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2011年11月30日 (水)

RCGP OHSU UH 訪問記録03 イギリスのGP制度

Img_6100  イギリスのGP制度について説明する。医療機関に受診しようとする者は、まずGP(General Practitioner)を受診する事になっている。全ての国民は、かかりつけのGPを登録しており、他の医療機関に受診する事はできない。

 ただし登録するGPを変更する事は自由にできる。一人のGPに登録している患者数はおよそ2000人との事である。

 GPに受診を希望する場合は、まず電話で病状をクリニックに連絡し相談する。グループ診療をしている診療所では電話当番の医師が決められており、受診が必要かどうか判断をする。月曜日の電話当番は週末の留守電を含めて多数の相談に応じなければならず、大変だそうだ。必要であれば空き具合を確認して、外来の予約を入れるが、必ずしも自分の外来を予約するわけでは無い。かつては受診までに日数を要する事があったそうだが、最近では改善されて、殆どの場合2日以内に受診可能になったそうだ。

 もしGPに受診した結果、更なる高度医療が必要と判断されると、各科専門医の外来へ紹介となる。患者は救急医療を除くと、直接各科専門医を受診することはできない決まりである。

 医療費はすべて公的医療保険(NHS National Health Service )により支払われ個人の負担は無い。無駄な受診が増えないようにコントロールするのもGPの役割と言える。

(写真はロンドンバス)

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コメント

きのじゅん先生、こんにちは。

GP制度というのは聞いたことがあります。
メリットもデメリットもあるようなことを聞きました。

イギリスのホームレスの人たちは、GPに登録されているんでしょうか?ご存知ですか??

投稿: 直属の後輩 | 2011年12月 1日 (木) 13時49分

直属の後輩 さん、質問有りがとうございます。調べてみた範囲では明確な記載は有りませんでしたが、NHS はイギリス国民であればだれでも受けられるのではないでしょうか。半年以上滞在している学生でもNHSを利用する資格が得られるそうです。
 低所得の人に対しては、専門病院受診時の交通費やかつらの購入費用がサポートされたりする制度もあるようです。
http://www.nhsbsa.nhs.uk/HelpWithHealthCosts.aspx

 RCGPの方々は制度に対して、大変に誇りを持っていると感じました。もちろんメリットもデメリットもあると思いますが、国としてはメリットが勝っていると考えているのだと思います。
 日本においてはかかりつけ医とか家庭医とかいう話が出た時点で議論が紛糾しています。
 頭痛で大病院に受診してCTやMRIがバンバン撮影される世界的にも希有な国ですが、医療コストが非常に安く設定されているために薄利多売で成り立っている気がします。それで世界トップの長寿を達成しているのですから、あながち悪く無いのかもしれません。ただ、薄利多売が医療従事者を疲弊させている事は確かです。

投稿: きのじゅん | 2011年12月 4日 (日) 00時29分

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