女川町医療支援活動報告08 自衛隊や鳥取・鹿児島医療チームとの連携
様々な支援チームが集まる被災地において、各チーム間の連携は重要な課題です。この点において女川町での取り組みはモデルケースと言えるものでした。
鳥取県の医療チームは 最大規模の避難所である体育館で救護所を開設。午前8時30分から12時、午後2時から4時に診療を行い、急患には24時間対応して下さっていました。また町内に18カ所ある避難所のうち、5カ所を担当し週1-2回の巡回診療を行っていました。
自衛隊の医療チームは野球場で救護所を開設。午前8時30分から午後5時まで診療を行っていました。また町の中心部から離れた女川原発(所要約1時間)を含む3カ所の避難所の巡回診療を担当して下さっていました。
鹿児島県のこころのケアチームは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の徴候のある被災者を対象に体育館救護所や避難所・自宅への往診を行っていました。
地域医療振興協会/女川町立病院の医療チームは、病院での診療の他、10箇所の避難所での巡回診療を週1-2回行っていました。また、女川町役場保健福祉課の職員・石川県からの支援保健師とともに、在宅者の安否と医療ニーズの確認を行う「ローラー作戦」を行いました。また我々より前の支援部隊には精神科医が同行し、被災者でもある病院職員へのカウンセリングも行われていました。
このように、各チームの支援活動が重複しないように調整が行われていました。これが実現できたのは、週2-3回町立病院内で開かれている連絡会議が有効に機能していたためです。連絡会議は役場職員の方が進行役を努め、鳥取チーム、自衛隊チーム、鹿児島チーム、石川チーム、女川町立病院医師、地域医療振興協会チームなどが参加。各チームの活動に関する報告や、避難所の状況や流行性疾患などに関する情報共有、今後のスケジュール調整の他、中期的な方針の検討なども行われていました。
例えば、震災から3週間以上が経過し、避難所での医療ニーズは縮小傾向にあり、巡回診療をいつまで行うべきか検討が必要な時期に来ていました。また、町立病院の医療機能回復の目途はどうなっているか、いつから保険診療を再開できそうか。それに同調して、救護所の段階的縮小、閉鎖の時期をどうするか。病院への通院手段をどのように確保するのかといった課題が話し合われていました。
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