« 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録08 カンファレンスなど | トップページ | 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録10 シミュレーション教育 »

2013年5月13日 (月)

2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録09 終末期医療教育

 終末期の事は英語では End Of Lifeと呼ばれ、教育上も大きなトピックとなっています。

 6月5日午後1時からはシミュレーションセンターで、初期研修医5名を対象にEnd of LifeのOSCEが行われました。OSCE(オスキー)とは実技試験の事で、今回は模擬患者や家族による評価が行われました。

 次のようなシナリオが設定されていました。癌患者である夫の容態が急に悪化。救急部に運ばれ、心肺蘇生処置を受けたあと入院しましたが、その後の経過は芳しくなく、主治医チームは意識が回復する見込みは無いと判断しました。そして研修医は、この状況を妻に伝える役割を演じます。持ち時間は一人15分。23項目の細かなチェックポイントが設定されていて、指導者は別室でモニターを 見ながら評価します。妻役の方は、1回ずつ本当に涙を流すなど迫真の演技を見せていました。終了後には、模擬患者を務めた方からのフィードバックもあり、個々の初期研修医の対応について詳細な評価が行われました。

 足を組んで座り腕組みをしてややぶっきらぼうに対応した研修医や、時間をもてあまして時間前に終わってしまった研修医もいた一方、 非常に共感的に接し肩に優しく触れるなどコミュニケーションの技術に優れた人もいました。

 6月12日の午後には同じ初期研修医を対象に、終末期医療に関する teaching session が行われました。

1 Setting 2 Perceptions  3 Invitation (how much do you want to know) 4 Knowledge 5 Empathy 6 Strategy / Summary、頭文字を取ってSPIKEという視点で、どのように対応したら良いか、ディスカッションが交わされました。

----------

 これらの講義とは直接関係無いのですが、SCCUを見学している時に偶然患者さんが亡くなる場面に居合わせる機会がありました。容態が悪化し担当医からもう難 しいだろうという話を聞かされた家族はしばらく患者のそばに付き添っていましたが、やがて控室に移動。その後しばらくして患者さんが亡くなられましたが、控室に居る家族は呼ばれる事は無く、そのまま医師が死亡確認し人工呼吸器を止め、部屋から皆立ち去ってしまいました。

 日本では「死に目に間に合う」事が非常に重視され事が多いと思うのですが、こちらでは必ずしも死亡時に家族が立ち会うわけではなく、もちろん退院する時に医師や看護師がお見送りする慣習も無いようです。文化の違いを強 く感じる出来事でした。

※この件については、アメリカの中でも環境によって異なることがあるようです。

|

« 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録08 カンファレンスなど | トップページ | 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録10 シミュレーション教育 »

2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録」カテゴリの記事

医療」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/195657/56977326

この記事へのトラックバック一覧です: 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録09 終末期医療教育:

« 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録08 カンファレンスなど | トップページ | 2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録10 シミュレーション教育 »