2012年シンガポールJCIプラクティカム8(完) まとめ
アメリカでは The Joint Commission (TJC)が標準化しており、その規格に則る事が「当たり前」になっています。例えば針を捨てる容器は子供の手が届かないような高さに固定されている必要がありますが、それが当然なので最初からそのように設置されています。働く側もどこに行ってもそうなっているので、当然のものとして身に染みつきます。しかし、意識化しておかないと、違う環境ではたぶん自ら主体となっては実践できないはずです。
アメリカの医療機関では常識とも言えるTJCですが、その認証維持は楽ではないようです。抜き打ちTracerなど調査手法は更に高度になっているそうです。以前アメリカで,ある病院幹部に「TJCに準拠しようとしない職員はどうするのか」と尋ねたところ「解雇する。」との返事でした。厳しいですね。(他の医療機関からもはじき出される事になります。)
日本にも病院機能評価制度があります。つい「評価をパスするために頑張る」となってしまいがちですが、Joint Commission International の認証取得は、それだけでは歯が立ちません。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act) がきちんと回っていること、医療の質の改善が実現されている事が臨床指標で示されているところまで求められます。
日本には「阿吽の呼吸」という言葉があって、何も言わなくてもお互いが理解しあっていて、うまくできる事を良しとする文化があります。しかし熟達した人たちで無いと実践できないような仕組みは国際的には広くうけいれられません。お互いに何をするのかを明確に伝え、確認し、実行した後に評価し、次にもっと良くするための方法を検討しなくてはいけません。
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