カテゴリー「スコットランドの写真を少々」の11件の記事

2014年4月10日 (木)

スコットランドの写真を少々11(完) グレン・コーと夜のエジンバラ駅

2013年11月14日(木)

Img_8716 ハイランド地方とはこれでお別れ。午後からは一路エジンバラを目指します。道はグレンコーという渓谷を抜けていきます。氷河に刻まれたU字谷、荒涼とした山の風景。こんな雄大な景色の中を車で駆け抜けていきます。奥日光の戦場ヶ原から、金精峠あたりの光景を思い出しました。

 途中からはObanからの線路に近づきます。谷の向こう側をディーゼルカーが走って行くのを見ることができました。

 いずれにしても、フォートウイリアムを出発してから80マイル。Callanderで初めて町らしい町がありますが、そこまでは殆どが無人の荒野。確かにこんなところで交通事故を起こしたら大変な事になるなあ。

Img_8722 スターリングからようやく高速道路に入り、とっぷりと日が暮れてからエジンパラのホテルに到着しました。

 明日の早朝には空港に向かわないいけないので、わずかな時間で市街地を散策します。丘陵地に密集して建設された市街地は、立体迷路のようです。

Img_8721 エジンバラ駅の上をまたぐ橋から、ライトアップされたエジンバラ城を遠望します。駆け足の日程で、全く余裕がありませんでしたが、今度この町に来ることがあればぜひ訪問したいものです。

 というわけで、やや唐突ですがスコットランド編はこれにて終了です。

 

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2014年4月 3日 (木)

スコットランドの写真を少々10 ベルフォード病院

2013年11月14日(木)
Img_8692 フォート・ウィリアム周辺地域唯一の急性期病院 Rural General Hospital が、ベルフォード病院 Belford Hospital です。この日は、GPかつ内科専門医という珍しい経歴を持つ Dr. Byrneから、病院のアウトラインや、この地域特有の問題(山岳道路での交通事故、山岳スポーツでの外傷)、病院の経営改善のための診療システム改革など、様々なお話を聴くことができました。
Img_8693 病院では、毎朝内科医師、外科医師、初期研修医、看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどの多職種に加え、地域のGPも参加して、Board Roundが行われています。Board Roundではその名の通り、ホワイトボードを使って、その時までに新しく入院した患者さんの治療方針を話し合います。

 また、外科と内科に分かれていた病棟構成を見直し、CAU Combined Assessment Unit、Step Down Unit、DCU Day Case Unit として機能別に再編。科の垣根を越えて多職種が共同で診療を行いやすい環境にしました。
 この取り組みを始めてから、病院の在院日数が短くなり、救急入院の増加を果たしながら、ベッド数の削減を実現する事ができ、経営状態が大きく改善したそうです。

 病院の設置は公的保険である National Health Serviceが行なっていますが、経営面でのプレッシャーは常にかけられているそうです。

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 会議室の窓からはフォートウイリアムの町と、リニ湾を眺める事ができました。少し晴れ間が出てきたようです。

 

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2014年3月27日 (木)

スコットランドの写真を少々09 フォート・ウィリアムの駅と要塞跡

2013年11月14日(金)

Img_8679 昨日の雨も上がりました。雲はまだ多いですが。この日のセッションは10時開始なので、朝食後町の散策に出かけました。宿泊したホテルから道を渡った反対側がScotrai 西ハイランド線の Fort William 駅です。

 西ハイランド線の線路はこの駅でスイッチバックになっており、右手に行くとエジンバラ方向、左手に行くとスカイ島方面への船便が出ているマレイグ Mallaigに至ります。

Img_8680 午前8時過ぎ、終点マレイグ行きの列車が1番線に停車していまじた。2両編成のディーゼルカー。気分的にはこのまま乗って行きたいところですが、残念ながらその時間はありません。マレイグまでの列車は1日わずか4往復で、所要時間は1時間23分ほど。この8時30分発の列車の次は、12時12分までありませんが、乗客の数はまばらです。

 ロンドンからはなんと直通の夜行列車 Caledonian Sleeper がこの駅まで来ています。21時ごろにロンドンを出て、9時55分到着ですから、所要時間は約13時間。意外に近いと感じます。

 駅の隣は大きなスーパーマーケットがあり24時間営業のようです。おみやげ用のショートブレッドなどを買い込みます。Walkersが有名ですが、最近は日本のスーパーでも普通に売ってますので、他のブランドのものを購入。

Img_8681 その後入江のほとりにある砦の跡へ。17世紀のイングランド内戦の時に作られ、オレンジ公ウイリアムの名前にちなんでウイリアム砦と呼ばれるようになったとのこと。今では町の名前にもなっています。

  砦跡の石垣の上から細長いリニ湾 Img_8684Loch Linnheを望みます。この湾をずっと南西方向に進んでいくと大西洋です。

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2014年3月20日 (木)

スコットランドの写真を少々08 フォート・ウィリアムの診療所

2013年11月13日(火)
 ネス湖を過ぎるとなんとなく分水嶺を越え、大西洋側に下っていきます。オイック湖、ロッキー湖と細長い湖が続きます。これらをつなぐのがカレドニア運河で、黒海と大西洋の間の船のバイパスになっています。
Img_8665 入江の町フォート・ウィリアムは、人口約10000人。英国最高峰のベンネビス山の麓にあります。夏は山登り、冬はスキーが楽しめ、オフロードバイクのトライアル大会(Scotland Six Days Trial)や、スキー場を利用した自転車でのダウンヒル大会などが開催され、町は大賑わいになるそうです。
 この町のGP surgery(診療所)は、町の中心部から東に車で5分ほど離れたところにある Fort William Health Centre内に設置されています。1枚目の写真はその玄関と、ベンネビス山を何とか一枚におさめたもの。
Img_8671 昨日までは天気に恵まれたものの、天気が崩れて今日は冷たい雨が降っています。もっともこれが本来のスコットランドの天候なのです。
 2枚目の写真は診療所の受付です。右と左に受付がありますが、それぞれが別の診療所。左側が今回見学させていただいたTweeddale診療所。右がCraig Nevis診療所です。このような一つの建物内に複数の診療所がテナントとして入るのは、よく見られることです。

Img_8673 3枚目。待合室の構造も左右対称です。このパープルの照明は、インヴァネスのCentre for Health Scienceでも使われていました。こういう難しい色を使って、ケバケバしくなくおしゃれな雰囲気に仕上げられるのが素晴らしいですね。ここでも表示はゲール語、英語併記に

  診療所の代表を務めるダグラス先生からは、診療や生涯教育だけでなく、この土地での生活の楽しみなど、たくさんの有意義な話を伺うことができました。へき地医療のマインドは、世界中どこにいっても共通です。

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2014年3月13日 (木)

スコットランドの写真を少々07 ネス湖

2013年11月13日(水)
 インヴァネスで2泊しましたが、市街地を見て回るような時間は残念ながらありませんでした。歴史のある、趣のある街のようですが。この日はフォート・ウィリアムまで移動し、ホテルにチェックインしたあと、夕方からGeneral Practitionerの診療所を見学させていただく日程です。
Img_8637 インヴァネスInvernessとはネス川の河口という意味です。川を遡って行くとネス湖につながっています。ネス湖はイギリス最大の淡水湖です。地図を見ると、インヴァネスからフォート・ウィリアムにかけてが裂け目のようになっており、内陸部に細長い湖がつながっています。実際この地形は、大西洋岸と黒海側をショートカットする運河として利用されています。
Img_8639 ネス湖といえばネッシーで有名です。ネス湖のほとりには、The Loch Ness Centre and Exhibitionという施設がありまして、ネッシーに纏わる様々なレポートを年代順に見ることができます。その内容は、「いるわけないじゃん」的な情報が多いのです。爬虫類が住むには温度が低すぎる、餌となる魚の数が多くないのでそんな大きな動物が生育できるはずが無いとか。しかし最後の展示では、「ネッシーが居るのか居ないのか、決めるのはあなた自身です。」と丸投げにされて終わりました。
Img_8653 ネス湖のほとりには、廃城となったアーカート城があります。時間も限られていますが、せっかくなので駆け足で訪問。まず城の歴史を解説する映画を鑑賞したあと、城跡へと降りていきます。城の建物の中も公開されており、狭く急な階段を登って塔の上まで行くことができます。
Img_8657 西へ進むと道は緩やかなワインディング・ロードとなります。前方には雪山が見えてきました。天気はいよいよ悪くなり、冷たい雨が降って、スコットランドらしくなってきました。 

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2014年3月 6日 (木)

スコットランドの写真を少々06 インヴァネスのCentre for Health Science

2013年11月12日(火)
Img_8562  インヴァネス市は人口約6万人ですが、ハイランド地方最大の都市です。アバディーンから100マイルも離れていますが、途中に大きな街はひとつも無いのです。
Img_8565 Centre for Health Scienceは、大変ユニークな施設で、アバディーン大学医学部、ダンディー大学歯学部、スターリング大学看護学部、グラスゴー美術学校などの教育機関のサテライトキャンパスと、血糖測定器具会社のライフスキャン社、NHS Scotlandの事務所、教育セクションの事務所、リサーチセンター、図書館、シミュレーション教育センター、糖尿病クリニック、歯科クリニックなどが、ひとつの建物の中に入っています。シミュレーションセンターでは実習の真っ最中。邪魔にならないように、扉の小窓から中を覗いてみました。
Img_8584 学生たちは本学から離れていても、充実した施設を利用して教育を受ける事ができるのです。隣接地には、ハイランド地方の三次医療を一手に担うレイグモア病院があり、臨床実習はそちらで行われます。
 2009年に完成したたてものはとってもおしゃれ。案内表示は英語だけでなく、スコットランド・ゲール語でも書かれています。
Img_8609 この日は一日中センター内で過ごしました。朝は施設内を見学し、昼前からはハイランド地方における、医師の卒前卒後教育の工夫についての説明を受けました。その詳細な内容については、月刊地域医学2014年2月号の特集記事で執筆しています。

 センターの会議室の窓から眺めると広々とした緑地が見えました。素晴らしい環境です。

 

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2014年2月27日 (木)

スコットランドの写真を少々05 道路脇のドライブイン

2013年11月11日(月)
Img_8550 昼過ぎまでにアバディーン大学の視察を終え、今度はインヴァネスに移動です。市街地を抜けると、ひたすらのんびりとした丘陵が続きます。移動中に昼食を摂ろうと思っていました。ところが沿道には店が全くありません。
Img_8551 1時間以上も走ったところで、1軒のドライブインを発見。やっと昼食にありつけそうです。
駐車場に車を停めて周囲の写真を撮影。アバディーンとインヴァネスを結ぶ幹線道路A96ですが、このお店以外、周囲には何も無いのです。
Img_8554 店の半分は土産物などを置いた売店。奥側がレストランになっています。スープとサンドイッチのセットを注文。スコットランドの昼食としては、定番の組み合わせのようです。サンドイッチのパンはホワイトかブラウンを選べます。背後に写っているドリンクは、Ginger Beer。ジンジャーエールみたいな感じですが、酵母で発酵されているので、微量のアルコールを含みます。

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2014年2月20日 (木)

スコットランド写真を少々04 アバディーン大学 Sattie Centre

2013年11月11日(月)
 診療所の見学の後は、アバディーン大学のForesterhillキャンパス内にある医学部の教育棟 Sattie Centreに移動。内部を見学させていただいたり、大学での医学生教育の取り組みについてお話を伺いました。
Img_8530 1枚目。Sattie Centreの外観の写真です。おしゃれな建物で、1階のロビーには学食も併設されていました。
Img_8533 2枚目。吹き抜けのホールを取り巻くように施設内の部屋は配置されています。シミュレーションセンターや講堂などもこの中に組み込まれています。
Img_8545 3枚目。ロビーですが、椅子の色使いも場所ごとにコーディネートされていて、おしゃれな感じですね。
Img_8547 4枚目。廊下の戸棚も白黒とカラーを組み合わせてデザインされています。こんなおしゃれな学校で勉強したかった??
Img_8539 5枚目。センターの屋上に出ました。山側の景色。紅葉が美しい。
Img_8540 6枚目は反対側。大学の建物群のかなたに、北海を望みます。

 

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2014年2月13日 (木)

スコットランドの写真を少々03 Foresterhill Health Centre

2013年11月11日(月)
 アバディーン市は人口約20万。北海油田の開発の中心として、スコットランドで最も勢いがある都市の一つです。また、これより北には人口10万人を超えるような大きな都市はありません。ここはハイランド地方には入りませんが、アバディーン大学では、ハイランドの中心都市インヴァネスをベースとする医学生教育のコースを持っており、ハイランド地方での医師養成に大きな役割を担っています。
Img_8512 1枚目。そんなアバディーン大学のForesterhillキャンパスに隣接して、Foresterhill Health Centreがあります。手前の低い建物がセンターで、後方のビルは大学病院です。
 センターには複数のGP(家庭医)診療所と、1か所の薬局が入っています。市街地の中心からは離れていて、他の調剤薬局の利用が不便なため、施設内で薬をもらえるようにしているとのことです。
 イギリスの医療はNHSという国の健康保険サービスが主として担っていて、NHSを利用して医療サービスを受ける場合は、必ず自分が登録したGPに受診する必要があります。(救急の場合は病院の救急部門 A&E = Accident and Emergency を利用することもあります。)およそ人口5000人に対してGP診療所1か所が配置されています。建物はNHSが所有しており、その中でテナントとして診療所が入っているようです。大学に隣接していますが、大学の付属施設ではありません。
Img_8519 2枚目は診療所の待合室です。日本の待合室と似ていますね。アメリカでは患者さんが診察室に先に入っていて、そこに医師や看護師が行って診察をするスタイルですが、イギリスでは日本と似ていて、医師が自分の診察室に患者さんを呼び入れる形になっています。
Img_8522 3枚目。診察室の中です。診察台は頭の方を高くすることができます。床には体重計が置かれていました。

 

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2014年2月 6日 (木)

スコットランドの写真を少々02 セント・アンドリューズ

2013年11月10日(日)
Img_8476 1枚目。日曜日なので日中公式の予定は無く、夕方までにアバディーンに到着すれば良いので、比較的のんびりと走る事ができます。A90からA92で東へ進路を取り、グレンロセスから田舎道へ。Kettlebridgeとか、Kingskettleとか何だか奇妙な地名の村を抜けていきます。沿道には牧場や畑が広がり、羊が見えたり、本当にのんびりとした光景です。

 久しぶりに町らしいクーパーCuparでA91に進み、更に東へ。セント・アンドリュースSt. Andrewsの町にやってきました。

Img_8481 2枚目海辺近くの駐車場に車を停めました。ここで昼食休憩です。

 干潮のようで海岸には広い砂浜が広がっています。この海は北海です。影が長く伸びてまるで夕方のようですが、まだ昼の12時30分です。北緯56度。樺太(サハリン)よりも北に位置します。午後4時には日が暮れてしまいます。

Img_8493 3枚目。崖の上の平地に古い趣ある建物が密集し、その隣には整備された広大な芝生が広がっています。ベビーカーを押したお母さんも散步していますが、ここがゴルフをされる方には憧れの地らしいセント・アンドリューズ・リンクスの一部だそうです。全英オープンの会場として有名だそうですが、試合が無ければこうやって誰でも立ち入る事ができるというのが驚きです。

 ここからアバディーンまでは私が運転担当。ダンディーDundeeで再びA90に入ると、制限速度70マイルの高速道路をまっしぐら。イギリスは日本と同じ左側通行ですが、高速道路と思っていても都市部に入ると急にラウンドアバウトが出現しますので、標識をよく見ておかないとびっくりします。

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