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2016年7月 1日 (金)

新専門医情報 2016年5月30日 第3回専門医養成の在り方に関する専門委員会議事録

2016年5月30日 第3回専門医養成の在り方に関する専門委員会議事録が厚生労働省ホームページで公開されました。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000129016.html

 前半では主に日本専門医機構のガバナンスの問題や財政基盤の問題について議論されています。

 中盤では委員会事務局(厚生労働省)が作成した、来年度「地域医療の混乱を防ぐということを考慮して、試行事業として行うとしたらどんな要件が求められ、どのようなスケジュールになるかという資料」をもとにした説明と議論がなされています。
 この中で、「過去3年間の後期研修医の採用実績に基づいて」定員枠の上限を定めること、「都市部の都道府県では過去の採用実績の1.0倍、都市部以外の都道府県では過去の採用実績の1.2倍というふうに定める。」といった提案が成されています。
 この案に対して、現行の基本領域学会専門医の仕組みのまましばらく動いてはだめなのかという意見。地域医療の崩壊する怖さの原点は枠では無く、基幹施設であるという意見が出されています。

 終盤、各学会は来年度どうするのかというような議論に移ります。
・永井委員長 島田先生の皮膚科学会は、来年どうされるのですか。
・島田参考人 北村先生が全県の半分以上が1プログラムしかなく大学中心だとおっしゃいましたがそれは事実だからしようがないです。山梨県はそういう県なんです。すでに地域医療が崩壊しているのです。大学が中心になって立て直そうとしているのです。だから、県ごとによって状況が全然違うと思います。
・永井委員長 だから、それを説明していただきたいのです。先生たちの学会は、来年の予定として、どういうプログラムでどうするか。
・島田参考人 予定というか、プログラムはありまして6人を募集するということになっているんです。だけど、大体、山梨県全体で実際に皮膚科にくるのは1名か2名なんですね。

 こんなやり取りの中で、地方における特に"マイナー科"の専攻医確保の困難さが伝わってきます。

 

最終的には、各学会の意向を聞いて次回の委員会で議論するということで終わっています。

 しかし、その後に厚生労働大臣の談話や医師会・四病協・日本医学会といった各団体からの声明を受けて、「一旦立ち止まった」状態となるのと同時に、この専門医養成の在り方に関する専門委員会も立ち止まった状態なのでしょうか。時間切れを前に、各学会がぱらぱらと自主的に来年度の方針を発表しているのが現在のフェーズです。

会議時の配布資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000126003.html

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