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2011年4月 9日 (土)

女川町医療支援活動報告01 女川町の状況

 平成23年3月31日から4月7日にかけて、宮城県女川町立病院にて医療支援活動を行ってきました。今回から、支援活動についてのレポートをお届けします。

 宮城県牡鹿郡女川町は宮城県東部に位置し、牡鹿半島の付け根にあたります。三陸のリアス式海岸の南端近くにあたる場所です。被災前の人口は約1万人。主産業は漁業と、水産加工業で、石巻市側の万石浦の周囲には農業を営んでいる地域もあります。

 沖合には出島(いずしま)、江島(えのしま)と二つの有人の離島があり、それぞれに町立診療所が設けられています。

 女川町の中心集落は女川港に面した平地に密集していました。スーパーマーケットや飲食店などの商店、観光施設マリンパル女川、JR石巻線女川駅、町役場、保健センターなど、主要施設の多くが集中しており、3月11日の津波により全て壊滅してしまいました。

 町内の医療機関は、前述の離島2診療所の他、女川港近くに1医院、1歯科医院があったそうです。女川町立病院は町を見下ろす海抜16mの高台に建設され、町内唯一の入院施設となっています。

 今回の津波は、中心集落の他、海沿いに点在する小集落や、2離島の全集落を飲み込み、町は壊滅的な被害を受けました。津波の高さはおよそ20m近くに達したようで、女川町立病院も1階部分が津波に洗われました。帰りのヘリからみると、万石浦側の掘切地区にも津波の傷跡が見えました。

 津波の被害を受けなかった地域は、海抜20m以上の高台にあった家が中心で、ニュータウンのある旭ヶ丘地区は津波の被害を受けませんでした。また石巻市側の万石浦周辺は、極端な巾着湾のため津波が弱められて、床下浸水に留まった所が多かったようです。

 町役場は被災しましたが、多くの町職員は避難して無事であり、高台の施設に災害対策本部を置いて被害の把握や、行政サービスの再開に向けて業務を行っています。女川町から石巻市方面へは公共交通手段がありません。町中心部の商店も全滅しているため、物資は配給品が主体となっています。自家用車が残った高台の世帯では、営業再開した石巻市の蛇田地区の郊外型店舗などに買い出しに行くことができています。

 女川町役場が3月29日に集計したところによると、人口約1万人のうち、避難所収容数2530人、行方不明届 837人(うち身元判明者 212人)、遺体安置数 296体となっています。町民の1/10の方が死亡または現在も行方不明であり、町民の1/4の方が不便な避難所での生活を続けています。

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