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2011年10月11日 (火)

ゴネラ先生の講演会2

 トーマスジェファーソン大学名誉医学部長・ゴネラ先生の講演会の内容紹介を続けます。

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 次に医師の役割について述べられました。 

 一番目は Clinician としての役割。医学に関する技術面に関するものです。危険因子の認識、診断、治療など。

 二番目は Patient educator としての役割。疾患について理解を得る、治療法について納得していただく、家族の教育、コミュニティーの教育など。

 三番目は Resorce manager としての役割。人や環境のリソースを適切に利用するという事。これには医療のコストを理解し必要以上のリソースを浪費しないという事も含まれています。そして art としての医療は、empathy , sensitivity , compassion を以て成されなければならないと結論付けています。

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 疾病分類を利用した分析の一例として、日本の1990年の看護師国家試験の出題分析の例を述べられました。全試験問題を病因、臓器系、重症度により分析したところ、出題内容に非常に偏りがあり、悪性新生物や先天性疾患、感染症などの出題が多い一方、遺伝や環境などに関する出題は僅かでした。臓器別では消化器が最多でしたが、皮膚や特殊感覚に関する出題はその5分1程度しかありませんでした。重症度別では Stage 1が31%、Stage2が30%、Stage 3が39%であまり偏りがありませんでした。受験者が、どのような領域に注力して勉強すべきかわかります。出題する側にとっても、今後の改善に結びつける事ができます。

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 次は医師のパフォーマンスについてのお話しでした。
A すべきことがわかっていて、行う能力があり、実践する。
B すべきことがわかっていて、行う能力があり、しかし実践しない。
C すべきことがわかっているが、行う能力がなく、実践できない。
D すべきこともわからず、行う能力もなく、実践できない。
 CやDは論外として、Bの群をいかにAにするかが大きな問題であると述べられました。

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 アメリカにおける家庭医療と内科の受診者の分析についても紹介されました。各疾患の Stage毎に集計したところ、家庭医療では Stage 1の率が高く、内科では Stage 2,3の率が高くなっていました。例えばCOPDに関しては、家庭医療では stage 1 66%、stage 2 46%、stage 3 21% に対して、内科では stage 1 10%、stage 2 57%、stage 3 56%となっています。(合計が100%を越えますが、その理由は確認していません。)

 そのため内科だけで研修すると軽症例の経験ができず、家庭医療だけでは重症例の研修が難しい。偏りの無い研修のためには両方研修する必要があると述べられました。このような話しも感覚的には漠然とわかるものの、実際に stage で分けて、数字を出すと非常に説得力があります。

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 最後に personal qualities の重要性として、次の各項目を挙げられました。

  • ロールモデルとしての指導医
  • 研修医のPersonal qualities
  • Empathy
  • チームワークと協調
  • 生涯学習
  • 疲労症候群、燃え尽き、ストレスマネージメント

 Personal quality とは、個人の特性とでも訳せば良いでしょうか。Empathy というキーワードがまた出てきました。-pathyは感情。接頭語en-は「~の中」を表すので感情移入的なニュアンスでの共感という事になります。似た言葉にsympathyがありますが、syn-は「一緒に」という意味ですので、気持ちを同調させるというニュアンスでの共感・同情でしょうか。
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 ゴネラ先生は今後も年数回程度来日される予定との事です。

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