Inferno ( Dan Brown )
The Da Vinci Code (ダビンチコード)を書いた作家 Dan Brown の小説 Inferno 。日本語訳版が発売され広告が出ているのを見て、あっそうだ読んでなかったなあと思って英語版の電子書籍を購入しました。本を持ち歩かなくてもスマートフォンやコンピュータで読むことができる点は電子書籍のメリットですが、字の大きさを変えられるのがもう一つのメリットです。最近の健康診断でも視力は1.5を維持しているのですが、それゆえ近くの小さな文字は読めないのです。
今回の物語はダンテの Divine Comedy (神曲)が題材となっています。スピード感のある展開、まるで実際に旅行をしているかのような気分になる様々な都市や建物の描写、読者を欺くどんでん返しの連続でなかなか楽しい作品でした。よくまあ色々と思いつくなあと感心させられます。Google Mapsなどで、ロケーションを確認しながら読むと楽しさが倍増します。
シンボルに隠された暗号を読み解いていくというこれまでのラングドン教授シリーズの展開を考えると、今回のInfernoでは、バイオハザードのマークが出てくるぐらいで、ほとんどシンボルらしいものが出てきません。その点ではちょっとネタ切れしてきているのかも。教授を記憶喪失にする事で、謎を増幅させている感じもありますし、よく考えると犯人が「その場所」を教えるようなヒントをなぜ残したのか、その必要があったのかという点には全く説明がなかった気がしますが、まあフィクションなのでそんな事はどうでもいいでしょう。
十字軍やルネッサンスなども絡み、歴史や美術など、色々なパックグラウンドの情報を調べないと意味がわからない事も多いですし、知らない単語も山ほど出てきて、楽な読書ではありませんでしたが、それゆえいろいろと勉強になりました。
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