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2011年4月30日 (土)

女川町医療支援活動報告13 家庭訪問ローラー作戦2

Sany0953  ローラー作戦のレポートの2回目です。

 4月2日は女川港の北側、魚市場近くの川尻地区と宮ヶ崎地区を回りました。途中、女川という川にかかる女川橋があったのですが、津波で流出したため川を埋めて、道路を仮復旧させてありました。写真では、ヘルメットをかぶった人が立っているあたりが川で、砂利道になっている部分がもともと橋があった所になります。

 川を渡った?あたりから斜面にのびる急傾斜の歩道を上がっていきます。歩道の真ん中が大きくえぐられていますが、これは地震の影響ではなく、地震の頃たまたま下水道工事をやっていたためだそうです。なるほど溝の中に太いパイプが見えます。震災のため工事は中断し、大きな溝が開いたままの歩道は通行に危険があります。

Sany0952 この地区への車道は宮ヶ崎地区から迂回して延びてきており、終端部分に駐車場があります。駐車場に停めてあった車も津波で流されていましたが、用心して一番標高の高い所に車を移動していた方も多く、明暗を分けました。高台に20軒ほどの家が点在していますが、家の前まで車道が来ていない所も多く、かつて過ごした西伊豆町の田子地区を思い出します。

 最初に伺った家は床上浸水し、水に浸かった物の後片付けに忙しそうでした。この家よりも標高の低い場所に建っていた家は全壊していました。本当に紙一重です。2階には足の弱いおばあさんが居るそうですが、震災から3週間風呂にも入れず困っているとの事。役場の方が災害対策本部に携帯電話で連絡したところ、体育館避難所近くで介護付きの入浴サービスが行われており、運良くこの日入浴できる事になりました。

 細く急坂の山道や階段を登ったり下ったりして、一軒一軒巡回します。生活には不便な所でしたが、そのおかげで津波の被害を免れました。皮肉な事に下水道工事が完了していなかったため、トイレは汲み取り式のままで、震災後も不便無く使えているそうです。とはいえ、給水や配給などの度、重い荷物を持って坂を登らなくてはならず大変そうでした。

 話を伺っている間に急に泣きだしてしまう男性がおられました。津波が押し寄せた時の轟音が耳から離れないと言います。こころのケアチームに情報をつなげていただく事にしました。

Sany0961

 車道を歩き、山を越えて宮ヶ崎地区へ向かいます。道端の電柱と法面の間に車が挟まれています。こんな非日常的な光景が、今はこのあたりの日常になっています。

 天気が良かったため、避難所から自宅に戻り後片付けをしている人が多かったようです。空き地には浸水して使えなくなったた家具や電気製品が山積みにされていました。流されてきた車で、庭や通路がふさがれてしまい、自宅への出入りに支障しているお宅もありました。使えなくなった車は、ナンバープレートを外しておけば所有権を放棄したものと見なされ、適宜処分する決まりになっていました。とはいえ、まだまだ撤去には手が回っていません。廃車の手続きは自分でやらなければいけません。

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