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2015年6月21日 (日)

南アフリカを知るための60章

 他の国を訪れる時にその国の歴史や文化についてある程度の知識を得ていきたいと常に考えています。旅行ガイドブックにも簡単な解説が載っていることもありますが、それだけでは十分とは言えない。明石書店エリア・スタディーズシリーズは、そのような目的で読んでいます。これまでも、マラウイ、タンザニア、インドネシア、イギリス、オーストラリア編を購入してきました。

 シリーズとして統一されているわけではないので、章=話題の選択は編者にまかされています。多くの著者がそれぞれの得意分野について記しているタイプもあれば、ほぼ一人で全編を記している場合もあります。前者の場合非常に難解な記述をする著者が担当した章は退屈になりがちですし、後者の場合著者によっては特定の興味分野について多くの章を割いてしまい一般的な事項が省略されてしまっている場合もあります。しかしその逆で、多数の著者がそれぞれに楽しい記載をしているものもあり、一人の著者が驚くべき多彩な領域に精通していることに感銘を受けることもあります。

 さて、この南アフリカ編。結論から言うと大変おススメです。章立てのバランスが良く、どの章の記述も素晴らしく、数日で通読してしまいました。

 南アフリカ共和国はサブサハラの国々の中では最も民族多様性があります。ブッシュマンという映画が作られたのは1981年だったそうですが、そのブッシュマンことコイサン系のほかに、東アフリカに広く居住しているバンツー系の人々、近隣諸国から出稼ぎなどで入ってきた人たちなど黒人だけでも多彩ですし、ヨーロッパ人が来訪し最初に入植したオランダ系の人々の子孫であるアフリカーンス、アフリカーンスと黒人の混血であるカラード、イギリス植民地時代に入ってきたイギリス系の白人、インド系、マレー系、ユダヤ系などなど、非常に複雑。アパルトヘイト政策下での人種隔離や民主化後の動きが、その複雑さに拍車をかけています。

 アラブとつながりの強い東アフリカのスワヒリ都市群とは大きく異なる歴史展開であることを再確認し、非常に勉強になりました。

 7月下旬に計画している旅行ではケープタウン空港を入り口に、オランダ植民地時代の名残り強く残しているらしい西ケープ州を訪れます。マンデラ氏が長期間服役していた刑務所の島ロベン島にも足を運ぶ予定です。

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