カテゴリー「フィラデルフィアの風景+α」の40件の記事

2012年10月14日 (日)

フィラデルフィアの風景+α 40 (完) SEPTA 巡り

 2012年6月30日土曜日。いよいよ帰国前日となりました。午前中に荷物のパッキングもほぼ終わったので、昼食を求めて Reading Terminalへ。アメリカンなボリュームのパッタイでお腹を満たします。

 食後はすぐ隣のSEPTAのMarket East駅へ。Regional Railの路線図を見ていたら、急にふらっと出かけたくなりました。切符売り場に行ってみると長い列ができています。すぐの列車には間に合いそうにありません。

Dsc_0044 隣接する地下鉄 Market-Frankford Lineの11th street 駅で乗車トークンを2枚(1枚1.55ドルで一乗車)買います。東へ行こうか西へ行こうか迷いましたが、直感で西へ向かう事に。

 地下鉄も郊外に出ると高架線となり、広々とした眺めの中を進みます。終点一つ手前の Millbourne駅でMarket Streetから離れ、Highland Parkの縁にあたる川沿いへ。急に緑が濃くなります。次は終点の69th street transportation center。車庫に引き上げていく電車を撮影。ふらっと出かけてしまったので、カメラも持って来ておらず、スマートフォンでの撮影です。

Dsc_0048 ここからは同じSEPTAのトロリー(路面電車)2路線とNorristown High Speed Line が接続しています。High Speed Lineという名前に惹かれてホームに行ってみると、東急世田谷線のような雰囲気のこじんまりした単行電車が停まっていました。しかしこれが確かに High Speed でして、かっとんでます。かつて北海道に多数あった仮乗降場のように途中駅のホームは数mしか無く、前の乗降口だけを使用します。車内にはバスのように降車ボタンがあり、誰も押さなければその駅は通過します。ちなみに乗車する時は駅に設置された停車リクエストのボタンを押すと駅手前の信号機が点灯して、乗客がいる事を知らせる仕組みになっています。トロリーは乗車時に運賃を払いますが、この路線では下車時に払うようです。

Dsc_0050 森と宅地の中を走る路線はローカルな雰囲気でなかなか楽しいものです。日中20分間隔の運転で、平日の朝夕は快速運転もあるようです。ほぼ全線複線ですが、Norristown側の最後の一駅区間は単線です。この区間にある、Schuylkill川鉄橋を複線で建設するのを避けたからでしょう。

 30分ほどで終着のNorristownに到着。簡素な作りの高架上の1面2線の島式ホーム。すぐ下をRegional Railの線路がクロスしています。駅舎を出たところがバスターミナルになっている他、大きな立体駐車場も整備されています。地下道で線路をくぐって Regional Rail のNorristown駅へ移動。フィラデルフィアに戻る列車は1時間に1本。ちょうど行ってしまった所で、50分ほど待ち合わせ時間があります。

 近くの道路橋に出てみると北側に Highspeed Lineの鉄橋が見えます。しばらく待っていると電車が川を渡ってきました。小さな電車がトコトコと走っていく姿は、アメリカらしからぬ愛らしい光景です。

 駅に戻って待つことしばし。Regional Rail のコミュータートレインが数分遅れでやってきました。ホームが低いので、階段をよじ登るようにして乗車しなくてはなりません。車両はニュージャージートランジットとほぼ同様で、2-3配置の簡素な転換式シートです。駅は無人なので乗車券は車内で車掌さんから購入します。フィラデルフィア中心部まで6ドルでした。

 Skuylkill川を右手に見ながら緑の中をのんびり走る Regional Rail 。およそ40分かけて Market East駅に戻ってきました。1ヶ月間のフィラデルフィア生活もこれで終わりです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月11日 (木)

フィラデルフィアの風景+α 39 トロリー

Img_7603  Market Streetの地下にあるSEPTAの13th street駅 に隣接して、SEPTAの本社?らしきビルがあって、内部に昔の路面電車車両が静態保存されていました。空調完備の屋内ゆえ、保存状況は極めて良好です。特徴的な両開き折戸の乗降口は、現在使用中の車両にも受け継がれています。前下がりのルーフや丸みを帯びた前頭形状がなかなかスタイリッシュです。丸目一灯の前照灯も、良い味を出しています。

Img_7605 フィラデルフィアでの研修の最終日が終了したので、名残惜しく市内を徒歩で横断。解剖標本などを展示した Mütter Museumを見学。真面目な医学博物館なのでしょうが、ギフトショップで売られているグッズはちょっと悪趣味なものばかりでした。

Img_7608 地下を走るトロリーに乗って更に西へ。地上に出た所が比較的大きなターミナルになっていて、ここで路線が2方向に分かれています。私の乗った電車はこの日はここで運転打ち切り。この先はバス代行輸送になっていたので、止むなく下車。

Img_7612 行き交うトロリー車両を撮影。3枚目の写真はトンネルを出て地上に顔を出したトロリー。線路はここで左右に分岐している他、渡り線も敷かれていて複雑な配線になっています。乗車しているとヨーイングが目だつので2軸台車なのかと思っていたら、普通のボギー台車です。

Img_7613 頻繁にやってくるトロリーは、地元に密着した足として活躍しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 8日 (月)

フィラデルフィアの風景+α 38 Reading Terminal

Img_7601 寮最寄りの Market East 駅。到着時にフィラデルフィア空港から乗ったSEPTAの列車で下車したこの駅が、実は大変貴重な鉄道遺産である事に後から気付きました。この駅は先日訪れた Reading(レディング)方面に向かうペンシルバニア鉄道のかつてのターミナル駅だったのです。

Dsc_0042 Market Streetに面した旧駅舎はなるほど堂々とした貫祿があります。駅舎の奥にはConvention Hallがあるのですが、この丸屋根の下はかつてのプラットホーム。北へ向かう列車がこの大屋根の下に集っていたのです。

Dsc_0043 現在のMarket East駅では地下ホームに SEPTAの Regional Railが発着しています。また駅前のMarket Streetの地下には、地下鉄駅があります。

Img_7589 かつてのプラットホームの下にあるのが、Reading Marketです。ここには駅ができる前から市場があったそうです。鉄道建設にあたって、高架橋の下に市場を移設。 エキナカ店舗になっていたわけです。上部から鉄道が消え去った後も市場はそのまま残り、フィラデルフィアの観光の中心地の一つになっています。

 ここでは農産物や畜産物などフィラデルフィアの特産品や土産物の他、イタリア、タイ、日本、中国など(そこそこアメリカナイズされた)各国料理、そして、Amishの料理のお店も。従業員の中にはAmishの服装をした男女がいます。ただこの都市の真ん中でAmishの戒律を守って生活するのは不可能(だって電車やバスに乗って通勤することができませんし、そもそもお店で電気を使ってもいけませんから…)と思われますので、ex-Amishなのでは無いかと私は思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 5日 (金)

フィラデルフィアの風景+α 37 Thomas Jefferson University

 2012年6月のフィラデルフィア滞在もいよいよ終盤。今回はThomas Jefferson Universityのビル群の写真です。Campus Mapはホームページに掲載されていますが、碁盤の目になっている市街地の真ん中で、次々と拡張して行った結果として、非常に多くのビルに多数の施設が分散しています。隣り合ったビルは概ねどこかで連結されています。

Img_7097 1枚目の写真の左側が4週間お世話になった短期滞在寮 Martin Hall。右側の建物が図書館です。

Img_7595 2枚目の写真は、図書館の向かい側に建っている College Building 。内科など各科の管理部門が入っている割と古びた建物です。右隣にはCurtis Buildingがあって、2つの建物は連結されていますし、奥側のThompsonとも連結されています。

Img_7100 3枚目の写真は真新しく近代的なデザインのビル。Walnut TowersとEye Institute。右の白いビルが、Neuroscienceの建物になります。

Img_7598 4枚目。救急部の入っている Main Buildingで、奥の方に病棟が入っている Thompson 。その奥の Foerderer Pavilion とも一体になっています。写真右奥に写っている多層の渡り廊下で、病棟が入っているもう一つの大きなビル Gibbon と連結されています。各科の入院患者さんは、ThompsonとGibbonに分かれて入院しています。

Img_7600 5枚目。11th Streetと、Walnut Streetの交差点から南側を撮影。左手に写っているのが、滞在していた Martin Hall。11th Streetには路面電車が走っていた線路が残されていますが、実際にはもう使われていません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 2日 (火)

フィラデルフィアの風景+α 36 Hawk Mountain 2

Img_7574 いくつかのビューポイントを経て辿り着いた山頂付近は完全に岩場です。

Img_7579 山頂からは広々とした景色を眺める事ができます。垂直に立てられた棒の先端に鳥の姿が。望遠レンズで確認するとミミズクのようです。微動だにしないこのミミズク、本物なのか模型なのか…しばらく眺めていましたが、結局わかりませんでした。顔を向けている方は断崖。前に回り込むことはできません。

Img_7581 山頂からは岩場下り。ペンキでのマーキングはたくさん施されていて道に迷うような心配はありません。しかし、簡単なトレッキングと思っていたら、かなり本格的です。下った後も、道は岩だらけ。足の裏が痛いこと、痛いこと。本来なら厚底のトレッキングシューズが必要な道でした。

Img_7585 岩だらけの道をヒーヒーいいながら歩くうち、谷間に出ました。河原のような一面の岩の広場が広がっていますが、一滴の水も流れていません。その名も、River of Rocks 。なかなか不思議な光景であります。

Img_7587 Hawk Mountainの名の通り、多くの鳥類を観察できる山のはずでしたが、ついぞHawkには出会えぬまま。約4時間のトレッキングを終えて、駐車場に戻ってきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月29日 (土)

フィラデルフィアの風景+α 35 Hawk Mountain 1

 翌朝ストラスバーグを後にして、レンタカーで出発。 あえて高速道路を避けて北部の Reading(レディング)を目指します。Dutch Counrtyの田舎道では、教会に向かう Amishの人たちの馬車や二輪車に頻繁に行き会います。路肩が広くない道路での馬車の追い越しは慎重になります。

Img_7561Img_7563 北に向かうと馬車は見かけなくなり、アメリカの普通の田舎の風景になってきます。山裾にあるReadingの町で車を停めて散策してみますが、日曜の朝という事もあり人影もまばらで、面白みがありません。山の上に Japanese Pagodaがあると、ガイドブックLonely Planetに書かれていたので、向かってみましたが、イベントのため山に向かう車道が封鎖されており、見ることができませんでした。

Img_7565 Reading から更に北上し、ハイウェイから右に折れ山間部に入っていきます。ゆるやかなワインディングロードを快調に走ると峠付近に Hawk Mountain への入口があります。管理事務所前の駐車場に車を停め、入山料を払ってハイキング道へ。ゲートでチケットのチェックを受け、先に進みます。

Img_7569 久しぶりの山歩きで自然を満喫。木々の間を進む山道は整備されて快適快適…と思ったのも束の間。稜線に近づくと俄然足下は岩場になってきました。

Img_7573  View Pointがいくつかあり、視界が開けますが、見えるのは自然ばかり。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月26日 (水)

フィラデルフィアの風景+α 34 Strasburg Rail Road 4

Img_7542 いよいよDinner Trainへの乗車が始まりました。両側に4人テーブルが並んだ食堂車は満席の大盛況。私の向かい側にはピッツバーグから旅行に来た御夫婦が座りました。向こうも鉄道好きらしく(まあ、こんな所に来るぐらいですから…)、鉄道話で盛り上がりました。

Img_7546 今日の食事は、Amishの伝統的な料理。まずパンが出てきて、ターキーとハムに、付け合わせとしてマッシュトポテト(ドイツ風ですから)、コーンなどがメインディッシュ。飲み物はレモネードか、甘ーい紅茶のチョイス。(おかわり自由。) アルコール飲料はありません。 デザートは、甘ーいチョコレートソフトクッキーか、Whoopie pie のチョイスとなります。

 食事と、歓談を楽しむうちに19時となり、列車はゆっくりと発車。西日の差す中、広大な丘陵の脇を進みます。車窓には農地や、牧場が広がります。途中とうもろこし畑で構成された巨大迷路がある観光施設が。The Amazing Maize Maze と駄洒落たネーミングです。

Img_7557 路線は左のカーブが続き、約180度向きを変えた所で進行右手にAmtrakの走行する路線が近づいてきます。ここがStrasburg Railroadの終点ですが、どちらの鉄道もここには駅は設置されておらず、こちら側から列車に乗る事はできません。切り離された機関車が、機回し線を通って反対側に再度連結され、列車は向きを変えて Strasburg East 駅に戻っていきます。行きと同じ景色をみながらまた20分乗車。19時45分に終点に到着です。

Img_7499 ちなみに、この日の日中ですが写真のような列車が走っていました。機関車トーマスに仕立てられた蒸氣機關車が活躍。駅には仮設トイレが立ち並び、臨時のトーマスグッズ売店ができていたり、さぞや大賑わいだったのだろうと思われます。(写真は、Amish の村を巡るツアーの途中、踏み切りで偶然遭遇したときに撮影したものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月23日 (日)

フィラデルフィアの風景+α 33 Strasburg Rail Road 3

Img_7523 Strasburg East 駅に戻り、駅の施設や車両を見学します。ちょうど到着した列車から蒸氣機關車が切り離され、機回し線を走って行く所でした。

Img_7535 反対側に回った蒸氣機關車は、客車の先頭に連結されます。往路はバック運転になるようです。家族連れが記念写真を撮っている合間を塗って機関車を撮影。

Img_7530 ホームのチケット売り場に行って、インターネット予約の控え見せ、乗車券に引き換えます。Dinner Trainは19時の発車ですが、客車への乗車は18時15分に開始されるとの事です。

Img_7539 乗車開始を待つ間に、他の客車を見学。木造のクラシカルな車両。モケット張りのシート。車端部にはストーブが設置されていました。窓が無いオープン車両もあります。

Img_7540 古き良き時代のアメリカの鉄道を感じる事ができます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月20日 (木)

フィラデルフィアの風景+α 32 Strasburg Rail Road 2

Img_7522 Strasburg Railroad は短い保存鉄道で、蒸氣機關車やかつての Pennsylvania Railroadの客車たちが動態保存されています。子供たちが夏休みに入った6月下旬だったので、日中は子供向けのイベント Thomas Day が行われていました。 19時の Dinner Trainを予約してありますが、まだ時間があるのでレンタカーで周囲を巡ってみる事にしました。

Img_7517 駅から少し東側に行った所に踏み切りがあります。隣接してちょっと変わったモーテル(アメリカのそれはいかがわしい物ではありません)があり、見物に行きます。

Img_7520 この Red Caboose Motel 、宿泊の部屋は全て鉄道貨車を改造したもので、線路の上に据えつけられています。夏休みの週末とあって家族連れで大変賑わっていました。今日は一人旅ですが、家族と一緒に来るなら、こんな宿泊施設はとっても楽しいでしょうね。

Img_7521 踏み切り付近から望遠で Strasburg East 駅を俯瞰。構内にはたくさんの側線があって、機関車や客車、貨車など様々な車両が見えます。駅の傍らには大きな給水タンクがあります。蒸氣機關車は石炭と水で動くので、給水設備は不可欠な物です。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月17日 (月)

フィラデルフィアの風景+α 31 Strasburg Rail Road 1

Img_7559 Pennsylvanian Dutch Countryの中には、いくつもの小さな町が点在しています。中には Intercourse などというとんでもない名前の町もあり、土産物でも   "I love Intercourse"などと書かれたグッズが売られていたりします。

Img_7515 Lancasterの南東にあるStrasburgもそんな小さな町の一つで、2800人ほどの人口です。今日はこの小さな街にある、Carriage House Motor Inn に宿泊予約をしています。宿は町を東西に貫くメインストリートに面しており…といっても1枚目の写真のようなロケーションですが、個室が横にずらっと並んだ長屋のような作りになっています。木造平屋で簡素な建物。車は自分の部屋の前に停める事ができます。奥の方には事務所の建物があり、簡単な朝食もここで提供されます。無料のWiFiサービスは事務所の周辺だけで利用可能で、AndroidケータイのSkypeを使って日本に戻った家族との通話もできて便利でした。事務所の裏にはちょっとした広場があって、日が暮れた後はたくさんのホタルが飛んでいました。

Img_7526 この町の名所といえば、アイスクリーム店と、保存鉄道 Strasburg Railroad、鉄道博物館 Railroad Museum of Pennsylvania です。

Img_7527 チェックインを済ませて、すぐに宿から東に3分ほどの場所にある Railroad Museum of Pennsylvania に行ってみましたが、残念な事に17時で終わっていました。明日日曜日は正午からの開館となっており、見学の機会を逸してしましいました。建物の外に展示してある車両群や、窓越しに中の展示を眺めます。かつてPennsylvania州を中心に、大きなネットワークを誇っていたペンシルバニア鉄道の車両が主として展示されているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧