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2011年10月 7日 (金)

ゴネラ先生の講演会1

 10月3日月曜日午後5時30分から、公益社団法人地域医療振興協会本部において、Joseph S. Gonnella 先生の講演会がありました。ゴネラ先生は、アメリカ フィラデルフィアにあるトーマス・ジェファーソン大学の名誉医学部長で、来年度新築される、東京ベイ浦安市川医療センターの名誉センター長に就任される事になっています。今回は、10月1日に地域医療振興協会による指定管理が始まった北海道の十勝いけだ地域医療センター(旧 池田町立病院)の開院式出席に合わせての来日でした。

 講演は The Education of Tomorrow's Doctors : An International Challenge と題して、質疑応答を含めて、約1時間半行われました。随行した同大学の腫瘍学教授の佐藤先生(自治医科大学卒)が通訳をつとめました。(実はかなり熱い補足が加えられていましたが。) 佐藤教授は、4月に遠くフィラデルフィアから女川を訪れ、我々と一緒に活動されました。

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 講演の内容について纏めてみました。

  ゴネラ先生は DRG (Diagnosis Related Group) を開発された方です。疾患を Location (部位) , Etiology (原因), Stage の3つの軸で分類。Stage とは重症度を示すもので、1 合併症の無い比較的軽症、2 局所的な合併症 一臓器に限局した問題、3 複数箇所や全身的な広がり の3つに分かれています。これによって、例えば急性虫垂炎でも、次のように分類していきます。

1.1 (単なる)虫垂炎
2.1 限局した腹膜炎や膿瘍を合併した虫垂炎
2.2 小腸閉塞を合併した虫垂炎
2.3 穿孔や汎発性腹膜炎を合併した虫垂炎
2.4 .門脈炎や肝膿瘍を合併した虫垂炎
3.1 敗血症を合併した虫垂炎
3.2 敗血症性ショックを合併した虫垂炎

 このように同一疾患名でも重症度によって分類し、集計分析していくと、国の間の違いや、医療機関ごとの機能の違いが浮き彫りになってきます。

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 胆嚢炎の手術目的での入院に関して例示されていました。イタリアと日本、アメリカのとある3つの病院を比較したデータです。(少し古いデータのようです。) Stage 1の平均入院日数はイタリア 14.7、日本29.7 アメリカ 5.0 、Stage 2は、イタリア18.8、日本 64.1、アメリカ8.8、Stage 3は イタリア 36.4、日本 49.2、アメリカ 22.6 となっています。各国ともStage が上がるほど入院日数は長くなる傾向にありますが、日本の入院日数が長いのは、手術前に検査のための入院期間があったり、術後の入院期間が長かったりするが、アメリカでは手術当日に入院するなどの違いがあると分析されていました。(最近では日本でも手術前後の入院日数は短縮してきていますので、このデータよりはかなり短くなっているはずです。)

 糖尿病の入院については、日本では Stage 1が43%を占めるのに、アメリカでは Stage 1は0%です。日本においては教育入院として食事療法やインスリン自己注射の導入目的での入院があるのに対して、アメリカではそのような症例は入院対象に成らないという違いがあります。

(つづく)

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