新専門医情報 日本医師会代議員会で新専門医制度に関する質疑
2018年3月25日に第141回日本医師会臨時代議員会が開催され、新専門医制度に関する質疑があったようです。関連記事がm3.comに掲載されましたので、ご紹介します。
新専門医制「地方への配慮、十分でなかった」、松原副会長
第141回日医臨時代議員会、次年度に向けた改善を行う方針
https://www.m3.com/news/iryoishin/593481
日本医師会の副会長で日本専門医機構の副理事長でもある松原氏への質疑が主な内容です。機構理事会後の記者会見では都市部集中を否定する論調でしたが、この記事を読みますと、宮崎県や秋田県の代議員からの厳しい質問に対しては、だいぶトーンが変わっています。
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「大都市に集中し、地方では大変厳しい状況。地方への配慮が機能しているのか」との質問に、「十分ではなかったと言わざるを得ない。信頼される制度確立のため、制度運営の方法、制度の個々の仕組みを改めて見直すことが求められていると受け止めている」と答弁した。
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とのことです。ただ、機構理事会後の会見では見直しについては全く言及されておらず、今後具体的にどのようなスケジュールで見直しを行っていくのか、本当に行われるのかは、よくわからないところです。
機構理事会後の記者会見では静岡県で初期研修した研修医51名が東京都での専門研修に移動した件が公表されましたが、その後の調査でわかった情報でしょうか、「うち24人が静岡県に戻る」との記載があります。もちろん24人が静岡県での研修プログラムに乗り換えたという意味では無く、連携研修を静岡県で受ける人が24人居るという意味かと思います。仮に(最大に見積もって)この24人が全員2年間静岡県内の連携施設で研修を受けるとしても単年度あたりでは16人にとどまりますので、残り35人は静岡県から東京都に移動したことになります。
総合診療專門研修については、
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確かにいろいろな伝達不足があった。日本プライマリ・ケア連合学会の方にもお願いしたが、十分に伝えきれず、非常に誤解をされている方がいる。
(中略)
また当初、(総合診療専門医の運営は)日本プライマリ・ケア学会にお願いすることを考えたが、やはりこの5年間や10年間は、日本専門医機構で運営しないと、学会の先生方は申し訳ないが、自分の学会員を増やすことに大変熱心な方が多いため、地域医療を崩壊しないように、との配慮から、学会と私どもが十分に議論した上で制度を運営していく。
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といった記載があります。
先日m3.comに日本プライマリ・ケア連合学会の丸山理事長のインタビュー記事が掲載されました。
日本専門医機構、総合診療専門医に「弊害」もたらす - 丸山泉・日本プライマリ・ケア連合学会理事長に聞く
学会として経緯検証、機構や日医など関係団体に申し入れ予定
https://www.m3.com/news/iryoishin/592492
この中で、日本医師会や日本内科学会にはかなり批判的な発言がありましたので、それに対する反応も含まれているのかも知れません。5年や10年は機構として総合診療専門医を手放さないという決意表明は、日本プライマリ・ケア連合学会に対する牽制の意味合いなのでしょうか。それとも機構の運営基盤に影響するからでしょうか。
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