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2017年6月 5日 (月)

新専門医情報 第2回 今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会 で機構の方針を了承

 昨日5月25日に厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」の2回目が開催されました。関連記事がm3.comに掲載されました。

新整備指針の「4つの対応方針」、厚労省検討会が了承
日本専門医機構、6月2日の理事会で改正予定
https://www.m3.com/news/iryoishin/532074

また、厚生労働省の同検討会ウェブサイトに、会の資料が掲載されています。

今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会
<資料、参考資料及び机上配付資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000165893.html

資料1-1 新しい内科専門医制度 制度移行に向けた特徴的なポイント
資料1-2 研修カリキュラム制への対応について
が、内科学会から提供されたもの。

資料2-1 「今後の医師養成の在り方地域医療に関する検討会」における論点等について(厚生労働省事務連絡)
厚生労働省から専門医機構に送られた文書

資料2-2 専門医に関する対応方針の主な内容について
上記に対する、日本専門医機構の対応方針についての回答

資料3 都道府県協議会について
都道府県協議会についての厚生労働省からの文書となっています。

 m3.comの記事によると、専門医機構の方針が了承され、6月2日の機構理事会で新整備指針の改訂が行われるとともに、来年4月からの新専門医制度開始の方向で動くことになりそうで、土壇場でのちゃぶ台返しは無くなったように思われました。(しかしその後6月2日に開催された日本専門医機構理事会では、来年4月からの開始は最終決定に至らず、6月中旬の第3回目の当検討会後に先送りになっています。)

 そもそも新たな専門医養成の仕組み(いわゆる新専門医制度)は、4年前に厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の答申を踏まえて、Professional Autonomy を大前提に医療界挙げて取り組むということでスタートしました。しかし今回の検討会の流れを見ても、厚生労働省や検討会の提案を受け入れなければ話を先に進めさせてもらえないような雰囲気が出てきたようです。

 第2回の検討会では内科学会の代表者がプレゼンをし、第3回目は専攻医の数が多い外科、小児科、整形外科、麻酔科、精神科、産婦人科、救急科の7領域がヒアリングを受ける予定との事です。 こうなると同検討会があたかも日本専門医機構や基本領域学会や日本医学会連合の上位機関のような位置付けになってしまうのではという気がします。

 内科学会からのプレゼンの中では、J-OSLERが高い評価を受けたとのことです。なるほど統一のデータベースシステムを使うことで、到達状態の可視化ができるという点では良いと思います。しかし実際にカリキュラム制の研修を進めるにあたっては、「誰が指導することになるのか」という問題があります。 プログラムに属さない(=カリキュラム制の)専攻医が、指導医が不在の施設(特別連携施設など)に勤務した場合の指導医はどうなるのか、そもそも研修履歴として認められるのか。へき地に勤務したときプログラム制なら研修期間にカウントされ、カリキュラム制だとカウントされないということだと、何のためのカリキュラム制?ということになりかねませんし、しかし指導医不在で専攻医が自分で症例登録するだけで研修にカウントしてしまうのもおかしな話です。

 そういった運用上の決め事はおいおい検討され決まっていくのでしょうが、プログラム制の募集開始(9月?、10月?)の時期までにはっきり決まっているとは考えにくい気がします。

 今回の検討会の様子では、都道府県協議会の権限がかなり大きなものになりそうです。とはいえ、実際にはほとんどの都道府県でこの協議会はまだ機能しておらずどのようなものになるのか心配もあります。節度を持った調整機関になれば良いのですが、政治的な駆け引きの舞台になってしまう可能性もあります。

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