湊病院問題 平成23年8月31日組合議会定例会の報道
平成23年8月31日に共立湊病院組合議会の定例会が開かれました。9月1日付の伊豆新聞と、静岡新聞に記事が掲載されていましたが、伝えている内容は少し違った物になっていました。
まずは伊豆新聞記事から。
- 見出し「産科早期開設へ期待」
- 議長は南伊豆町の長田議員、副議長は東伊豆町の藤井議員。
- 小林議員(河津町)が産科の設置について質問。管理者答弁「医師助産師の確保状況によっては比較的、早い時期に開設できると期待している。(中略)見通しが立てば増設して周産期治療センターの施設整備に向けて取り組んでいきたい」
- 山田議員(東伊豆町)は、看護師確保のための支度金制度や奨学金制度の導入を提案。
- 坪井議員(河津町)は現状の医療体制について質問した。
- 平成22年度決算、介護老人保険施設(なぎさ園)に併設する診療所建設費2940万円、新病院の器機購入費9500万円を計上他補正予算など3議案を原案通り可決。
- 条例改正で(標榜科に)脳神経外科を追加。
- 地域医療および跡地調査特別委員会を設置。
- 公益法人の在り方などを問う指定管理者による病院運営の検証を求める意見書を賛成6、反対5で議決。
---
続いて静岡新聞です。
- 見出し「議長選出し決算認定可決」
- 議長、副議長を選出したほか、2010年度の決算認定などを審議し可決した。
- 管理者の鈴木南伊豆町長は、新病院開院に向けた医療スタッフについて、10人の常勤医と150床の急性期医療に対応できる人員確保に向けて取り組んでいる事を説明。
- 9月6日から脳神経外科診療開始、10月の消化器系内科・外科医師2人増員も報告。
- 病院跡地診療所建設事業に3400万円など総額1億5220万円の補正予算、地域医療および跡地利用調査特別委員会の設置も可決。
- 指定管理者による病院運営の検証を求める意見書も採択した。
----------
感想と補足情報です。読者の方からも情報を提供いただきました。ありがとうございます。
医師増員の話しを伊豆新聞が書かなかったのは、珍しいなと思いました。
介護老人保険施設なぎさ園は、現在共立湊病院併設となっていますが、同院移転後に併設医療機関が必要な事から、同病院の車庫を取り壊して無床診療所を建設する計画です。伊豆新聞と静岡新聞で金額が異なるのは車庫の取り壊し費用を含むかどうかの違いでは無いかと推測します。昨年12月の南伊豆町議会では、医師複数配置や深夜の救急対応などの要望が出ていましたが、どのような機能の診療所ができるのかについての報道はありませんでした。
特別委員会の名称も両紙で微妙に違っていますが、「今後の(仮称)下田メディカルセンターと地域医療のあり方など、地域住民の求める医療提供に関する諸問題を調査研究する。また、病院移転後の跡地利用に関する諸問題についても調査研究する。」目的で設置され、委員は12名(つまり組合議員全員で構成される)で、運営経費は200万円以内との事です。
意見書については、東伊豆町の山田直志議員が提出したもので、地方自治法第九十九条 [普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。] の規定により、国会および関係行政庁に対し、指定管理者による病院運営の検証を求めるもので、つまりは地域医療振興協会への批判です。文面はそのうちどこかのホームページに掲載されるのではないかと予想しています。^^; これまでの組合議会でしたら、こういうネタはだいたい賛成9、反対2の圧倒的多数で可決されてきたところですが、今回は 6:5 。ギリギリでの可決でした。
| 固定リンク
「医療」カテゴリの記事
- 江島(えのしま)宮城県女川町 2(2019.02.16)
- 江島(えのしま)宮城県女川町 1(2019.02.11)
- 新専門医情報 2018年10月15日平成30年度第2回医道審議会医師分科会医師専門研修部会(2018.10.16)
- 新専門医情報 2018年9月28日 平成30年度第1回医道審議会医師分科会医師専門研修部会(2018.09.30)
- 新専門医情報 2018年6月15日理事会の記事(2018.07.02)
「湊病院問題」カテゴリの記事
- 下田メディカルセンター10月から回復期リハ病棟開棟(2013.09.07)
- 湊病院問題 2月27日一部事務組合議会定例会の記事(2013.02.28)
- 湊病院問題 旧湊病院の赤字補填に対して住民監査請求(2013.01.18)
- 伊豆今井浜病院 増床許可がおりたそうです(2012.12.11)
- 湊病院問題 10月4日賀茂地域医療協議会 静岡県は伊豆今井浜病院増床案を提示(2012.10.17)
コメント
きのじゅんさま
いつも拝見させていただいております。
意見書の件で私見を述べさせていただきます。
すでに指定管理期間を満了し運営終了している地域医療振興協会に対し、いまだにネチネチと因縁をつけてくるようで、なんとも陰険な行為であると感じます。新しい指定管理者のもとで新しい病院を作っていかなければならないこの時期に、いつまでも過去をほじくり返し続け、今目の前で起こっている問題点にまったく気づいていない。または見て見ぬ振りをしているのか。赤字補填の具体的な金額は見えているのでしょうか。議会に求められる役割をしっかりと果たして欲しいものです。
組合と協会の双方の合意事項としてこれまでの協定は締結されてきたものです。指定管理協定のあり方についての検証は協定更新の都度、組合サイドでもされてきているのでは・・・。組合議会も更新の都度議決をしてきたであろう協定内容をいまさら国会や関係省庁へ検証を求めることは自らの恥さらしではないのでしょうか。
知識不足と勉強不足で誤った理解もあると思われますが感じたままに書き連ねてみました。
投稿: 元職員♂です | 2011年9月 2日 (金) 00時06分
元職員♂です さん、コメントありがとうございます。
医療経営財務協会ホームページに関連記事(といってもいつものように新聞記事の丸写し)が掲載されていました。http://izai2.net/gikaisuru.html 今の所意見書そのものは出ていません。
失敗を他人のせいにしているようでは、ビジネス上の信頼は得られないでしょう。
一部事務組合は指定管理者継続のデメリットと指定管理者交代のリスク(もちろん最大のリスクは医師、看護師、コメディカルの逸走)を天秤にかけた上で、公募という手段に踏み切ったのでは無かったのでしょうかね。
投稿: きのじゅん | 2011年9月 2日 (金) 18時36分
議会定例会について、久しぶりにピッコロの部屋さんも更新されておりました。
投稿: 下田病院職員 | 2011年9月 4日 (日) 15時01分
下田病院職員 さん、コメントありがとうございます。
ブログ ピッコロの部屋の記事を読ませていただきました。松崎町以外は各自治体選出議員の票が賛成と反対に分かれたようですね。
意見書は予想通り医療経営財務協会ホームページに掲載されました。
投稿: きのじゅん | 2011年9月 7日 (水) 22時43分