RCGP OHSU UH 訪問記録36 完・まとめ
2011年11月6日日曜日~7日月曜日
日曜日夕方にホノルルから飛行機に乗り、羽田に着けば月曜日の22時。何だか丸1日損したようだが、積み重ねた24時間の時差を纏めてリセットするのだから仕方ない。体調を崩す事も無く長旅を無事に終える事ができた。このような貴重な機会を与えていただいた事、各都市で我々に時間を割いてくださった多くの方々に心より感謝したい。
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ロンドンのRCGP本部では、イギリスのプライマリーケア医の養成システムについて学び、実際の現場である診療所を見学した。医学教育や卒後研修、そして診療システムは比較的日本と類似していた。
国全体としてプライマリーケアが重視され、過半数の医師が進路として GP General Practitioner を選択し、社会的にも優遇されているという状況に目を見張った。卒後研修の評価システムは大変しっかりしており、生涯教育のシステムについても見習う点が多々あると感じた。
プライマリーケアの現場では、医療リソースが非常に制限されており、 五感を駆使した診療は、医師としての基本的な実力を問われる厳しい環境とも言える。病気の初期は症状や所見が揃っていない事も多く、初期診療ほど診断は困難なのである。
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2003年、2008年に続いて、3度目の訪問となったオレゴン健康科学大学では、顔なじみの方々との交流を深める事ができた。
今回個人経営のクリニックを見学できた事は大変興味深かった。顧客獲得に対する意識は大学付属クリニックとは異なると感じた。前回訪れたリーズポートのクリニックも個人経営ではあるが、田舎と都会では、同じ家庭医療やプライマリーケアでもかなり切り口が変わるのだと実感した。
ユナイテッド航空の機内誌には、アメリカ大都市の専門医クリニックの広告が掲載されており、こういう場所では東京と同じようだなあ…という印象も受けた。
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ハワイ大学では、同じ米国内ながら、また別の面を見る事ができた。コンパクトな医学部のみのキャンパス。充実したシミュレーション施設と、優秀な指導者。私立のオープン病院を利用しての臨床研修。病院の経営・運営と、大学教育は完全に切り離されており、大学の教員も病院そのものには影響力を行使できないのは、意外なことだった。
私の日程は短かったため、十分に病院内部や臨床教育の様子を見ることができなかったのは残念だった。きちんと内側を知るためには、単身で飛び込んでいく事も必要だろう。
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