女川町医療支援活動報告14 家庭訪問ローラー作戦3
4月6日は午前午後を使って、針浜地区と、浜中地区を訪問しました。女川町内でも、万石浦周辺は津波の影響が少なく、海に近い場所でも床下浸水に留まりました。損壊している家屋が無いため、一見いつもと変わらぬのどかな光景が広がっています。このあたりは女川町には珍しく農地が広がっており、農家が多い所です。
しかし、防波堤の向こう側を覗き込むと、テトラポッドの上に大量のゴミが打ち寄せられているのが見えます。日本で初めて牡蠣の養殖が行われた万石浦ですが、漁業への被害は甚大な物があるでしょう。
地盤沈下の影響で海岸近くの家では、毎日満潮になると床下浸水するそうです。伺った時は大丈夫でしたが、壁には浸水のあとがくっきりと残っていました。
ちょうど、午前の配給の時間と重なったため、配給場所である集会所に行ってみました。そちらでも何名かの方にお話を伺う事ができました。
この地区は電気も水道も復旧しており、自家用車も流されていないため、比較的平穏な生活が戻っていました。住民の方の中には、私たちだけ被害が少なくて申し訳無いといった言葉も聞かれました。また、町の中心部の方に行くと津波の現実を見せつけられるので、怖くて近づけないという声も聞かれました。
ある方は女川市街地の歯科医院に受診中でした。ちょうど診察台の上で治療が始まるのを待っていたときに地震が来て、このままここで駄目かと思ったそうです。幸い建物は崩れずただちに診療は中止になりましたが、どこへ避難して良いのかもわからずおろおろしていた所へ、たまたま通りがかったタクシーが拾ってくれて高台に避難する事ができたそうです。
被害が少なかったこの地区には、町内の他地区や石巻から知り合いを頼って避難してきている方も多くおられました。元気に過ごしているように見える子供たちも、余震に怯えるなど心には深い傷をうけているようでした。
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