RCGP OHSU UH 訪問記録32 シミュレーションセンター SimTiki 見学
2011年11月4日金曜日
JABSOM構内のカフェテリアで昼食を摂る。アメリカならではのボリュームを警戒し、ハンバーガー単品のみとした。マスタードやケチャップなどは、購入後に自分の好みで好きなだけかけるシステムである。
午後からはハワイ大学の誇るシミュレーションセンターSimTikiのセンター長Benjamin Berg医師から、シミュレーション教育の目的や実際について説明を受けた。講義は英語だが、スライドは訪日時に作られた日本語版となっていた。OHSUでも使われていたが、聴講者に予めリモコンを渡しておき、クイズ形式で投票させるなど、飽きさせない工夫がなされていた。
シミュレーション教育の活用分野としては、侵襲的処置の技術トレーニング、緊急時における意思決定のトレーニング、チーム医療のためのトレーニング、例えば遠隔医療の評価ツールとしてなど研究目的での利用などが挙げられる。FunSim ( Fundamental Simulation Instruction Method )という活動を通じて、国際的にシミュレーション教育のインストラクター養成活動も行われている。
その後、同じ建物内にあるシミュレーションセンターに移動した。
まずはコンピュータ制御で心拍数・血圧・動脈血酸素飽和度などのバイタルサインや、心電図を変化させる事ができるマネキンを体験。ショック状態に対する血管確保や、呼吸状態の悪化に対する酸素投与・気管内挿管、致死的な不整脈に対応するための直流除細動など、心肺蘇生のトレーニングを行った。マネキンはマジックミラーで仕切られた別室からコントロールする事もでき、見えない所から研修者の動作を観察・評価する事ができる。
この他、気管支鏡や内視鏡手術のトレーニング装置など、いくつかのシミュレーターを実際に経験した。これらのシミュレータでは観察の練習のみならず、処置や手術などもトレーニングする事ができる。2次元画像を見ながらの立体操作は、実際に普段の消化管内視鏡処置で慣れてはいるものの、掴んだ物を回転させて、溝にはめるなど、とても細かな作業も多く意外に難しかった。
シミュレーション教育ではハードもさることながら、これらを利用した教育のプログラムや、緊急医療のシナリオなど、ソフト面こそが重要であり、それを指導するインストラクターが鍵を握る。単に機械を用意しただけでは活用が難しいという事も実感された。
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