« 秋吉台 | トップページ | 秋芳洞、角島大橋、俵山温泉 »

2017年7月18日 (火)

新専門医情報 総合診療研修の整備基準は公開されましたが

 2017年7月11日の夕方ごろ、日本専門医機構のウェブサイトに総合診療専門研修プログラム整備基準が公開されました。トップページにはアナウンスは表示されておらず、たまたま該当ページをリロードしないと気が付かないのですが…。
http://www.japan-senmon-i.jp/comprehensive/index.html

 なお、一緒に承認されたはずのモデルプログラムは見当たりません。プログラム申請の開始は「近日中」と書かれていましたので、毎日チェックしていますが、7月18日17時時点ではまだアナウンスはありません。

(なお他の基本領域の整備基準等も機構ウェブサイトでは公表されていません。 )

新旧対照表がありませんので変更点の全貌はつかみきれません。ポートフォリオというタームに対して、「経験省察研修録」という難しい正式日本語タームが割り当てられたようです。

 既報のように内科研修が12ヶ月になっています。PDF9ページの最初の方の記載を見ますと、内科研修の評価に関しては、

・「内科領域で運用する専攻医登録評価システム(Web版研修手帳,J-OSLER)による登録と評価を行う。
・12ヶ月の内科研修の中で、最低40例を目安として入院症例を受け持ち、その入院症例(主病名、主担当医)のうち、提出病歴要約として10件を登録する。分野別(消化器、循環器、呼吸器など)の登録数に所定の制約はないが、可能な限り幅広い異なる分野からの症例登録を推奨する。
・病歴要約については、同一症例、同一疾患の登録は避ける。提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行う。
・12ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全体評価(多職種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられる。その評価結果を内科指導医が確認し、総合診療プログラムの統括責任者に報告する。専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合する」
と記されています。

 ここに書かれている「研修手帳の研修目標」というのが、内科側のWeb版研修手帳なのか、総合診療の研修手帳なのかがわかりません。

 内科とのダブルボードを考えている人は、内科専門研修では初期研修の経験症例も登録可能とされていますが、総合診療専門研修の中の内科研修においては、初期研修の症例を利用して症例登録や病歴要約の入力をすることは可能なのでしょうか?この総合診療の整備基準では明確にはなっていません。(しかしながら、初期研修時代の経験症例を+αとしてJ-OSLERに登録しておけば、ダブルボードを目指す際の症例登録のノルマを減らすことができますので、記憶が薄れないうちにぜひやっておきたいところでしょう。また、内科専門研修では最初の2年間で29の病歴要約をすべて登録することになっていましたので、総合診療研修の1年間で10症例しか病歴要約の登録が終わっていないと、1年間で残る19例の登録をしなければならないかも知れません。その観点からも初期研修の時の症例を利用することは重要では無いかと思います。またこの記載の中には症例登録のことが書かれていません。内科専門研修を終えるためには最低でも160例の症例登録が必要です。ダブルボードを目指す人は総合診療の内科研修の間にもせっせと登録しておくのが良いでしょう。)

 小児科と救急科の研修の評価についての記載は「各科の研修内容に関連した評価を各科の指導医が実施し、総合診療プログラムの統括責任者に報告することとなる」とのことで非常にふわっとした書き方になっています。

PDF12ページ
「総合診療専門研修I/IIにおいてはへき地・離島、被災地、医療資源に乏しい地域の医療機関、あるいは医療アクセスが困難な地域の医療機関での研修も可能となるような教育体制を整備する。
・原則として、都道府県の定めるへき地に専門研修基幹施設が所在するプログラム、あるいは研修期間中に2年以上のへき地での研修を必須にしているプログラムにおいて、ブロック制で実施できない合理的な理由がある場合に限り、小児科・救急科の研修をカリキュラム制で実施することを認める。

 PDF13ページ
「へき地・離島、被災地、医療資源の乏しい地域での1年以上の研修が望ましい。」と書かれています。望ましいだけで必須ではありませんけれど、へき地での研修において実績がある医療機関には多くの研修プログラムから連携施設登録希望が殺到するのではという懸念もあります。へき地の医療機関では多くの専攻医を抱える経営基盤は到底ありませんし、症例の経験数の面でも難しい面があります。どのように調整をつけるのでしょう?

 なお「カリキュラム制」というタームは、上記のPDF13ページの一箇所にしか記載がありません。なのでこの整備基準では総合診療専門研修の全体をカリキュラム制で行う場合の方法については、全くわからないということになります。

 PDF13ページ
「地域において指導の質を落とさないための方法
・指導医が不在のへき地・離島(定義:都道府県の定めるへき地)などの
地域では、指導医が常に研修に係わることで専門研修の質を保つための方法として、プログラム統括責任者またはプログラム内の認定指導医による週に1回の直接対面または遠隔テレビ会議等による振り返りと、3ヶ月に1回の研修先訪問を必須とする。」

 指導医が不在のへき地での研修が、総合診療専門研修の中でいったいどのように位置づけられるのかが良くわかりません。なぜなら総合診療I/IIの研修では特任指導医による指導が求められていますし、内科、救急、小児ではそれぞれの領域指導医が指導することが求められています。となると、指導医がいない施設で研修するということが、必須研修の中では想定されていないように思われるからです。

|

« 秋吉台 | トップページ | 秋芳洞、角島大橋、俵山温泉 »

医療」カテゴリの記事

新専門医情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/195657/65550470

この記事へのトラックバック一覧です: 新専門医情報 総合診療研修の整備基準は公開されましたが:

« 秋吉台 | トップページ | 秋芳洞、角島大橋、俵山温泉 »