事が到来したようです。

地域医療振興協会が伊豆下田病院の譲渡することに決定したとき、石井下田市長はなんと言っていたっけ^^
4月1日からの静岡メディカルの診療体制が異常事態になってきた今、石井市長は「伊豆下田病院がある。」から心配ないと言ったとか。
伊豆下田病院の急性期転換は5月頃とか言っていたけど、やはり地域医療の真髄ですね。
確かに圏域の住民にとっては安心ですが、彼らには痛い目をあわせる必要もあるように・・・

投稿: 西の住民 | 2011年3月10日 (木) 23時51分

下田病院がなかったら、どうなっていたか・・・
どこまで持ちこたえられるか心配はありますが、、、

保険をかけるのは、大変大事だと実感しました。

投稿: 匿名 | 2011年3月11日 (金) 13時38分

上の匿名さんのような上から目線の発言には現場の職員はいらっとします。

どこまで持ちこたえられるかって、
地域のことを心配して、いやな思いをしてまでこの地でがんばろうとする者たちに対する言葉ですか。

一体誰が何に保険をかけたんだ?????

われわれはこのいまいましい行政から地域医療を守るために我を捨ててやっているんだよ。

軽軽しい発言は慎んでもらいたい。

投稿: 地域医療振興協会職員 | 2011年3月11日 (金) 20時36分

奴らの情報操作や洗脳により、いまだに「振興協会が湊病院を捨てて逃げてしまった」みたいに思っている地域住民が数多くいる事は事実ですね。(もしかしたら、大多数かもしれないです)
これは常に頭に入れておく必要があると思います。
住民には真実がほとんど知らされていないから。
よって、おかしな意見を言うヒトもいるわけですよ。
どうしたら地域住民に真実を伝えられるのか・・ズット考えたが答えが出なかった。
せめて、伊豆ジャーナルを皆に読んでもらいたいです。

投稿: 案山子 | 2011年3月11日 (金) 22時01分

南伊豆住民です さん、「匿名」さん、案山子 さん、引き続きのコメントありがとうございました。西の住民さん、随分とご無沙汰だったではありませんか。地域医療振興協会職員 さん、コメントをありがとうございます。
 私、平成元年にパソコン通信を始めましたが、文字だけのコミュニケーションは、書き手の意図と読み手の認識が食い違い易く、時として誤解が生じる事かあります。それで私も何度も失敗しています。
 「匿名」さんは嫌味を言っているのではな無く、素直に伊豆下田病院の過重な負担を心配されているのでは無いかと、私は読みました。保険という言葉は、小田院長が使ったものですし。
 地域医療振興協会職員 さんの苛立ちもわかります。しかし、仕事というのは自分のため、家族のためにというのがまずは第一だと思います。伊豆下田病院に移る職員は、組合の呪縛から解かれる。今井浜の新病院で、今まで急性期医療に恵まれていなかった地域で、新しく医療を提供するという夢を、楽しく実現して行こうではありませんか。
 私は、共立湊病院・なぎさ園に残る選択をした職員の皆さんの事が心配です。気持ちを切り換えて前向きな姿勢で、新しい指定管理者のもとで再出発する事を選んだ人たちも、地域の医療・福祉を守ろうとする志は同じだと思います。その出端をくじくような医師配置計画は、本当に残念です。それだけこの地の病院勤務医確保は大変なのでしょう。でもね…。(以下自粛。)

※継続的に発言される方は、区別しやすいハンドルネームを使って頂くと、ああ、あの人かとわかってもらえて良いようです。

投稿: きのじゅん | 2011年3月12日 (土) 00時37分

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