書評 「秘伝 緩和ケアのちょっとしたコツ」
地域医療の中で、緩和ケアは非常に大きな問題です。都市部の大病院のように、緩和ケア病棟があったり、専任の緩和ケアチームを望む事はできません。手術や抗癌剤治療を担当した主治医などがそのまま緩和ケアを行う事も多くなります。患者さんにとっては、自宅に比較的近い場所で、よく知った主治医に治療を受けられるというメリットもあります。
緩和ケアは大変に個別性が強い分野であり、教科書通りの対応をしても必ずしもうまく行かない事がしばしばあります。しかし、目の前の患者さんやご家族の苦痛を和らげると言う事には「待った」が効きません。
この本「秘伝 緩和ケアのちょっとしたコツ」(青海社)は、熟練した70名もの緩和ケア専門家が、それぞれの秘伝の技を記したものです。普通の医学書と違って、経験に基づく、「コツ」や「裏技」が多数掲載されており、もちろんその効果が科学的に証明されている物ばかりでも無いようです。しかし、藁をもすがりたいような状況の時、突破口になるかも知れません。大変「実戦」的な本だと思います。
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