カテゴリー「RCGP OHSU UH 訪問記録」の36件の記事

2012年3月21日 (水)

RCGP OHSU UH 訪問記録36 完・まとめ

2011年11月6日日曜日~7日月曜日

 日曜日夕方にホノルルから飛行機に乗り、羽田に着けば月曜日の22時。何だか丸1日損したようだが、積み重ねた24時間の時差を纏めてリセットするのだから仕方ない。体調を崩す事も無く長旅を無事に終える事ができた。このような貴重な機会を与えていただいた事、各都市で我々に時間を割いてくださった多くの方々に心より感謝したい。

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 ロンドンのRCGP本部では、イギリスのプライマリーケア医の養成システムについて学び、実際の現場である診療所を見学した。医学教育や卒後研修、そして診療システムは比較的日本と類似していた。

 国全体としてプライマリーケアが重視され、過半数の医師が進路として GP General Practitioner を選択し、社会的にも優遇されているという状況に目を見張った。卒後研修の評価システムは大変しっかりしており、生涯教育のシステムについても見習う点が多々あると感じた。

 プライマリーケアの現場では、医療リソースが非常に制限されており、 五感を駆使した診療は、医師としての基本的な実力を問われる厳しい環境とも言える。病気の初期は症状や所見が揃っていない事も多く、初期診療ほど診断は困難なのである。

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 2003年、2008年に続いて、3度目の訪問となったオレゴン健康科学大学では、顔なじみの方々との交流を深める事ができた。

 今回個人経営のクリニックを見学できた事は大変興味深かった。顧客獲得に対する意識は大学付属クリニックとは異なると感じた。前回訪れたリーズポートのクリニックも個人経営ではあるが、田舎と都会では、同じ家庭医療やプライマリーケアでもかなり切り口が変わるのだと実感した。

 ユナイテッド航空の機内誌には、アメリカ大都市の専門医クリニックの広告が掲載されており、こういう場所では東京と同じようだなあ…という印象も受けた。

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 ハワイ大学では、同じ米国内ながら、また別の面を見る事ができた。コンパクトな医学部のみのキャンパス。充実したシミュレーション施設と、優秀な指導者。私立のオープン病院を利用しての臨床研修。病院の経営・運営と、大学教育は完全に切り離されており、大学の教員も病院そのものには影響力を行使できないのは、意外なことだった。

 私の日程は短かったため、十分に病院内部や臨床教育の様子を見ることができなかったのは残念だった。きちんと内側を知るためには、単身で飛び込んでいく事も必要だろう。

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2012年3月12日 (月)

RCGP OHSU UH 訪問記録35 Hanauma Bay

2011年11月6日日曜日
Img_6770  長かった世界一周視察もいよいよ終了。帰国の日を迎えた。私はホノルル夕方発の羽田便に搭乗するので、昼過ぎまでは自由行動となる。チェックアウト時間までに土産などの買い物を済ませる。ハワイに来てから初めてかんかん照りの好天に恵まれるが、水着は持ってきていないし、部屋もチェックアウトしてしまったし…。それにしても集合時間までにはまだ4時間以上。余裕がありすぎるので、思い立って3年前には素通りしてしまった Hanauma Bay に行って見る事にした。
 Hanauma  Bayに行くためには22番のThe Busをつかまえれば良い。時刻表を確認すると、0時30分に現地着、14時に現地発のバスで戻ってこれる事がわかった。
Img_6787  島1周バスと違い、車内は観光客ばかり。日本人が多いオアフ島だが、乗客は白人が殆どで、日本人は極めて少ない。

 ダイヤモンドヘッドの麓を抜け、Hawaii Kai を過ぎ、Hanauma Bayの外輪山を登る。右折して少し下った所に駐車場とバス停がある。日曜日だが、駐車場は満車には成っていなかった。ビーチへのゲートはやや離れており、散策しImg_6801 ながら向かう。カルデラが沈降してできた巾着湾の様子は高台からの方が分かりやすい。

 入場料を払ってもすぐにはビーチに行くことはできない。湾の自然保護のための注意点を伝える10分ほどのビデオを見る事が必須となっている。次の上映は13時からとの事でそれまでは展示室を見学したりして時間を潰す。ビデオはもちろん英語だが、入場時に希望すれば日本語を含む各国語での解説音声が流れる端末を貸してもらえる。とはいえ、平易な英語だから無くても特に困らない。サンゴ礁に触ったり、立ったりしない事。動物に触ったり、餌をあげたりしない事など、湾の生態系に影響を与えないようにというのが主な注意点だ。

 ビデオを見終わるとようやくビーチに降りる事ができる。海の透明度は高くサンゴ礁の様子が海面下によく観察できる。惜しむらくは、革靴にスラックス、長袖ワイシャツという、あまりにも場違いな我が服装である。シュノーケルセットを持ってきていればなあ…。

 20分ほどビーチをうろうろしたら、もう帰る時間である。かんかん照りの中、坂道を歩けばすっかり汗だくになる。

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2012年3月 6日 (火)

RCGP OHSU UH 訪問記録34 Queen's Medical Center 見学

2011年11月5日土曜日

 午後からはThe Queen’s Medical Center を見学した。急性期505床、亜急性期28床からなるハワイ州最大の民間三次救急病院であり、ハワイ大学医学部 JABSOMにとっては最大の臨床教育病院である。1200名の医師が関与しているが、オープンシステムとし て、基本的にはハワイ大学など外部所属の医師が契約に基づいて診療を行う形となっている。病院の経営者から見れば、勤務している医師は契約労働者であり、病院経営に関する発言権は無いという点は日本と大きく異なる。

 病院の玄関近くで建物の全体写真を撮ろうとカメラを構えていたら、警備員がやってきた。何だかまずい雰囲気だ。「誰に撮影許可を得たんだ。」と言われる。患者さんのプライバシーを確保するために、ここで写真を撮影してはいけないと言う。大変神経質になっているようだ。無用なトラブルを避けるため、謝罪してカメラはバッグに収納した。そのため、残念ながら病院内外の写真は撮影する事ができなかった。

 薬の処方は院外処方だが、院内にも(院外)薬局が設置されている。処方箋を持参すれば、ここでも投薬を受ける事ができる。入院患者さんたちが、退院する時も処方箋を交付されるので、それを持って薬局に行き調剤をうける形との事である。

 救急室(ER)を見学した。廊下にはあまり物が置かれておらず整然としている。しかし処置室が足りないためか何台かのストレッチャーとモニター装置は廊下に配置されている。繁忙時に使用されるそうだ。

 救急室に歩いて来院(ウォークイン)する患者さんの出入り口には数名の警備員が常駐している。更には空港のセキュリティーエリアの様に金属探知機のゲートも設置されている。受診者は一旦トリアージルームに入 りトリアージナースによる問診・トリアージを受ける。

 トリアージルーム前に立っていたら、またまた警備員がやってきて「患者の視界に入る場所に立たないように」と注意された。かように病院内での行動には注意を要する。救急車用の出入り口は別に作られており、直接処置室に運び込まれる。

 各処置室は中央のスタッフルームを取り巻くように配置されている。出入り口はスタッフルーム側にしか無いので、患者さんも付き添い家族もスタッフ ルーム内を行き交う事になる。ドラマERなどでも見覚えのある光景だ。患者さんのプライバシーに神経質な警備員と、ERのこの 構造は随分とアンバランスな気もしないではない。処置室は重症度に応じて使い分けされているとの事。

  ER内には、FT (Fast Track) という部屋がいくつかあり、軽症者はそこで診療が行われる。FTとERの他部署との間は隔てられていない。一方隣接する 精神科救急室 Psychiatric ERとの間のスタッフ通路は施錠、隔離されている。

 ERの医師の勤務は交替性で、勤務の変わり目で情報が途切れることが無いよう勤務時間はオーバーラップしている。勤務時間中は激務だがoff になれば呼び出される事も無くメリハリがある。また入院後の患者さんのケアは、Hospitalist と呼ばれる、入院・病棟管理専門の内科医の担当となるため、入院させたER医師は関与しない。

 次にMICU Medical Intensive-Care Unitに向かった。数人ずつのグループに分かれて見学する予定だったが、最初のグループが入った所で、ちょうど処置が始まってしまったとの事で、残念ながら私は見学する事ができなかった。

 きちんと内部を知ろうと思ったら、やはり短期間の滞在では難しいようだ。

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2012年3月 3日 (土)

RCGP OHSU UH 訪問記録33 一周バスと Turtle Bay

2011年11月5日金曜日

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 本日の公式日程は昼からで、午前中は自由行動と伝えられた。天気予報では曇りで風も強く、気温はやや低めとの事。ネットで調べ、早起きしてオアフ島を路線バスで一周してみる事にした。

 島内一周バスThe BUS52番と55番。アラモアナショッピングセンターの北側のバスターミナルからの出発し、同じ場所に戻ってくる。全行程は約4時間半。右側通行の道路から海を眺めるため、反時計回りのルートを選択した。

 宿泊先のホテルから歩いてアラモアナに向かったが、意外に遠い、途中やってきた路線バスに飛び乗り、地図を見ながら適当に下車。最後は小走りでようやく間に合った。

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 オアフ島の The BUS は一乗車2.5ドルで、無料で一回乗り継ぎが可能。先程1回バスに乗ってしまったが、乗り継ぎ券をもらっているので、それで次のバスには無料で乗ることができる。

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 冷房の効いた車内は思いの他冷え冷えとしている。座席もプラスチックなので、長時間の乗車向きでは無い。北部区間では宿泊先とビーチの間に利用する観光客がいるが、概ね地元の足として利用されている。バスの前部には自転車キャリアがある他、乗車口にはリフトが付いているなど、障害者にも優しい作りになっている。

 

 Pali ハイウエイ経由で峠を越えてカネオヘKaneohe へ。Windward Shopping Centerの前を抜け、Sand Barへ向かう船着場を通り、Chinaman's Hat へ。見覚えのある光景に懐かしさを覚える。

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 その先も北上を続け約2時間10分でオアフ島北端のタートルベイに到着した。バスはここで10分間休憩し系統番号が変わるが、そのまま乗り続ける事もできる。しかし、私はここで一旦下車する事にした。

 

 高級リゾートホテルが建つタートルベイ。.ホテルのエントランスから内部を抜けて海岸へ。ノースショアの波は高く、サーファーが波乗りを楽しんでいる。岩場なのでここでは海水浴はできない。肌寒いのにホテルのプールは案外賑わっていた。

 

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 散策しながら写真を撮影し30分後のバスに乗車。改めて2.5ドル支払い、乗り継ぎ券をもらう。

 ハレイワ Haleiwaの町を抜け、ドールのパイナップルプランテーションを横目に丘陵地帯を走る。最後はフリーウェイに入り、エンジンを唸らせながら高速で爆走。チャイナタウンや、カメハメハ大王の像の前を通るうちに、満員すし詰め状態に。昼頃無事アラモアナセンターに帰って来た。わずか5ドルで楽しめたオアフ島ツアーであった。

 

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2012年2月29日 (水)

RCGP OHSU UH 訪問記録32 シミュレーションセンター SimTiki 見学

2011年11月4日金曜日

Img_6648 JABSOM構内のカフェテリアで昼食を摂る。アメリカならではのボリュームを警戒し、ハンバーガー単品のみとした。マスタードやケチャップなどは、購入後に自分の好みで好きなだけかけるシステムである。

Img_6650 午後からはハワイ大学の誇るシミュレーションセンターSimTikiのセンター長Benjamin Berg医師から、シミュレーション教育の目的や実際について説明を受けた。講義は英語だが、スライドは訪日時に作られた日本語版となっていた。OHSUでも使われていたが、聴講者に予めリモコンを渡しておき、クイズ形式で投票させるなど、飽きさせない工夫がなされていた。

 シミュレーション教育の活用分野としては、侵襲的処置の技術トレーニング、緊急時における意思決定のトレーニング、チーム医療のためのトレーニング、例えば遠隔医療の評価ツールとしてなど研究目的での利用などが挙げられる。FunSim ( Fundamental Simulation Instruction Method )という活動を通じて、国際的にシミュレーション教育のインストラクター養成活動も行われている。

 その後、同じ建物内にあるシミュレーションセンターに移動した。

Img_6655 まずはコンピュータ制御で心拍数・血圧・動脈血酸素飽和度などのバイタルサインや、心電図を変化させる事ができるマネキンを体験。ショック状態に対する血管確保や、呼吸状態の悪化に対する酸素投与・気管内挿管、致死的な不整脈に対応するための直流除細動など、心肺蘇生のトレーニングを行った。マネキンはマジックミラーで仕切られた別室からコントロールする事もでき、見えない所から研修者の動作を観察・評価する事ができる。

Img_6658 この他、気管支鏡や内視鏡手術のトレーニング装置など、いくつかのシミュレーターを実際に経験した。これらのシミュレータでは観察の練習のみならず、処置や手術などもトレーニングする事ができる。2次元画像を見ながらの立体操作は、実際に普段の消化管内視鏡処置で慣れてはいるものの、掴んだ物を回転させて、溝にはめるなど、とても細かな作業も多く意外に難しかった。

 シミュレーション教育ではハードもさることながら、これらを利用した教育のプログラムや、緊急医療のシナリオなど、ソフト面こそが重要であり、それを指導するインストラクターが鍵を握る。単に機械を用意しただけでは活用が難しいという事も実感された。

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2012年2月26日 (日)

RCGP OHSU UH 訪問記録31 UHでの海外研修契約とフリーディスカッション

2011年11月4日金曜日

Img_6602 講義の後、ハワイ大学の Hedges医学部長と、町教授、地域医療振興協会の吉新理事長の三者間で、今後のハワイ大学での研修についての契約が結ばれた。家庭医療や老年医療などの分野やシミュレーション教育などについて、医師やコメディカルなどを対象に、最長3ヶ月間の海外研修を行っていく事になった。

 ひき続いてフリーディスカッションが行われた。町教授に、ハワイ大学内科で研修中の筒泉貴彦医師も加わった。

Img_6604 ハワイ大学でのレジデント(後期研修医)の生活や、大学の研修システムといった話題のみならず、民間医療保険制度、医療機関と医師間の医療費の分配、アメリカにおける医師やコメディカルの雇用形態など、非常に多岐にわたる話題について、大変有意義な意見交換が行われた。

 ロンドン、ポートランドと英語でのディスカッションが続いていたが、やはり母国語でのディスカッションの方が遥に楽であり、意思疎通も容易である事は改めて実感された。

 その後にJABSOM入口において記念撮影が行われた。

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2012年2月23日 (木)

RCGP OHSU UH 訪問記録30 町教授のレクチャー

2011年11月4日金曜日

Img_6511 午前中はハワイ大学外科教授を務める町淳二先生から日本とアメリカの医療や医学教育の比較、Generalist と Specialist 、医学と医学教育のグローバリーションなどについて、楽しい名言・迷言を交えた講義を受けた。

 ちなみに、町教授は、2012年春に新築拡大オープンする東京ベイ・浦安市川医療センターにおいて、米国の研修システムの長所を取り入れた研修医教育を行うべく、研修プログラム責任者をつとめる予定である。

 講義の内容のエッセンスを紹介する。

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 日本の医療の長所として、1 低医療費、2 国民皆保険、3 フリーアクセス、4 受療の平等、5 伝統的な"模範的"な患者さん:良い医師患者関係、6 高度先進医療 が挙げられる。一方短所としては、1 医療崩壊現象:勤務医の立ち去り型サボタージュ、2 大学医局の崩壊、3 医療の地域格差、4 医療費維持の限界、5 特定専門医:救急・産婦人科・小児科、6 救急医療体制の不備・不足、7 医師能力格差、8 国民の適切な情報不足・無関心、9 医療行政の不適さ を挙げた。一方日本の医療の長所は、アメリカの医療には欠けているものである。

 アメリカでは近年次のような変化が生じた。これらの変化は、5-10年後に日本でも起こるだろう。すなわち医療の将来を見据える事につながる。

 医療に関してはCureからCareへ、治療から予防重視へ、医師主役から患者主役へ、患者のお任せから 患者の参加・理解・承認へ、など。

 医学教育に関しては、受動的教育から能動的学習へ、知識や回答を教わる事から問題解決型へ、ベッドサイドでの見学から チームケアへの参加へ、教師による学生評価から相互評価へ、など。

 卒後研修については、ACGME Accreditation Council for Graduate Medical Educationにより6つの能力Competencies ( 1 Patient Care 2 Medical knowledge 3 Practice-based learning and improvement 4 Interpersonal and communication skills 5 Professionalism 6 System-based practice)が規定され、主治医制からチームケア制へ、上から教わる事から下を教える事による学びへ、各専門分野の自由選択からACGMEによる人 数制限へ、など。

 アメリカのシステムと日本の勤勉さ・モラルを合わせる事で、Best & Brightestな医療が実現できるだろう。

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2012年2月20日 (月)

RCGP OHSU UH 訪問記録29 JABSOM

2011年11月4日木曜日

Img_6504 ハワイ大学 University of Hawaii 視察団のうち14名は日本からの単純往復で、これに成田→ロンドン→フィラデルフィア(トーマス・ジェファーソン大学)→ホノルル組3名と、成田→ロンドン→ポートランド→ホノルル組の私が最後に加わった。総勢18名の大所帯で、一人だけ合流が遅れた事もあり誰がいるのかにわかには覚えきれない。職種は幹部医師、指導医、研修医、看護師、施設事務職員、本部事務職員など多彩であった。

Img_6505 この日はハワイ大学の医学部であるJohn A. Burns School Of Medicine (JABSOM)を訪問した。ハワイ大学の施設はハワイ州の各地に分散しており、3つのユニバーシティー、7つのコミュニティーカレッジ、そして2つの大学院大学などからなる。アメリカにおける医学部は4年生大学を卒業後に入学する大学院大学の扱いである。

 ワイキキ地区から西へ数kmの Kaka’ako の海岸近くにあるキャンパスは2005年の開設。近代的で真新しい建物である。エントランスを入ると立派な吹き抜けになっている。医学部単独であり、付属病院も持たないため、敷地が割とこじんまりとしている。

Img_6613  ホームページの記載によると、JABSOMはハワイ諸島と太平洋の島々で働く医師を育てる事を使命とし ており、ハワイ州で働いている医師の約半数がJABSOMの卒業、あるいは教員である。定員66名の医学部には1500人以上の受験者が殺到。常勤教員200名の他、1000人以上のボランティア教員が所属 しているとの事である。

 大学に付属病院は無く、臨床教育や臨床研修はハワイ州にある主要病院と提携して行われている。医学教育面では、Problem Based Learning (PBL) が熱心に行われている事で有名だ。臨床留学で頑張っている日本人の医師も多い。

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2012年2月17日 (金)

RCGP OHSU UH 訪問記録28 ホノルルへの単独移動

2011年11月3日木曜日
Img_6498_2  長い海外視察もいよいよ終盤戦。

 ポートランドユニオン駅で、他のメンバーと別れ、西吾妻福祉病院の伊藤先生と二人、成瀬さんに空港まで送っていただく。ロンドン-ポートランドと一緒に行動して来た他のメンバーはこの日夕方の飛行機で日本に戻るので、もう少しだけ自由行動。伊藤先生はデルタ航空の直行便で日本に戻る。現地3泊のとんぼ返りだ。私はこれからホノルルへ単独での移動となる。

 国際線に合わせて2時間前に空港にやってきたものの、ポートランド空港はさしたる混雑も無く、ターミナル移動も無いので時間には十分過ぎる余裕がある。ここからサンフランシスコまではユナイテッド航空、そこから先はコンチネンタル航空の便。2010年10月に合併した両者であるがまだシステムは統一されていないようだ。チェックインの際預け荷物はホノルルまでの控えを渡されたが、搭乗券を確認するとサンフランシスコまでの分しか無い。確認すると係の女性は「ちっ、コンチネンタルか」みたいな事を言って、隣のコンチネンタルのカウンターまで行って発券して戻ってきた。

 この空港は出発ロビーと到着ロビーが別れておらず(那覇空港に似ている)、ロビーに入る時はセキュリティーエリアを通らないといけないが、出るときは自由である。(もちろん警備員が立っていて、逆方向には進めない。) 動線のやたらに長いヒースローやシカゴと比べると、大変に楽ちんである。付加価値税の無いオレゴン州ゆえ、空港に免税店は存在しない。"Made in Oregon"やオレゴンワインのワゴンなど、お土産を買う事はできるが、ブランドショップは一つも無いので悪しからず。

 ポートランドからサンフランシスコまでは2時間弱。窓から見えるカスケード山脈はもう冠雪している。人跡もまばらな大地を眺めながら、クラマスフォールズまでの長い道のりを思い出す。

 サンフランシスコ空港は私にとっては、30年前生まれて初めての飛行機で着陸した思い出の空港のはずだが、着陸時の風景を見ていても思い出すものは全く無い。

Img_6501  ここからホノルルへは5時間ほど。夕暮れ迫る中離陸して太平洋上に出れば、あとはひたすら海の上で面白みはない。オアフ島の北東側から接近。大洋の真ん中の島に、きらびやかな街の灯が見える。パールハーバーの南側で右旋回しながらホノルル空港に午後7時前に着陸。ポートランドの時差は3時間だけなので、随分楽だが、考えてみると日本出発から9日間で19時間の時差を積み重ねてきた事になる。

 空港の外に出ると湿っぽい風が吹いている。ジャケットを脱いでも、たちまち汗ばんで来る。他のハワイ大学訪問メンバーは既に到着しているはず。タクシーでホノルルのホテルへ向かう。

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2012年2月14日 (火)

RCGP OHSU UH 訪問記録27 ポートランドの写真

Img_6443 今回はあまり風景写真を撮るような時間も無かった。1枚目はOHSUとSouth Water Front 外来棟を結ぶロープウェイTram 。一応公共交通の扱いになっているが、大学職員や受診者は無料となっている。週末は運休。

Img_6459 2枚目。Willamett川にかかる昇降橋。過去記事の写真の逆サイドからのもの。秋冬のポートランドで、こんなスカッとした雲一つ無い青空に恵まれる事は比較的少ないようだ。この橋は路面が舗装されておらず、網目状の鉄板から上を通る車が透けて見え、金属的な走行音もけたたましい。

Img_6497 3枚目と4枚目は長距離バス グレイハウンドのターミナル。車社会のオレゴンにおいて長距離バスの利用者は比較的低所得の人が多く、治安の良いポートランドにあっても、いささか注意が必要なエリアの一つ、なんて説明を聞くと緊張してしまう。

Img_6496 むろん一人でぷらぷらと出歩いてるわけではなく、Union Station 訪問時に、ちょっと立ち寄っただけである。古くて暗くて重苦しい雰囲気はちょっと独特なものがある。アフリカっぽい??

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