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2013年7月15日 (月)

2012年6月Thomas Jefferson University Hospital 研修記録18 JeffHope

 Jeff Hopeは医学生が中心となって行っている医療ボランティア活動であり、活動の場はホームレスのためのシェルター(避難所)です。1991年に始まったそうです。奉仕活動であるとともに、まだ臨床実習の始まらない医学部低学年からの外来診療のトレーニングともなり、一石二鳥の活動と言えます。今回の研修のス ケジュールにはもともと組み込まれていなかったのですが、この存在を聞き、ボランティアのディレクターに連絡を取っていただき6月27日に母子シェルターであるACTSを、6月28日には男性シェルターのOur Brothers Place (OBP)での活動に同行させていただきました。

 ディレクターは高学年の医学生が務めています。年に40-50人の医学生がこの活動に参加しているそうです。ちなみにTJUの1学年の学生は260-270人との事なので、4学年で1000人以上。Jeff Hopeに参加しているのは20-25人に一人ぐらいという事で、そんなに多くはありません。

 医学生の低学年と高学年のペアで2つの医療チームを作り、実際の外来と同様に問診・診察を行います。内科・家庭医療・救急などの後期研修医か初期研修医 が1名スーパーバイザーとして来ていて、仕上げの診察と必要に応じて処方を行う形です。指導医クラスが参加する事はあまり無いそうです。薬学部の学生も参加し、シェルターに常備されている医薬品(期限切れ品やメーカーからの無料寄付品が主体)の管理や調剤を行っています。

 医療班の他にも希望者への血圧測定、 子供たちとのレクリエーションの他、OBPではリサーチも行われていた。診療は午後6時から9時頃まで。医学生ゆえ一人の診察に30分以上かかるので、1回の活動で10名程度の診療が限度です。血糖の他、HbA1cの簡易測定キットも持参していた。肺炎球菌ワクチンも所内の冷蔵庫に常備されており、対象者が居ると薦めてその場で接種していました。OBPでは無料のコンドーム配布も行っていましたが、持っていく人は少なかったようです。

 シェルターは使われなくなった教会などを利用しており、管理職員が常駐しています。中は思った以上に清潔に保たれており、不穏な空気なども感じられませんでした。高い喫煙率を反映してか、ニコチンパッチなど禁煙補助薬を希望する人も男女を問わず多くいました。男性入所者の中には統合失調症や鬱病と言われ向精神薬を投与されている人もいました。全体的な印象として母親たちの方が元気であり、子供たちはのびのびと遊んでいて、男性の方がだらしない感じです。

 OBPにはパソコン ルームがあり、入所者にはメールアドレスが配布され、ネットで就職情報を収集して自立につなげようという取り組みもなされていました。

 日本では診療所以外で人を集めて診療すると医療法違反になってしまうので、このような活動は非常時のみに限られてしまうでしょう。

 Jeff Hopeの活動では医学生や入所者の方々と近い距離で接する事ができました。日本の医療について興味がある学生も居て色々と意見交換もできました。大変有意義で楽しい時間を過ごすことができました。

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