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2015年7月10日 (金)

書籍紹介 「本気で取り組む診療連携」

 公益社団法人地域医療振興協会が運営する横須賀市立うわまち病院管理者の沼田裕一先生が本を出版されました。タイトルは「本気で取り組む 診療連携」です。(アマゾンへのリンクはこちら

 この本は沼田先生が同院の経営を担ってからずっと取り組んできた診療連携の成果を様々な指標と関連付けて解析し、その結果をまとめたものです。章立ては以下のようになっています。

  • 第1章 診療連携の重要性について
  • 第2章 診療連携に関連する諸問題(ピットフォール)
  • 第3章 診療連携の実際
  • 第4章 医業指標から見た実際の病院経営
  • 第5章 経済的側面から見た病院経営の発展形態と診療連携の位置付け

 経営コンサルタントでは無く、臨床医の視点に立って、どのような診療連携が病院の経営に貢献し、ひいてはその地域の医療システム全体の向上と患者さんへの利益につながるのか、同院の実績に基づいた豊富な医業指標データをもとに、本当に注目すべき指標は何か、そこから導かれる診療連携のあるべき姿について論じています。

 また第3章では、うわまち病院における診療連携においてどのような工夫が成されているのか、実例が紹介されています。(挨拶回り、診療連携の会、外来診療は優雅になど)

 第5章では、病院経営の発展形態を Phase 1から4に分け、それぞれの Phase で求められる診療連携の方針について述べられています。

 パラパラっと見ると、医業指標のグラフがたくさん出ていてとっつきにくそうな本だなあいう感想を持つかも知れませんが、実際にはグラフを細かく読み取る必要は無く、トレンドを理解することが重要です。内容は非常にロジカルで、多くの示唆に富んでいます。

 病院幹部職員だけでなく、医療経営や診療連携に関わる事務職や、地方自治体で医療行政に携わる方、医師会で診療連携を担当している方など、多くの読者にとって大変有益で、しかも楽しく読める良書としてお勧めいたします。

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