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2011年12月13日 (火)

湊病院問題 下田で講演会「賀茂地域の医療と看護を守るために」

 12月11日付け、伊豆新聞からです。

  • 静岡県看護協会と、静岡県賀茂健康福祉センターが、12月10日に地域公開講演会「みんなで支える地域医療」を開いた。会場は道の駅開国下田みなと。
  • 講師は城西大学経営学部の伊関友伸教授。
  • 全国的な医師・看護師不足、医療の高度専門科による病院の2極化を指摘。過酷な勤務状態への患者の理解不足や、不当な要求が地域の医師離れに繋がっている。
  • 「自分本位の住民ばかりの土地からは医師は去り、後には『病院』だけが残る。地域で医師を育てる事が大切。」

 12月13日静岡新聞にも記事がありました。同日の伊豆新聞の記者コラムでも取り上げられていました。

  • 医師看護師不足の原因に、医療の高度化や劣悪な労働環境をあげた。
  • 医師らが集らない病院は収益が上がらず、医療機能が向上しない。成長する病院と衰退する病院に二極化。
  • 地域医療を守るために医療と福祉の連携、医師・看護師の過酷な勤務状況を理解して協力することなどを提言。

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 伊関友伸教授の著書については、過去記事で紹介しています。

 先月、地域医療振興協会の初期研修医対象の、へき地医療セミナーがあり、岐阜県の揖斐郡北西部地域医療センター(久瀬診療所)にお邪魔しました。ここには、協会の内外含め、全国から研修医だけでは無く、医学生やリハビリテーションの学生など、多くの人々が研修に訪れています。ここでは、患者さんたちの自宅に研修医や学生を数時間滞在させる「置き去り実習」など、特徴のある実習が行われています。患者さんやご家族から、地域や生活に関する話など、医療のみに留まらない様々な話題を聞く事で、地域への理解を深め、病気だけでなくその背後にある生活、家族、地域を理解する必要性を実感する機会としています。また住民の方々からも、訪れた研修医や学生、スタッフについてのフィードバックもあります。

  私も実際にある患者さんの家で、2時間半ほど過ごす機会を得ました。往診のように医師患者関係では無く、単なる訪問者として、地域や診療所の歴史や新築にまつわる話し、歴代の診療所長のエピソードなど、色々と興味深い話しを伺いました。またテレビでは地元自治体の自主放送が流れており、地区住民の芸能発表会や、町からのお知らせなど、興味深く拝見しました。田舎初体験の研修医も多かったのですが、それぞれ、何かを得て戻ってきたようです。

 まさに地域をあげて医師やコメディカルを育てているのだなあと感じました。

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 伊豆新聞の記者コラムに、講演会で語られたエピソードとして、深夜3時に「目がかゆいから目薬が欲しい」という患者に対応した医師が、自分本位の住民の行動に心が折れてその地域を去ったと書かれていましたが…^^; まあ、その程度で心が折れるとは何と生ぬるい事か。そんな医者はさっさと去った方が賢明です。

 いえ、普通はそんな低次元の話では無いと思うのです。自分の判断や行動が目の前の人の命を左右してしまうという責任の重さに、堪えきれないからではないでしょうか。そこにぐさっと突き刺さるような言葉を浴びる事はあるのですけど。

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