« 女川町医療支援活動報告16 とりあえずのまとめ | トップページ | @niftyビデオ共有 サービス終了のため You Tubeに引っ越し »

2011年5月 7日 (土)

湊病院問題 5月7日伊豆新聞記者コラム 常勤医師確保が優先課題

 5月7日伊豆新聞に久しぶりに関連の話題です。(何故か記事では無く記者コラムですが。)内容をさっくりと紹介します。

  • 指定管理者交代から早1ヶ月。
  • SMAによると外来患者は当初1日40人程度だったのが、最近では100人を超す日があり、次第に増加傾向。
  • 4月27日現在入院患者数19名。(引継時より-2)
  • 常勤医師の確保が優先課題。
  • 県知事は他の病院から臨時医師の派遣を表明したが、必要としているのは常勤医師で、ミスマッチに終わらなければ良いのだが。

----------
 共立湊病院組合の今年度予算の想定では、一日の外来患者数は270名、入院患者数は70名という事でしたので、入院外来ともその1/3以下の実績に留まっているようです。外来患者数については整形外科の診療がある月・火と、その他の曜日ではかなり違いがあるのでしょう。

 情報ソースがわかりませんが、伊東市民病院からの医師派遣はどうも「必要では無い」との事のようです。^^; どうもこの件はこのまま無かった事になりそうな気がします。いったい何だったのでしょう。

 現状に関して組合関係者の発言は今の所全く報道されていませんが、各首長さんの5月の定例記者会見で何かコメントが出るでしょうか。

----------

[5月10日追記]

 キキミミズキンさんのコメントでのご指摘を受け、5月4日の伊豆新聞(下田)の記事「ひと」を確認しました。静岡メディカルアライアンスの杉原理事長さんを紹介する記事だったのですね。記者コラムに書かれていなかった点としては以下のような記載がありました。

  • 東日本大震災の被災地の状況から「防災拠点病院は医薬品の備蓄など、日頃から備えが必要と痛感した」
  • 経歴 名古屋市立大学医学部卒、厚生省大臣官房厚生科学課長補佐当時UCLAに留学し公衆衛生を学ぶ、1996年医療法人社団仁愛会(後にジャパンメディカルアライアンス)、旧海老名総合病院付属東病院副院長、海老名高等看護学院学院長、2006年から法人理事長。医学博士、認定産業医、名古屋市出身、53歳。

 一方、記者コラムに書かれていた常勤医師云々の話は、5月4日の記事には全く書かれていませんでした。情報ソースが別なのでしょうか。

Sany0929 医薬品備蓄の話に関してです。女川町立病院は院外処方であったため、もともと院内の内服・外用医薬品の在庫は少なかったのですが、注射剤も含めて病院1階の薬剤室にあった医薬品が津波に流され、調剤機器も使えなくなりました。町内の調剤薬局も全滅し在庫していた医薬品は喪失しました。(右の写真は調剤薬局の1つ。院内薬局の状況は伊東市民病院ホームページ内の薬剤師支援レポートの中に写真があります。)

 支援薬剤が届くまでは病棟在庫や、水濡れでも駄目にならなかった薬でやりくりしたようです。もし医薬品の備蓄を考えるのであれば保管場所についても、検討が必要と思われました。

----------

 この記事からは離れますが、「共立湊病院問題を真剣に考える会」の出された要望書(リンク先はブログ「ピッコロの部屋」の関連記事)を読みますと、新病院を避難所にする事を考えておられるのかと思い、コメントします。
 宮城県女川町も町立病院を避難所に指定していました。その結果病院内に入院患者さんのみならず、多くの一般避難者が入ってしまい、入院患者さんの安否確認もままならないなど、被災後の混乱を助長する事になりました。
 新病院を災害拠点病院として機能させるためには、避難所にしてはいけません。むしろ病院の敷地内に一般者や軽症患者さん(トリアージタッグ緑)が立ち入ることが無いようにコントロールをしなくてはいけません。助かるはずの多くの命を失う可能性があるからです。

|

« 女川町医療支援活動報告16 とりあえずのまとめ | トップページ | @niftyビデオ共有 サービス終了のため You Tubeに引っ越し »

医療」カテゴリの記事

湊病院問題」カテゴリの記事

コメント

5月5日の伊豆新聞下田版に、杉原理事長の写真付き紹介記事が掲載されていました。
5月7日の記者コラムの内容は、それをなぞって最後に若干の補足した程度の内容でした。
我田引水と申しますか、屋上に屋を架すようなコラムでした。

ピッコロの部屋も5月に入って2度内容が更新されています。
このブログに登場していないけれど、大いに関係ある内容も掲載されていました。

投稿: キキミミズキン | 2011年5月 7日 (土) 23時14分

キキミミズキンさん、ありがとうございます。
 記者コラムはいつもそんな感じなので、今回は先行する本記事が無いのを不審に思っていました^^; やっぱり先に記事があったのですね。伊東の伊豆新聞は曜日によって賀茂のニュースは半面しか無いため記事が割愛されてしまうのです。後日確認して、必要があれば追記します。
 ピッコロの部屋の記事は確認しています。複数の方からも情報をいただいています。「共立湊病院問題を真剣に考える会」の方々が、津波対策に着目し、新病院の建設地や設計が適切かどうか再検討するよう求めたそうです。確かに大きな津波が来たときは南高跡地は厳しそうです。ただ組合は5億出して土地は買ってしまったし、建設工事ももう始まっているし…。
 低地にあったため津波の被害を受け、地盤沈下で冠水する瓦礫の原に取り残され機能停止した石巻市立病院。 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/05/20110503t13015.htm 郊外に移転していたため被害を受けず、最後の砦として獅子奮迅の活躍をした石巻赤十字病院。この対比を見ると考えさせられます。器の事だけ考えていても仕方無いのですが。

投稿: きのじゅん | 2011年5月 8日 (日) 11時48分

きのじゅん先生
こんばんは。

少し前の記事に書かれていた、湊病院問題に関する先生のスタンスと、直前のコメントに賛同します。
指定管理者選定と新指定管理者への移行経過の中で、行政側と新指定管理者ともにうまい話が多すぎていたので、私自身の過去のコメントにおいて、同僚を守りたいがあまり、新指定管理者に対する警告的なコメントを書いたところがありました。
ですが、実際の移行過程の中で、行政側の暴走が危惧される内容が表に出てきて、行政側の行き過ぎをチェックしていくことが大きな意味を持っているように思っています。
また、ピッコロの部屋に書かれているような、病院建設地の問題も、早急に取り上げるべきと思います。
3月11日の勤務後、伊豆急に乗って現居住地の茨城に来る予定だったので、下田駅に向かってみたものの、地震後の津波警報の影響で、下田市内に入る道路は封鎖されており、抜け道で向かったものの、下田駅には「津波警報のため、敷根公園に避難しています」と張り紙が出ていました。
忘れかけていた東海地震の津波被害、病院が機能しなくなってしまったあとの大変さは、今回の震災が良い例だと思うし、実際に茨城県の例を見れば、津波被害があったところはまだ再建できていませんが、津波のないところは普通の生活に戻っているので、無駄なお金を使う前に、「最後の砦」として機能するように、地震、津波対策もしっかり検討した病院作りに修正してもらえるよう、働きかけていってもらいたいと思います。

投稿: Ton-chan | 2011年5月 8日 (日) 21時43分

福島の原発事故が人災と言う人がいます。福島原発が人災ならば、東海地震が起きた際、現湊病院が未だに使用されているようであれば、明らかに人災ですね。
首相は湊病院の早期停止も要請すべき!(゚ー゚;
川勝知事も賛同するかも!

ちなみに5月連休明けに来る予定だった外科常勤医は無くなったと湊病院職員から聞きました。正式発表ではありませんので、正確かどうかは知りません。ごめんなさい。初めからなかったような気がしますが。

投稿: 南伊豆住民です | 2011年5月 9日 (月) 19時47分

Ton-chan さん、コメント有りがとうございます。浜岡原発の運転停止決定で、今まで割と平穏だった?静岡県の中西部や愛知県方面でも波紋が広がっています。今回の東日本大震災、色々な事が見直されたり、考え直されるきっかけになっていますね。今井浜の新病院も海に近いだけにちょっと心配ですが、一応海抜10m以上はあるそうな。

南伊豆住民ですさん、コメントありがとうございます。制度的には平成27年までは現病院は利用可能のようです。今の所共立湊病院のホームページ http://minato.s-m-a.or.jp/ の「担当医表」は変わっていないですね。事実はどうなのでしょうか…。

投稿: きのじゅん | 2011年5月 9日 (月) 23時42分

きのじゅん様 ご無沙汰しておりました。
「共立湊病院問題を真剣に考える会」の要望書については、避難所として考えているのではなく、東海地震等3連動の大地震が発生する可能性のあるなかで、地域性を鑑み医療施設の核としての機能が失われないよう設計変更を含めて再検討すべきとの要望だと聞いています。

投稿: 西の住民 | 2011年5月10日 (火) 17時42分

西の住民さん、ご無沙汰でした。
 要望書は新病院を避難所として利用する想定では無いのですね。
 先日の伊東市民病院での女川報告会で、フロアの市民の方から、地震の時に病院は避難者を受け入れてくれるのかとの質問がありました。(もちろん答えはNo.)地域住民の方には、耐震構造のしっかりした病院に逃げれば安全との気持ちはよく理解できるのですが…。
 あと、災害拠点として活用するためにはヘリの発着が可能かどうかも重要と感じました。伊豆の道路は津波や土砂崩れであちこち遮断されると予想されるため、救急車での搬送が困難となる可能性があります。下田南高跡地は市街地のためヘリポートの設置が見送られたようですが、緊急時だけでも使用できるような場所を確保しておく必要があるかも知れません。
 女川町立病院では、駐車場の一部を封鎖してヘリを発着させていました。支援物資や人員の搬送にも大変有用でした。

投稿: きのじゅん | 2011年5月10日 (火) 23時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 湊病院問題 5月7日伊豆新聞記者コラム 常勤医師確保が優先課題:

« 女川町医療支援活動報告16 とりあえずのまとめ | トップページ | @niftyビデオ共有 サービス終了のため You Tubeに引っ越し »